3人家族 1968年(昭和43年) ドラマ傑作選
「あの人はどこの誰なのだろう」と気になる雄一。
奇妙な偶然だが、電車の中で、その女性を3度も見かけたのである。
ちらりと見たにすぎない彼女との3度の偶然。
雄一(竹脇無我)の記憶には意外な根強さで残っていた。
家に帰ると、弟の健(あおい輝彦)が夕食を作っていた。
父・耕作(三島雅夫)も帰ってきて、親子3人で食卓を囲む。
「おいしいの一言もないじゃないか」と言う健。
「毎日野菜炒めとカレーばかりじゃ言いようがないだろ」と雄一は言い、健は怒る。
耕作は、定年1年を残して庶務課長に昇進するので、明日はお祝いだと言う。
翌日、雄一は同僚の付き合いで麻雀に行き、健と耕作は先にお祝いを始めた。
麻雀の帰り、雄一はまた、あの女性を道路の向こうで見かけた。
これは単なる偶然なのだろうか。無論だ。偶然でなければなんだと言うのだ。
しかし、美しい横顔だった…。
満員電車での偶然の出会いから始まった恋をきっかけに、男ばかりの柴田家と、
女ばかりの稲葉家の、2つの「3人家族」の心温まる交流が描かれる。
名匠・木下恵介に師事する山田太一が、シリーズ全26話の脚本を担当。
母子家庭・父子家庭のリアルな描写と、一目ぼれしたものの、なかなか積極的に
近づけない2人のもどかしさが共感を呼び、平均視聴率30.7%を叩き出した。
(制作)TBS(脚本)山田太一
(配役)柴田雄一(竹脇無我)稲葉敬子(栗原小巻)柴田健(あおい輝彦)柴田耕作(三島雅夫)
稲葉明子(沢田雅美)稲葉キク(賀原夏子)
3人家族 (あおい輝彦)