常人には弾けない楽器演奏を「超絶技巧」と言いますが、ロマン派時代(1800年代後半)に活躍したフランツ・リストという作曲家が難曲を書くことで有名です。
リストのピアノ曲はかなり高度な技巧性が要求されます。
それは彼の演奏力が反映されているからで、どの曲もエチュード的な性質を持ちあわせており、練習してもテクニックを磨き上げる要素が含まれています。
演奏家には聴衆を驚かせるようなテクニックが必要であることをリストはパガニーニ(Paganini) の演奏から学びました。
ヴィルトゥオーソ(Virtuoso 巨匠)、つまり他の人には真似できないようなおどろくべき技巧を持っていることをアピールできるようなピアノ曲を多く書いたのです。
練習には多くの時間を要しますが、そこから得るものはピアノテクニックを向上させるものばかりです。
フランツ・リスト Franz Liszt(1811-1886年)
ハンガリー出身のピアニスト・作曲家。5歳からピアノを始め、9歳のときツェルニーにピアノを師事。
13歳のときにパリでピアニストとしてデビュー。その後ヨーロッパ各地を演奏旅行。
20歳のときにパガニーニ(Nicolo Paganini)の演奏を聴いて感銘を受け、自らも超絶技巧を目指した。
またショパン(Frederic Chopin) 、シューマン(Robert Schumann)らと親交が深く、音楽的にも大いに影響を受けた。
主要作品「パガニーニによる大練習曲」「ハンガリー狂詩曲」などのピアノ曲集、「前奏曲」「マゼッパ」
「ダンテ交響曲」「ファウスト交響曲」などの標題交響曲。。
(この絵のイメージは Exposition Marie のご好意で使用させていただいています)
パガニーニよる大練習曲「ラ・カンパネラ」 第3番 嬰ト短調
推して知るべし
リストはいろいろな女性から愛されたが、ダグー夫人という女流作家と無理やり同棲させられてしまった。
彼女は自分とリストの話にロマンティックな色をつけて小説に書き上げ、リストに題をつけてくれとたのんだ。
原稿を読み終わったリストはその表紙にさらさらと書いた。
「高慢と嘘」