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【第五課 第十九節】   小説読解


  「绿野仙踪」  弗兰克・鲍姆

绿野仙踪   第一集  龙卷风来了  

在堪萨斯州的大草原上,生活着小姑娘多罗茜以及她的亨利叔叔和艾姆婶婶。

亨利叔叔是个农民,艾姆婶婶是他的妻子。
在大草原上盖房子非常不容易,因为所用的木材得从好几十里地以外的地方运回来,所以他们住的房子特别简陋。

屋子里的摆设也很简单,只有一个铁锈斑斑的火炉、一个放碗的柜子、一张桌子、三把椅子和两张床。
角落里稍大一点的床是亨利叔叔和艾姆婶婶的,而对面那张小床是多罗茜的。

屋子里没有小阁楼,也没有地下室,只有一个小洞,被称为“龙卷风地洞”。
每当威力无比的龙卷风刮来时,全家人都可以躲进去。  

房子四周是一望无际的大草原,草原上除了灰蒙蒙的枯草外,没有一棵树,也没有别的房子。
当初,艾姆婶婶刚来这儿时,还是一个年轻、漂亮的姑娘。可现在,火辣辣的太阳和猛烈的风已经将她的模样改变了。

它们从她那水汪汪的大眼睛里夺走了往日的光彩,从她的脸庞和嘴唇上夺走了红润。
如今,艾姆婶婶显得消瘦而憔悴。  

亨利叔叔是一家之主。他很严肃,从来没有笑过,每天从早到晚辛苦地干活,好像根本不知道什么是快乐似的。  
多罗茜很小就没有了父母,于是跟着叔叔来到这里。

她是个快乐的小姑娘,不论什么时候,总能发出快乐的笑声。
多罗茜有一个小伙伴—托托。托托是一只可爱的小狗,它整天跳上跳下玩耍着,多罗茜也快乐地陪着它一起玩。  

不过,他们今天没有出去玩,亨利叔叔也没有出去工作,而是坐在门口的台阶上,烦恼地望着比平时更加灰暗的天空。  
忽然,远处传来狂风低沉可怕的呼啸声。

紧接着,一阵阵狂风怒吼着刮过草原,眼看就要刮过来了。亨利叔叔猛地站起来,大声对妻子说:“龙卷风要来了,艾姆。我去看看牲口。”
他一边说,一边朝牲口棚跑去。艾姆婶婶丢下手里的活,望了一下天空。“快,多罗茜!”她尖叫道,“快到地洞里去!”

这时,托托恰好从多罗茜的怀里跳出来,躲到了床底下,多罗茜只好去抓它。  
多罗茜没走几步,就听到一阵刺耳的呼啸声,房子突然剧烈摇晃起来。

紧接着,一件奇怪的事情发生了。房子旋转两三圈后,竟然慢慢升到空中去了!多罗茜觉得自己好像乘着一只大气球飞上了天。
原来,从南方和北方刮过来的风刚好在房子周围汇合,形成了龙卷风的中心。

房子轻得就像风中的一根羽毛似的,被龙卷风刮得很远很远。多罗茜待在房子里,没有觉得颠簸,只是感觉在平稳地上升。
没过多久,房子渐渐倾斜起来。突然,四周一片黑暗,风在房子四周可怕地吼叫着。

多罗茜觉得自己好像一个躺在摇篮里的婴儿,被轻轻地摇晃着。
托托似乎无法忍受被这样摇晃着,于是在屋子里面跑来跑去,边跑边汪汪大叫。  

一次,托托跑得太靠近地板上那个地洞门了,一不小心掉了出去。
多罗茜原本以为托托会从高空中掉下去,不由得伤心地哭起来。

没想到,过了一会儿,托托的一只耳朵在地洞口竖了起来,原来是外面强大的空气压力托住了它,它才没有摔到地上去。
多罗茜高兴极了,急忙爬到洞口,将它拉进了屋里。

为了防止意外再次发生,多罗茜紧紧地关上了那扇地洞门。  
此后,多罗茜再也没有移动一下,托托也老老实实地待在她的怀里。

时间一小时又一小时地过去了,多罗茜对飘在空中的感觉已经渐渐适应,不再那么害怕了。这时,她开始担心另外一件事情,
那就是当风停下来,房子再掉到地上时,自己和托托会不会被摔得粉身碎骨。
幸运的是,几个小时过去了,房子并没有掉下去,也没有其他可怕的事情发生。

于是,多罗茜不再胡思乱想了,而是静下心来等待,看看后到底会发生什么事情。  
又过了一会儿,多罗茜觉得太无聊了,就从晃动的地板上爬到角落里的小床上躺着。托托也来到她的身边,和她躺在一起。  

尽管房子仍然在摇晃,风仍然在吼叫,但多罗茜感觉安稳了许多,就闭上了眼睛,没想到很快就进入了梦乡。  
不知过了多久,多罗茜突然被一阵猛烈的震动惊醒了。

一时间,她也不知道发生了什么事情,只是紧紧地抱着托托,屏住了呼吸。
托托似乎预感到了什么,不停地用它那冰冷的小鼻子贴到多罗茜的脸上,可怜兮兮地叫着。  

过了一会儿,多罗茜从床上坐起来,才发现房子不动了,
周围也不再是漆黑一片,灿烂的阳光正从窗外照射进来,洒满了整个小房子。




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【注 釈】


【绿野仙踪】 lǜ yě xiān zōng      オズの魔法使い(The Wizard of Oz)

