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【第五課 第二十八節】 小説読解
「茶馆」 第一幕 老舎
时 间 一八九八年(戊戌)初秋,康梁等的维新运动失败了。早半天。
地 点 北京,裕泰大茶馆。
人 物 王利发 刘麻子 庞太监 唐铁嘴 康六 小牛儿 松二爷 黄胖子
宋恩子 常四爷 秦仲义 吴祥子 李三 老人 康顺子 二德子 乡妇
茶客甲、乙、丙、丁 马五爷 小妞 茶房一二人
幕启:这种大茶馆现在已经不见了。在几十年前,每城都起码有一处。
这里卖茶,也卖简单的点心与菜饭。
玩鸟的人们,每天在蹓够了画眉、黄鸟等之后,要到这里歇歇腿,喝喝茶,并使鸟儿表演歌唱。
商议事情的,说媒拉纤的,也到这里来。
那年月,时常有打群架的,但是总会有朋友出头给双方调解;三五十口子打手,经调人东说西说,
便都喝碗茶,吃碗烂肉面(大茶馆特殊的食品,价钱便宜,作起来快当),
就可以化干戈为玉帛了。
总之,这是当日非常重要的地方,有事无事都可以来坐半天。
在这里,可以听到最荒唐的新闻,如某处的大蜘蛛怎么成了精,受到雷击。
奇怪的意见也在这里可以听到,象把海边上都修上大墙,就足以挡住洋兵上岸。
这里还可以听到某京戏演员新近创造了什么腔儿,和煎熬鸦片烟的最好的方法。
这里也可以看到某人新得到的奇珍——一个出土的玉扇坠儿,或三彩的鼻烟壶。
这真是个重要的地方,简直可以算作文化交流的所在。
我们现在就要看见这样的一座茶馆。
一进门是柜台与炉灶——为省点事,我们的舞台上可以不要炉灶;后面有些锅勺的响声也就够了。
屋子非常高大,摆着长桌与方桌,长凳与小凳,都是茶座儿。
隔窗可见后院,高搭着凉棚,棚下也有茶座儿。
屋里和凉棚下都有挂鸟笼的地方。各处都贴着“莫谈国事”的纸条。
有两位茶客,不知姓名,正眯着眼,摇着头,拍板低唱。有两三位茶客,也不知姓名,正入神地欣赏瓦罐里的蟋蟀。
两位穿灰色大衫的——宋恩子与吴祥子,正低声地谈话,看样子他们是北衙门的办案的(侦缉)。
今天又有一起打群架的,据说是为了争一只家鸽,惹起非用武 力解决不可的纠纷。
假若真打起来,非出人命不可,因为被约的打手中包括着善扑营的哥儿们和库兵,身手都十分厉害。
好在,不能真打起来,因为在双方还没把打 手约齐,已有人出面调停了——现在双方在这里会面。
三三两两的打手,都横眉立目,短打扮,随时进来,往后院去。
马五爷在不惹人注意的角落,独自坐着喝茶。
王利发高高地坐在柜台里。
唐铁嘴踏拉着鞋,身穿一件极长极脏的大布衫,耳上夹着几张小纸片,进来。
王利发 唐先生,你外边蹓蹓吧!
唐铁嘴 (惨笑)王掌柜,捧捧唐铁嘴吧! 送给我碗茶喝,我就先给您相相面吧!手相奉送,不取分文!
(不容分说,拉过王利发的手来)今年是光绪二十四年,戊戌。您贵庚是……
王利发 (夺回手去)算了吧,我送给你一碗茶喝,你就甭卖那套生意口啦!用不着相面,
咱们既在江湖内,都是苦命人!(由柜台内走出,让唐铁嘴坐下)
坐下!我告诉你,你要是不戒了大烟,就永远交不了好运!这是我的相法,比你的更灵验!
〔松二爷和常四爷都提着鸟笼进来,王利发向他们打招呼。他们先把鸟笼子挂好,找地方坐下。
松二爷文诌诌的,提着小黄鸟笼;常四爷雄赳赳的,提着大而高的画眉笼。
茶房李三赶紧过来,沏上盖碗茶。他们自带茶叶。茶沏好,松二爷、常四爷向邻近的茶座让了让。
松二爷 您喝这个!(然后,往后院看了看)
常四爷 您喝这个!(然后,往后院看了看)
松二爷 好象又有事儿?
