10月23日   大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス  1967年(昭和42年)        邦画名作選
直線上に配置                    

突如日本列島を地震が襲い、その影響で富士山が火を噴いた。

続いて、高速道路を建設中だった現場付近の山で青い怪光が目撃される。

調査団のヘリが現場に向かうが、謎の怪光線によってヘリは切断される。


英一少年はその山に登るが、コウモリの翼を持った怪獣に遭遇し窮地に陥る。

それは噴火により、太古の眠りから覚め、地上に現れた怪獣ギャオスだった。

そこにガメラが現れ、怪獣同士のすさまじい決闘がはじまる。

だがギャオスの怪光線によって、ガメラの皮膚は切断されてしまう…。



                   



前作「ガメラ対バルゴン」が、大人向けだったのを軌道修正し、本作では子供向けに路線が

変更され、科学者や自衛隊よりも、子供が主導権を握るという大映特撮の方針が見て取れる。

時代は高度成長まっ盛り。建設現場となった山奥の村人たちは、道路建設に反対するのだが、

それは立退き料を吊り上げようと村長が考えており、村人もそれに従っているのだった。


村長・金丸辰衛門を演じた上田吉二郎は、時代劇などでは小悪党の役が多く、そのイメージ通り、

金にがめついのだが、映画の後半は反省して、ギャオス撃退のために協力するようになる。

この金丸という名前は、後に政界のドンと呼ばれた金丸信を連想させ、丸ごと金という拝金日本

を皮肉る役名であることは明らかであり、時代を風刺する意図も垣間見られる作品となっている。





   

  製作  大映

  監督    湯浅憲明(ゆあさ のりあき)

  配役    堤志郎 本郷功次郎 金丸英一 阿部尚之
      金丸辰衛門 上田吉二郎 マイトの熊 丸井太郎
      金丸すみ子    笠原玲子         八公    蛍雪太郎 

直線上に配置