1月2日   不思議の国のアリス(1) (ウサギの穴)       春夏秋冬(年賀状)
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空が からりと 晴れわたった 秋の昼下がり。

落ち葉が かさこそと まい散る大きな木の下で、アリスはお姉さんに 本を読んでもらっていました。

でも、挿絵(さしえ)のない本なんて、とっても退屈。


「わたしの世界では、どの本も挿絵でいっぱいなの」

アリスが言うと、お姉さんは、「あなたの世界? またそんなこと言って!」と、あきれ顔。


アリスは、小ネコのダイナに言います。

「そう、わたしの世界ではね、ばかげたことがあたりまえなの。すべてがナンセンスであべこべなの」




                                         




「どうしよう、遅刻 (ちこく)しちゃうぞ!」

目のまえを、飛ぶようにかけていった白ウサギに、アリスはびっくり。

ウサギがしゃべったばかりか、服を着て、時計まで持っていたのですから!


いったいなにを、あんなにあわてているのかしら? もしかしたらパーティかも。

「ウサギさん、まって!」 アリスは思わず、ウサギのあとを追いかけます。

たったか、たったか、ぴょん。白ウサギは穴へとびこみます。アリスもあとを追って、穴にぴょん。


どすん! すってんころりん! しりもちをついたアリス。

さいわい、おしりの下は、かれ葉の山。けがをするどころか、いたくもない。


まわりは とびらだらけの部屋。見上げると、天井がとっても低い。

屋根から 一列にぶら下がったランプが あたりを明るくてらしている。


「なんてこった、遅刻(ちこく)しちゃうぞ!」


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