サンバはブラジルを代表する大衆音楽です。
19世紀の終りから20世紀の始めにかけて、リオの都市周辺の裏山(モーホ)に住みついた黒人たちの間から、
自然に生まれてきた音楽が「サンバ」といわれています。
1920年代にはすぐれた作曲者や歌手がでて、リオのカーニバルにサンバの曲が使われるようになってからは、
一般大衆にも知られていきました。
またレコードやラジオの普及に伴って、黒人たちだけではなく中産階級にも広がりを見せ、白人もサンバを
愛好するようになり、サンビスタ(ダンサー)たちも多く登場するようになりました。
民俗舞踊としてのサンバは、シンコペーションの多用を特徴とし、大勢の人が街の広場などにあつまり、
打楽器の伴奏でソロとコーラスの歌を交互に歌い、踊るのが一般的です。
サンバのリズムに欠かせない楽器に「アゴゴ・ベル」(Agogo Bell)があります。
アイスクリームのコーンの様に鉄板を円錐状にした鉄琴の一種で、キンコン・カンコンと甲高く澄んだ音が鳴る楽器。
思わず体を動かしたくなる陽気なリズムを作り出すことができます。
リオのカーニバルは、毎年2月のある週末から、翌週にかけて開催されます。
ブラジルの人々にとって、カーニバルは正月のようなもの。
もともとカトリックのお祭りで、「謝肉祭」とも言い、キリスト復活祭の前の40日間は肉をいっさい食べられなくなるので、
その直前の何日間をにぎやかに過ごすためのものです。
カーニバルでは、きらびやかに仮装した多くのサンビスタたちが、リオの大通りをサンバのリズムにのりながら、
歌い、踊りながらパレードします。
この期間、リオの全ての機能がストップし、毎年喧嘩などで多数の死者が出ます。
リオの人たちはこの4日間のために残りの361日間仕事をするのだ、ともいいます。
(Aquarela do Brasil 1939)
サンバリズムパターン
4分の4拍子(16ビート)のリズムで裏拍にアクセントをつけます。