アメリカの作家フランク・ボーム(Frank Baum)の児童文学。1900年刊。
竜巻によって不思議の国オズに飛ばされた少女ドロシーが、さまざまな冒険を経て故郷に帰るまでを描く。


绿野仙踪(The Wizard of Oz)
美国本土作家弗兰克・鲍姆创作的儿童文学作品,于1900年出版。
是一本关于友情和家乡的书。书中讲述了堪萨斯小女孩儿多萝茜及小狗托托被一阵龙卷风吹到了一个神奇的国度奥兹国,
为回到家乡而展开的一场关于友情、勇气与梦想的奇幻历险故事。

一路上,多萝茜遇到了渴望拥有聪明大脑的稻草人、想拥有善良之心的铁皮人,还有希望获得无上勇气的胆小狮子。
他们在加入这个队伍以前,各有自己的遭遇,却在旅途过程中彼此成为了亲密的旅伴。
他们患难与共,喜悦同享,一起度过了那些不可思议的奇特经历,终于到达传说中的绿宝石城。



【弗兰克・鲍姆】 fú lán kè bào mǔ      フランク・ボーム(Frank Baum)(1856~1919年)

アメリカの童話作家。ニューヨークに生まれる。新聞記者、俳優、セールスマン、雑貨店主、劇作家などを経てのち、
子供向けに書いた『Mother Goose in Prose』(1897)で好評を得、さらに『オズの魔法使い』で大成功した。
オズのシリーズ14冊を書いたほか、約30冊の子供向け創作があり、戯曲や詩も多い。


弗兰克·鲍姆(Frank Baum)
美国著名的童话作家,1899年,开始儿童文学创作。一生共创作55部小说、83个短篇故事以及200余首诗歌。
其中《绿野仙踪》最为成功,曾连续两年位居美国畅销童书榜首,是美国儿童文学史上第一部受到普遍赞赏的童话。


【龙卷风】 lóng juǎn fēng  竜巻
【堪萨斯州】 kān sà sī zhōu  カンザス州
【多罗茜】 duō luó qiàn  ドロシー
【亨利叔叔】 hēng lì shū shu  ヘンリー叔父さん
【艾姆婶婶】 ài mǔ shěn shen  エム叔母さん

【得】 děi  (助動詞)しなければならない
【简陋】 jiǎn lòu  粗末だ
【铁锈斑斑】 tiě xiù bān bān  あちこち錆びついている(斑斑 あちこち)
【小阁楼】 xiǎo gé lóu  小さい屋根裏部屋

【一望无际】 yí wàng wú jì  見渡す限りの
【灰蒙蒙】 huī mēng mēng  しおれて灰色になった
【火辣辣】 huǒ lā lā  じりじりと照りつける
【水汪汪】 shuǐ wāng wāng  ぱっちりしている

【脸庞】 liǎn páng  顔立ち
【嘴唇】 zuǐ chún  唇
【红润】 hóng rùn  赤くてつやつやしている
【消瘦】 xiāo shòu  やせ衰える
【憔悴】 qiáo cuì  やつれる

【不知道什么是快乐似的】 kuài lè shì de  楽しいといったものなど知らなげに(似的は、似ていることを表す構造助詞)
【不论什么时候】 bú lùn shén me shí hou  たとえいつであろうと(不论 たとえ~であろうと結論は一定だ)

【小伙伴】 xiǎo huǒ bàn  小さい友だち
【托托】 tuō tuō  トト(犬の名)
【跳上跳下】 tiào shàng tiào xià  飛んだり跳ねたりしている
【牲口棚】 shēng kǒu péng  家畜小屋

【旋转两三圈】 xuán zhuǎn liǎng sān quān  二、三回転する(圈は、円を描く動作を数える量詞)
【汇合】 huì hé  合流する
【颠簸】 diān bǒ  上下に揺れる

【不由得】 bù yóu de  思わず(副詞)
【胡思乱想】 hú sī luàn xiǎng  つまらぬことをあれこれ考える
【可怜兮兮】 kě lián xī xī  悲しげに(兮兮 ~といった様子だ)



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【口語訳】


「オズの魔法使い」    フランク・ボーム


オズの魔法使い (エピソード1) 竜巻がやって来た

少女ドロシーは、カンザス州の大草原で、ヘンリー叔父さん、エム叔母さんと一緒に暮らしています。
ヘンリー叔父さんは農夫で、エム叔母さんはその奥さんです。
大草原に家を建てるのは、何十里も離れたところから材木を運び出さなければならないので、大変でした。

部屋の中も、さびたストーブがひとつ、食器を入れた戸棚がひとつ、テーブルがひとつ、椅子が三つ、ベッドがふたつと、シンプルなものです。
隅の大きめのベッドは、ヘンリー叔父さんとエム叔母さんのベッドで、向かいの小さなベッドはドロシーのベットです。

