6月21日 ニンフ (Nymphe) 春夏秋冬(ニンジンの花) |
ヒュラス(Hylas)
アルゴ船遠征に参加したヘラクレスは、ヒュラスという美少年を愛していた。
遠征に参加するにあたっても、わざわざヒュラスを同行させるほどだった。
ヒュラスは、ドリュオペス人の国の王子だった。
雄牛を巡ってヒュラスの父王を殺してしまったヘラクレスは、その後、彼を引き取り、自分のそばに置いたのである。
アルゴ船の航海の途上、小アジアのミュシア(Mysia)に上陸したときのことである。
ヘラクレスは、折れた櫂(かい)の代わりになる木を探し、ヒュラスは飲み水になる真水を探して森の中に入っていった。
ヒュラスが泉を見つけて水を汲もうとしたところ、その愛らしい容貌に一目ぼれした水のニンフたちが、
いきなりヒュラスを水の中に引きずり込んでしまった。
ヒュラスがいなくなったことを知ったヘラクレスは、ただひたすら嘆き悲しんだ。