3月29日  パガニーニ  「ヴァイオリン協奏曲第1番」  (Violin Concerto No.1)   
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パガニーニは、7歳のとき父からヴァイオリンの手ほどきを受けます。

その練習は常軌を逸したものだったと言われ、朝から晩まで一日中楽器をさわらせ、

さらに思うように進歩がないと食事も与えられなかったといいいます。


その後パガニーニは、何人ものすぐれたヴァイオリン奏者に師事し、

1812年、30歳のときミラノの演奏会で大成功を収め、ヴァイオリニストとしての地位を確立します。

1819年、ナポリにてヴァイオリン協奏曲第1番を初演。


1828年、パガニーニの演奏は、国外でも、ウィーン、ベルリン、パリ、ロンドンの聴衆を魅了し、パガニーニ・フィーバーを巻き起こしました。

人々が魔力に惹きつけられるような「豪華絢爛な超絶技巧」は、ついに一世を風靡したのです。



                                 



パガニーニはその超人的な技術ばかりが伝えられていますが、この曲の哀愁を帯びた旋律でわかるように、

高度な技巧の中に人々の心に染みる深い感動を与える要素が織り込まれていました。

1831年、音楽青年リストはパリのオペラ座でパガニーニのヴァイオリン演奏を聴きます。


人間離れしたパガニーニの演奏テクニックは彼に感銘を与え、リストの生涯を通じて大きな転機となりました。

その後、リストはパガニーニの超絶技巧をピアノに移植する試みに挑戦します。

当時パガニーニ49歳、リストは20歳の若さでありました。


ニコロ・パガニーニ Nicolo Paganini (1782〜1840)

イタリアのヴァイオリニスト、作曲家。屈指の名手としてヴァイオリン奏法の発展に貢献。ロマン的で技巧に富むヴァイオリン協奏曲・奇想曲などを作曲。

その超絶的な演奏テクニックゆえ「悪魔に魂を売った」という逸話が残っている。


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        「ヴァイオリン協奏曲 第1番」(Violin Concerto No.1)ニ長調 第1楽章

                   




G線上のコンチェルト


ある日パガニーニが演奏をしている時、ヴァイオリンの弦が次々と切れてしまった。

だがパガニーニは、残った弦一本だけで見事なコンチェルトを演奏しきった。

ハラハラして見ていた大勢の観客は、パガニーニに大喝采を浴びせた。

だが実は演奏中に、彼自身が鋭く伸ばした爪で、わざと弦を切ったのだった。

パガニーニは、大衆を喜ばせるショー・マン的な才能も備えていたのである。










パガニーニ  「ヴァイオリン協奏曲第1番」  (諏訪内晶子)


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