屋根裏部屋も地下室もない家の中は「竜巻の穴」と呼ばれる小さな穴があるだけです。
これは、巨大な竜巻が襲ってくるたびに、家族全員が逃げ込むための穴でした。



家のまわりは見渡すかぎりの大草原で、そこには灰色の枯れ草のほかには一本の木も家もありません。
エム叔母さんがここへ来た時は、まだ若くて綺麗な娘でした。
でも今では、照りつける太陽と強い風が、彼女の姿を一変させてしまいました。
それらは彼女のぱっちりした大きな目から昔の輝きを奪い、彼女の顔と唇から赤みを奪ったのです。
今のエム叔母さんは、すっかりやつれてしまいました。

ヘンリー叔父さんは一家の主人です。まじめで、笑ったこともなく、毎日、朝から晩まで、楽しいことなど何も知らないように働いています。
ドロシーは幼い頃に両親がいなくなり、叔父さんに連れられて、ここに来ました。
彼女はいつでも、楽しそうに笑っている、明るい娘でした。ドロシーにはトトという友達がいます。
トトは一日中、飛び跳ねて遊んでいるかわいい子犬で、ドロシーも一緒に楽しく遊んだりします。



でも、今日に限ってはどこにも遊びに行きませんでした。
ヘンリー叔父さんも仕事にも行かず、家の入口の階段に座って、いつもより暗い空を悩ましげに眺めています。
突然、遠くから低くて恐ろしい風のうなり声がしました。
すると、一陣の狂風が、轟音を立てて草原を吹き抜け、今にもこちらへ近づいてきそうでした。

ヘンリー叔父さんが勢いよく立ち上がり、奥さんに大声で言いました。「竜巻が来るぞ、エム。わしは家畜を見に行って来る」
そう言って、叔父さんは畜舎の方へ走って行きました。エム叔母さんは仕事の手を止めて空を見上げました。
そして「さあ、ドロシー! 早く穴の中へ!」と、大きな声で叫びました
すると、トトがドロシーの腕から飛び出してベッドの下に隠れてしまいました。ドロシーはトトを捕まえようとします。

ドロシーが何歩も歩かないうちに、耳障りな音がして、家が急に大きく揺れました。
すると、ふしぎなことがおこりました。家が二、三回転して、ゆっくりと、空に舞い上がっていきました。
ドロシーは大きな風船に乗って空を飛んでいるような気がしました。
南からの風と北からの風が、ちょうど家の周りで合流して、竜巻の中心になったのです。



家は風にあおられて羽のように軽くなり、竜巻によって遠くへ吹き飛ばされてしまいました。
でも家の中にいたドロシーは揺れを感じず、ただ穏やかに上昇していくように感じました。
そのうちに、家はだんだん傾いてきました。風が家のまわりで恐ろしいうなりをあげています。
とつぜんあたりは真っ暗になりました。

ドロシーは揺りかごに入った赤ん坊が、そっと揺られているような気がしました。
そんな風に揺さぶられるのが耐えられないのか、トトは部屋の中をわんわん叫びながら走り回っています。
するとトトは、床の穴の開いた入口に近づきすぎて、誤って落ちてしまいました。
ドロシーは、トトが高いところから落ちてしまったと思い、思わず泣き出します。

ところが、しばらくすると、なんと床の穴の入口から、トトの片方の耳が見えるではありませんか。
トトは強い空気の圧力に支えられて、下に落ちずにいられたのです。
ドロシーは大喜びで、急いで穴に駆け寄り、トトを家の中に引っ張り込みました。



ドロシーはまた落ちたりしないように、穴の入口の扉をしっかりと閉めました。
そのあとドロシーはじっと動かず、トトもこんどは彼女の腕の中でおとなしくしていました。
一時間、また一時間と時間が経ち、ドロシーは空を漂う感覚にも慣れてきて、それほど怖くなくなりました。

でもその時、彼女は別のことが気がかりとなりました。
それは、風がやんで家が落ちてきたら、自分もトトも粉々になってしまうのではないかということです。
幸い、数時間経っても家は落ちず、ほかに恐ろしいことも起きませんでした。



ドロシーは、あれこれ考えるのをやめて、いったいこれから何が起こるのかと、じっと待つことにしました。
やがて退屈した彼女は、ぐらぐらする床を這って行き、部屋の隅のベットの上に横たわります。
トトもそばに来て、一緒に横になりました。

家は揺れ続け、風も唸っていましたが、ドロシーは安らぎを感じて目を閉じると、そのまま眠りにつきました。
どれくらい経ったのか、ドロシーは激しい振動で目を覚ましました。
しばらくは何が起こったのかわからず、ただトトを抱きしめて息を殺してじっとしていました。

トトは何かを予感したのか、冷たい小さな鼻をドロシーの顔に押しつけ、悲しげに鳴き声をあげています。
しばらくしてドロシーはベッドから体を起こし、家が動かないことに気づきました。

あたりはもう暗くはなく、窓から入り込んだ燦々とした陽射しが小さな部屋のなかを一面に満ちていました。