赤い激流 1977年(昭和52年) ドラマ傑作選
音楽大学ピアノ科助教授の大沢武(宇津井健)は、一流のピアニストを育てたいと思っていた。
あるとき大沢は、場末の雑居ビルにある酒場でジャズピアニストの田代敏夫(水谷豊)と出会う。
大沢は、この田代敏夫に天才的なピアノの才能を見い出し、彼の指導を買って出る。
一方、正式なピアノ教育を受けていなかった敏夫も、渡りに船と意気投合するのだった。
だが折悪しくビルに火災が発生。大沢は敏夫を救うため、利き腕である右腕を負傷してしまう。
音楽大学を舞台に、師弟で義理の親子の二人が殺人事件に巻き込まれる「赤いシリーズ」第5弾。
水谷豊が演じるのは、殺人事件の容疑者となりながらも、ピアノコンクールの優勝を目指す田代敏夫。
それまで「赤いシリーズ」の顔だった山口百恵に代わり、悲運に次ぐ悲運に見舞われる主人公を熱演した。
予想外の展開(実父役の緒形拳がスケジュールの都合で、いきなり殺される)に加え、ピアニストに
なりきった水谷の迫真の演技で最終回は 37.2 %という、シリーズ最高視聴率を記録した。
劇中、何度も演奏されるショパンの「英雄ポロネーズ」の指運びを、水谷は猛特訓したという。
(実際の演奏は、作曲家の羽田健太郎が担当した)
この曲は、2005年「相棒 3 」の第15話「殺しのピアノ」の回でも、水谷演じる刑事・杉下右京が
生演奏を披露している。
(制作)TBS、大映テレビ(脚本)安本莞二
(配役)大沢武(宇津井健)大沢実(石立鉄男)大沢紀子(山口百恵)木元光子(岸恵子)宮島華江(竹下景子)
田代敏夫(水谷豊)田代弓子(松尾嘉代)田代清司(緒形拳)宮島貞之(小沢栄太郎)宮島あや(赤木春恵)