小説モーニング娘。 第十五章 「そうだ!We're ALIVE」    

2001年春、モーニング娘。は10人。
ここにいるみんなで作った思い出。もちろん明日香も彩っぺも…そして市井紗耶香も。

モーニング娘。の歩み…モーニング娘。の思い出。
すべてが結びついて今ここにいる10人のモーニング娘。を作っている…。

…今年の春……中澤裕子は一生忘れないと思う。
他の記憶が薄れていっても、今年の春は絶対に忘れない。
モーニング娘。のみんなのために…そして中澤裕子、彼女自身のために……。

2001年3月から展開してきた全国ツアー「ライブ レボリューション 21」最終日をもって最年長メンバーの中澤裕子(27)が卒業してソロに転身することとなった。

中澤は2時間を超すステージ後、完全燃焼しきったかのようにあいさつに立った。
「私の愛したモーニング娘。をこれからもよろしく」
去り行く彼女から残る者たちへ言葉を贈る。残される辛さ、寂しさを誰よりも知っている彼女だから。

他のメンバー9人が舞台裏で見守る中、1人でマイクを握り締めて「サンキュー!愛してるよ!」「バイバイ」と連呼。
何度も大きく手を振りながら、あふれる涙を必死でこらえた。
「これからもっと大きくなって輝いていくモーニング娘。をよろしく」
残される者たちへ、愛するものたちへ、これからのモーニング娘。の未来に。

そしてついに彼女はステージを降りた...。
2001年4月15日、ツアー最終日、大阪城ホールにて、中澤裕子、卒業...。

モーニング娘。の中澤裕子。そのときその瞬間まで、彼女は「モーニング娘。」であり続けた。
デビューしてから3年あまり、結成以来のオリメンとして、モーニング娘。のリーダーとして多忙な活動を続けてきた。
そして今、彼女はモーニング娘。の中澤裕子ではなく、ひとりきりの中澤裕子になった。
しかし彼女の心のどこかには常にモーニング娘。の自分がいる。
デビュー以来の歳月の中で生まれた深い絆も、そこで彼女が手に入れた誇りも、一生消えることはないだろう。