12月18日 アトランティス大陸 (Atlantis)
かつて、大西洋には「アトランティス」と呼ばれる広大な大陸がありました。
哲学者 プラトン の著作によれば、アトランティスには、巨大なアクロポリス
首都ポセイドニア(Poseidonia)を中心に、高度に発達した文明が栄えていました。
しかし、約1万2000年前、人類の驕りと腐敗が頂点に達し、この大陸は、
天変地異によって海中に没してしまったとされています。
アトランティス大陸の水没は、現在の温室効果による大陸の水没のように、
徐々に起こったといわれています。
つまり、人類による現在の環境破壊の構図と類似しているといえるでしょう。
私たちの時代は、物質文明が発達したおかげで、生活は快適になりましたが、
幸福を追求するあまり、生態系や地球環境の破壊という問題が生じています。
現在の物質主義の傾向は、そっくりそのまま、徐々に環境破壊が進んで、
水没していったアトランティスの崩壊の歴史にみることができます。
人類は、過去においても、自然を利己主義的に用いた為に、地球環境の保存体系を著しく変えてしまったのです。
問題は、そのことに、人類が自分で行った行為の重大さに気がつかなかったことでありました。
プラトン Platon(BC427〜BC347)「クリティアス Critias」
紀元前580年、古代ギリシアの哲学者ソロン(Solon)は、エジプトのサイス(Saite)の街を訪れた。
サイスはエジプト第26王朝の首都であり、街の中心には智恵の女神ネイト(Neith)の神殿がある。
神殿の入口には「私はかつてあり、今もあり、これからもある全てである」という碑文が刻まれていた。
神殿を訪れたソロンの名声はエジプトにも知れ渡っており、神官達から大歓迎を受け宴席が設けられた。
宴席が終了したとき、一人の老神官が、彼にいくつかの不思議な出来事を語った。
その一つが、9500年前に海に没したアトランティス文明であった。
それは大西洋のかなたにあったアトランティス(Atlantis)という名の大陸の文明であり、
そこには強大な王朝があり、地中海沿岸からイタリア半島まで支配していた。
アトランティスの豊かな大地は、あらゆる産物をもたらし、人々は富み栄えていた。
それはあたかも地上の楽園であったという。
その文明の話を聞いて衝撃を受けたソロンは、帰国して孫のクリティアスに語り伝えた。
その後、弁論家に成長したクリティアスは、師ソクラテスにアトランティスについて語った。
ソクラテスは、これを架空の出来事だと決めつけ、信じようとしなかったが、
それを聞いたプラトンが対話篇「クリティアス」に書き残して現在に伝えられている。