11月 9 日 マーメイド (Mermaid) 春夏秋冬(酉の市)
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上半身が人間、下半身が魚の姿をとる伝説上の生物。
海牛の一種ジュゴン (Dugong) がその原型といわれる。
伝説上の発祥はフェニキアの海神ダゴン (Dagon)、シリアの女神アタルガティス (Atargatis) 、バビロニアの水神エア (Ea)、
半魚人オアンネス (Oannes) など古代オリエントの半人半魚の水神に求められる。
多くの場合は海辺の岩礁で見かけられ、櫛と手鏡を持ち魅力的な声で歌う美しい女性とされている。
マーメイドには善悪両方のエピソードがあり、オデュッセイアやアルゴ号の遠征に登場するセイレン (Siren) 、
ライン川の水の精ローレライ (Loreley) のように、その美しい歌声に惹かれてきた人間を溺れさせたり、
捕食したりするという言い伝えがある一方、デンマークの童話「人魚姫」のような悲恋の主人公であったりもする。
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東洋では中国の「洽聞記(こうもんき) 」「山海経」などに、同様な美しい女体として現れている。
日本でも「和名抄」「古今著聞集」「扶桑略記」などに上半身は女体、下半身は魚の形で描かれている。
また日本では、人魚を延寿の霊肉をもつものとする考え方もあり、
これを食べたため 800年の齢を得たとする「八百比丘尼」の話もある。
(The Encyclopedia Britannica)
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エリーゼのために(Fur Elise)イ短調 WoO.59