６月１７ 日　  ジャズの歴史 （3）　モダン・ジャズ　 （Modern） 　（1）　　




1940年代初頭に、ミュージシャンたちがニューヨーク・ハーレムのジャズクラブで繰広げたジャム・セッション（アドリブの腕比べ）

から始まったニュー・スタイルがビバップ（Be Bop）です。


ビバップは、それまでのスイング・ジャズに代わって、不協和音、複雑なリズム、明瞭でない旋律線などが多用され、

トランペットやサックスにリズム・セクション（ピアノ、ベース、ドラムの３編成）による即興演奏が主体となっています。


スイングとはさまざまな点で対照的だったビバップは、当時の気鋭の若手黒人ミュージシャンら（Charlie Parker、Dizzy Gillespie）が

中心となって実践されました。

そして、その新しいスタイルは、それまでの踊るための音楽から聴くための音楽へと、ジャズの芸術的価値を高める運動にもなりました。


その後、ビバップをもとに、感情をおさえたジャズのスタイルで、知的なサウンドが特徴のクール・ジャズ（Cool Jazz）が、

マイルス・デイビス（Miles Davis）らによって確立されました。


モダン・ジャズ・カルテット（Modern Jazz Quartet）は、1950年代のクール・ジャズを代表するジャズ・コンボ（小編成楽団）です。

メンバーはベース、ヴィブラフォン、ピアノ、ドラムの4人ですが、レパートリーは広く、ときにはエレキ楽器も使いました。


彼らのクールでゆったりとしたサウンドは、高度な演奏技術をもとに、ジャズの即興演奏とバロック音楽の対位法とをくみあわせたもので、

「サードストリーム・ミュージック」とよばれています。




                 



      ジャンゴ （DJANGO　1953年録音）

                                                       

 

	1953年に亡くなったベルギーの天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト（Django Reinhardt）に捧げられた曲。
	ジャンゴ・ラインハルトは、デューク・エリントン（Duke Ellington）の招きで1946年に渡米しました。 当時、ディジー・ガレスピー（Dizzy Gillespie）楽団時代のピアニストだったジョン・ルイスはニューヨークのジャズ・クラブでジャンゴと遭遇。
	一緒には演奏しなかったもののジャンゴの印象は強烈だったようで、その体験を踏まえてこの曲が誕生しました。
	ザ・モダン・ジャズ・カルテットの名声を決定づけたモダン・ジャズ不朽の名曲であり、弦楽四重奏を聴くような格調高い室内楽風のサウンドは、 多くのクラシック・ファンをジャズに引き込みました。