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このワープ航法は、アインシュタインの一般相対性理論にある
  「物質がその周りの時空を曲げる」という考え方が出発点となっている。
  
物質が時空を曲げるというのは、例えば人工衛星の運行が挙げられる。
人工衛星自体は、空間の中をまっすぐに進んでいるが、その空間が地球の重力によって
ゆがんでいるために、地球の周りを周回することになる。
  この場合、重力というエネルギーの存在が、その周りの空間にゆがみを生じさせている。
  
  
ワープ航法の原理は、膨大なエネルギーによって、時空に局所的なゆがみを生じさせ、
最短距離で宇宙船を目的地に向かわせるというものだ。
  このテクノロジーを使えば、人類は何百年もかけることなく、わずか数日で恒星間を移動できる。
  
  
  
                       
                       
            
     
     
  
  
だが現在の段階では、そこまでの高速移動は不可能だ。
  なぜなら、空間をゆがめるほどの高エネルギーを生み出す科学力が現実にないからだ。
  
だが、この難題を現代科学の枠組みの中で解決する試みが、世界各国で行なわれている。
2013年、NASAの先端推進技術研究チームは、ワームホールを利用し空間をゆがめる航法を発表した。
ワームホールとは、宇宙の一点から別の一点へ移動できる時空の抜け道であり、一般相対性理論で
  その存在が証明されている。
  
  
この航法を採用すれば、到達に数万年かかる2地点をわずか数日で移動可能という。
まさに映画「スタートレック」の世界だが、NASAによれば、理論的には物理学の法則に反していない。
  ただ、実現できるという保証はないとしている。
    
   
  
  