アナベラ(Annabella)

生年月日 : 1910/07/14
出身地 : フランス/セーヌ
没年 : 1996/09/18

1927年、アベル・ガンス監督の「ナポレオン」で女優デビュー。
1931年、ルネ・クレール監督の「ル・ミリオン」で、その可憐な風貌が注目される。

以後「巴里祭 1933」「春の驟雨 1933」などの名作に出演して、確固たる人気を手にする。
「巴里祭」では、ちゃきちゃきの明るいパリの下町娘を演じて、アイドル的存在になった。

1936年、マルセル・レルビエ監督の「戦ひの前夜」でベネチア国際映画祭主演女優賞を受賞、
瞬く間にフランスを代表する人気女優となった。




代表作品

    ル・ミリオン(LE MILLION)1931年(仏)

芸術の街カルチェ・ラタン。同じアパートに住むミシェル(ルフェーブル)とプロスペル(アリベール)は、
割り勘で買った宝くじが、百万フランの大当たりとなり大喜び。

ところが肝心の当り券をポケットに入れたボロ上着が見当たらない。じつは恋人のベアトリス(アナベラ)が
その上着をスリの爺さんに貸してしまったのだ。ミシェルは爺さんを訪ねるが、スリと間違えられて留置場へ。

当り券の入った上着の行方をめぐり、スリ、泥棒、警官、酔っ払い、歌手、ダンサーなど、上を下への争奪戦
がスリリングで面白い。パリの下町を舞台に、そこに生きる庶民の姿を生き生きと描き出したクレールの傑作。
アナベラが、騒動のきっかけを作るダンサーの卵の役を可憐に演じて、一躍人気を得た記念碑的作品である。

(監督)ルネ・クレール(Rene Clair)(出演)ルネ・ルフェーブル(Rene Lefevre)
ジャン=ルイ・アリベール(Jean-Louis Allibert)アナベラ(Annabella)
 
       
       
      巴里祭(Quatorze Juillet)1933年(仏)

革命記念日を明日に控えたパリの下町。花売り娘のアンナ(アナベラ)は、酔客に
平手打ちを喰わせ、クラブの支配人から出入り禁止を言い渡される。

広場でダンスが始まり、アンナは運転手のジャン(リゴー)と踊るが、気分は塞ぎがち。
雨模様となり、雨宿りした二人はキスするが、ジャンに他にも女性がいることがわかって…。

お祭り気分にわくパリの下町が舞台。街々には提灯が飾られ、一晩中踊り騒ぐ若者たち、
いたずらをする子供たち、そして、花売り娘とタクシー運転手との恋のいざこざ…。
革命記念日とは何の関係もないパリっ子の、パリを楽しむための祭り、それがパリ祭だ。

(監督)ルネ・クレール(Rene Clair)
(出演)アナベラ(Annabella)ジョルジュ・リゴー(George Rigaud)
       
       
    地の果てを行く(La Bandera)1935年(仏)

パリで殺人を犯したピエール(ギャバン)は、追跡の手を逃れ、モロッコで外人部隊に入る。隊の中には
リュカスと名乗るフランス人がいた。彼が警察の手先ではないかと疑ったピエールは、砂漠の奥地へ転任する。

転任先でピエールは、砂漠の現地娘・アイシャ(アナベラ)と恋に落ちて結婚する。
幸せで落ち着いた日々も束の間、ピエールの後を追って、リュカスが姿を現す。

国籍や前歴など一切問わない外人部隊は、亡命者や犯罪者、食い詰め者などのたまり場ともなっていた。

ジャン・ギャバンが扮した外人部隊兵士は殺人犯だったが、前歴を隠して外人部隊に入り、やがて戦死
というロマンチシズムは、いくつもの映画で繰り返されている。
1930年スタンバーグ監督の「モロッコ」や、1933年ジャック・フェデー監督の「外人部隊」が特に有名だ。

(監督)ジュリアン・デュヴィヴィエ(Julien Duvivier)(出演)ジャン・ギャバン(Jean Gabin)
ロベール・ル・ヴィーガン(Robert Le Vigan)アナベラ(Annabella)
       
       
    北ホテル(HOTEL DU NORD)1938年(仏)

パリの下町に建つ北ホテル。その一室で男女が心中を図る。ピストルで女を射った男は恐怖にかられ、
自分の胸に銃口を向けることが出来ない。

銃声を聞いて駆けつけた隣部屋の男エドモン(ジューヴェ)は、男を逃がしてやった。男は自首するが、
女も一命を取り留める。やがて傷は癒えたものの、行く当てのない彼女は、北ホテルで働き始める…。

北ホテルは、貧しい庶民向けの安宿で、そこには様々な人生が吹き溜まっている。心に傷を背負いながら、
癒しきれずにいる中年男。失業をはかなみ、心中を図ろうとする若い男女。パリをこよなく愛するカルネが、
ここに訪れる人々の悲喜こもごもを、パリ祭の華やかな賑わいの中に、哀愁を込めて描いている。

(監督)マルセル・カルネ(Marcel Carne)(出演)アナベラ(Annabella)アルレッティ(Arletty)
ジャン=ピエール・オーモン(Jean-Pierre Aumont)ルイ・ジューヴェ(Louis Jouvet)
       

ナポレオン(Napoleon)1927年
ル・ミリオン(Le milion)1931年
搔払ひの一夜(Un soir de rafle)1931年
パリ~地中海(Paris-Méditerranée)1932年
巴里祭(Quatorze Juillet)1933年
春の驟雨(Marie, legende hongroise Tavaszi zapor)1933年
君と暮せば(Sonnenstrahl)1933年
キャラバン(Caravane)1934年
モスコウの一夜(Les nuits moscovites)1934年
戦ひの前夜(Veille darmes)1935年(ベネチア国際映画祭主演女優賞)
地の果てを行く(La bandera)1935年
ヴァリエテ(Variete)1935年
最後の戦闘機(Lequipage)1935年
夜の空を行く(Anne-Marie)1936年
暁の翼(Wings of the Morning)1937年
素晴らしき接吻(Dinner at the Ritz)1937年
北ホテル(Hotel du Nord)1938年
スエズ(Suez)1938年
鮮血の情報(13 Rue Madeleine)1947年
永遠の争い(Eternel Conflit)1948年