小説モーニング娘。 第九章「恋のダンスサイト」    

「あたし、安倍なつみ。なっちって言うんだ。よろしくね。」
最初に真希に話しかけたのは安倍なつみだった。
ジャケット撮影の時、隣にいた人だ!真希は思った。
「真希ちゃん、まだ中2なんでしょ。何でも出来ないのは当たり前なんだからゆっくりやればいいよ。」
今日はモーニング娘。のメンバーと初めての顔合わせの日だった。
真希が一人で座っていることに気がついて、なつみは優しく話しかけた。

サマーナイトタウンの振り付けが始まると、なつみはさっと席を離れていった。
安倍なつみの目が、真剣そのもののまっすぐとした瞳に変わる。
なつみのダンスはひたすら前に前に迫ってくるみたいに感じられた。
それはモーニング娘。でセンターポジションをずっと守っている安倍なつみ本来の姿だと真希は思った。

「後藤ひとりでよかった。後藤真希がオーディションを受けた時点で、他の子を選ぶ必要がなくなってしまった」(つんく)

初期メンバー、福田明日香の脱退を受けて、2回目となる追加オーディションの開催が告知されたのは、1999年6月27日。
このオーディションは2名増員の予定だったが、当初の予定を覆す、後藤真希ただ1人が合格という結果になった。

新生モーニング娘。の一員としての初仕事は、新曲のジャケット撮影だった。
後藤に与えられたのは、安倍なつみと並ぶ最前列ど真ん中というポジション。
そして加入直後にリリースとなった「LOVEマシーン」で後藤はセンターポジションを取り、オリコンチャート1位、初のミリオンヒットの起爆剤となった。

後藤は加入後に結成されたユニット「プッチモニ」にも参加。
ここでもオリコン1位を連発し、モーニング娘。を母体としながら、別ユニットでも活動させるという、その後のモーニング娘。の方向性を確定し、モーニング娘。の顔として芸能界の最前線で活躍することになる。