常四爷 反正打不起来!要真打的话,早到城外头去啦;到茶馆来干吗?
〔二德子,一位打手,恰好进来,听见了常四爷的话。
二德子 (凑过去)你这是对谁甩闲话呢?
常四爷 (不肯示弱)你问我哪?花钱喝茶,难道还教谁管着吗?
松二爷 (打量了二德子一番)我说这位爷,您是营里当差的吧?来,坐下喝一碗,我们也都是外场人。
二德子 你管我当差不当差呢!
常四爷 要抖威风,跟洋人干去,洋人厉害!英法联军烧了圆明园,尊家吃着官饷,可没见您去冲锋打仗!
二德子 甭说打洋人不打,我先管教管教你!(要动手)
〔别的茶客依旧进行他们自己的事。王利发急忙跑过来。
王利发 哥儿们,都是街面上的朋友,有话好说。德爷,您后边坐!
〔二德子不听王利发的话,一下子把一个盖碗楼下桌去,摔碎。翻手要抓常四爷的脖领。
常四爷 (闪过)你要怎么着?
二德子 怎么着?我碰不了洋人,还碰不了你吗?
马五爷 (并未立起)二德子,你威风啊!
二德子 (四下扫视,看到马五爷)喝,马五爷,您在这儿哪?我可眼拙,没看见您!(过去请安)
马五爷 有什么事好好地说,干吗动不动地就讲打?
二德子 嗻!您说的对!我到后头坐坐去。李三,这儿的茶钱我候啦!(往后面走去)
常四爷 (凑过来,要对马五爷发牢骚)这位爷,您圣明,您给评评理!
马五爷 (立起来)我还有事,再见!(走出去)
常四爷 (对王利发)邪!这倒是个怪人!
王利发 您不知道这是马五爷呀?怪不得您也得罪了他!
常四爷 我也得罪了他?我今天出门没挑好日子!
王利发 (低声地)刚才您说洋人怎样,他就是吃洋饭的。信洋教,说洋话,
有事情可以一直地找宛平县的县太爷去,要不怎么连官面上都不惹他呢!
常四爷 (往原处走)哼,我就不佩服吃洋饭的!
王利发 (向宋恩子、吴祥子那边稍一歪头,低声地)说话请留点神!
(大声地)李三,再给这儿沏一碗来!(拾起地上的碎磁片)
松二爷 盖碗多少钱?我赔!外场人不作老娘们事!
王利发 不忙,待会儿再算吧!(走开)
〔纤手刘麻子领着康六进来。刘麻予先向松二爷、常四爷打招呼。
刘麻子 您二位真早班儿!(掏出鼻烟壶,倒烟)您试试这个!刚装来的,地道英国造,又细又纯!
常四爷 唉!连鼻烟也得从外洋来!这得往外流多少银子啊!
刘麻子 咱们大清国有的是金山银山,永远花不完!您坐着,我办点小事!(领康六找了个座儿)
〔李三拿过一碗茶来。
刘麻子 说说吧,十两银子行不行?你说干脆的!我忙,没工夫专伺候你!
康 六 刘爷!十五岁的大姑娘,就值十两银子吗?
刘麻子 卖到窑子去,也许多拿一两八钱的,可是你又不肯!
康 六 那是我的亲女儿!我能够……
刘麻子 有女儿,你可养活不起,这怪谁呢?
康 六 那不是因为乡下种地的都没法子混了吗?一家大小要是一天能吃上一顿粥,我要还想卖女儿,我就不是人!
刘麻子 那是你们乡下的事,我管不着。我受你之托,教你不吃亏,又教你女儿有个吃跑饭的地方,这还不好吗?
康 六 到底给谁呢?
刘麻子 我一说,你必定从心眼里乐意!一位在宫里当差的!
康 六 宫里当差的谁要个乡下丫头呢?
刘麻子 那不是你女儿的命好吗?
康 六 谁呢?
