| 7月4日 能 羽衣 |
ひとりの天女が地上に降りてきた。
富士のたもとの美保の松原で、水浴びをしている隙に、
松にかけた羽衣を漁師にとられてしまった。
漁師の名は白龍(はくりゅう)といった。
彼は羽衣を宝にしようと思ったのだ。
天女は、その羽衣がないと天上に帰ることが出来ないと泣きつく。
白龍は、天女の舞を見せてくれるのなら羽衣を返そうと言う。
だが羽衣を返したら、そのまま天上へ逃げ帰ってしまうつもりだろうと疑う。
天女は、やさしく言い返す。
「いや、疑ひは人間にあり。天に偽りなきものを」
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「羽衣」とは
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「能」は、室町時代初期に成立した舞台芸術で、観阿弥(1338−1384年)と世阿弥(1363−1443年)父子によって大成し、
足利義満(1358−1408年)によって愛好、保護された。
その後、秀吉、家康とこれを保護し、江戸幕府の儀式用芸能と定められ、今日も多くの人々によって演じ続けられている。
「羽衣」は、能の曲目の一つで、世阿弥の作ともいわれ、日本各地に伝わる「羽衣伝説」が原型となっている。
天女が羽衣を身にまとい、三保の松原の春景色をめでながら舞を舞い(序ノ舞)富士を見下ろして空遠く去って行くという筋書き。
羽衣伝説では天女が漁師とやむなく結婚し、子供ももうけたあとで羽衣を発見して天に帰るのだが、
能では、天女を清純なままで昇天させるところに主張がある。
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