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【注 釈】
【老舎】lǎo shè 老舎 (ろうしゃ) (1899~1966)
中国の作家。本名は舒慶春。北京の貧しい満州旗人の家に生まれる。
海外生活が長かったが、1949年周恩来の要請を受け帰国。純粋の北京語と特異な諷刺とで知られる。
文化大革命で迫害死、1978年名誉回復。小説 「四世同堂」 「駱駝祥子」、戯曲 「茶館」 など。
【茶馆】chá guǎn
茶館(ちゃかん)1957年に発表した老舎の三幕に渡る戯曲作品。
物語の舞台は、北京の胡同にある一軒の大きな茶館(茶店)
そこは庶民たちが集い、お茶を飲みながら語り合ったりする社交の場。
鳥かごをぶら下げて自慢のペット(小鳥)の鳴き声を自慢しあったりする老人や、古い玉器を
売り買いしたり、占いをしたりしている人たちなど、そこには様々な人々が出入りしていた。
一方、物語の時代背景は、第一幕から第三幕まで、それぞれ清朝末期、民国初期、新中国誕生前夜という、
ほぼ半世紀に渡る時代の変遷が綴られる。
そして、その当時における茶館に集う人々の生活や境遇を通じて、世相の転変推移が描かれていく。
【蹓够】liù gòu(散步走腻了)散歩しまくる
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【口語訳】
「茶館(ちゃかん)」 第一幕 老舎
(時間)1898年(光緒24年)初秋、康有為、梁啓超らの維新運働(戊戌の変法)は失敗に終わった。当時のある午前中。
(場所)北京、裕泰大茶館(ゆうたいだいちゃかん)
(登場人物)王利発(おうりはつ)劉麻子(りゅうまあず)膨太監(ぼうたいかん)唐鉄嘴(とうてつし)康六(こうろく)
子牛児(こぎゅうじ)松二爺(しょうにじい)黄肥子(こうこえず)宋恩子(そうおんず)常四爺(じょうよんじい)
秦仲義(しんちゅうぎ)呉祥子(ごしあんず)李三(りさん)老人(ろうじん)康順子(こうじゅんず)
二徳子(にとくず)田舎女(いなかおんな)茶飲み客甲(ちゃのみきゃく こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)
馬五爺(まごじい)小娘(こむすめ)給仕一、二名
第一幕
数十年前までは、この手の大きな茶店は、どの町にも一つはあったのだが、
今はもう見掛けなくなってしまった。
そこではお茶のほかに、簡単な菓子や食事も出していた。
中には鳥好きな客がいて、毎日ガビ鳥やら、ウグイスやらを鳥籠に入れて散歩した後、
茶店に来て、足を休めて茶を飲み、他の客にも鳥の鳴き声を披露したりするのだった。
そのほか商談で訪れる者、怪しげな結婚仲介屋なんかもよく来る。
迷惑な話だが、たまに店の中で喧嘩を始める奴らがいる。それでも必ず仲裁に入る奴が出て来る。
四五十人もの荒くれ者が、仲裁人の取りなしで矛を収め、こんどは和気藹々と皆で茶を飲み、
肉うどんを食べたりする。
(ちなみにこの肉うどんは、この茶店の名物料理で、簡単に作れて、値段も安い)
そういうわけで、この茶店は彼ら庶民の社交の場になっており、用事の有る無しに関わらず、
長時間座っていることができるのだ。
この店では、かなり衝撃的かつ珍妙な噂話を耳にすることができる。
たとえば、どこぞの大蜘蛛が、怨霊に変化したあげく、最後には雷に打たれて成仏したとか、
異国の兵隊どもの上陸を阻むには、海岸にえんえんと大長城を築けばよいとか、
あるいはまた、ある京劇の役者が、最近どんなジョークを飛ばしたかとか、
そのほか、阿片の煙草を最も気持ちよく煎じて喫うにはどうしたらよいかとか、
さらにこの店では、誰かが最近入手したばかりの、かなり珍しい玉の扇の出土品や、
目にも綾なる色とりどりの嗅ぎタバコ入れなどを見ることが出来た。
ことほどさように、この茶店は彼ら庶民の文化交流の場ともなっているのだ。