赤かぶ検事奮戦記   1979年(昭和54年)       ドラマ傑作選

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柊茂(フランキー堺)は、検察事務官から昇進した叩き上げの検事である。

赴任先の岐阜県高山市で、妻の春子(春川ますみ)と二人で暮らしている。


弁護士となった娘の葉子(倍賞千恵子)は、仕事が忙しく、なかなか家に

顔を出さないが、彼女の弁護士としての成長は、嬉しい限りだ。


そんなある日、スナックで働くホステスの美弥子が、自宅で殺害される

という事件が発生する。

現場に到着した柊検事は、第一発見者は、美弥子に交際を申し込んでいた

高山署の榊田刑事(森田健作)だと知らされて驚く。





1976年「角川文庫」から出版された和久峻三「赤かぶ検事奮戦記」のドラマ化。


主人公の柊茂は、叩き上げの苦労人ゆえ、事件に注ぐ眼差しは鋭く、時に温かい。

そんな正義感溢れる、人情に厚い検事を、名優・フランキー堺が好演。

職場や法廷でも、見事な名古屋弁を駆使して、その芸達者ぶりを披露している。


タイトルにもなっている「赤かぶ」は、飛騨高山の名物漬物で、柊検事の大好物。

ある時、赤かぶの袋詰めを法廷で撒き散らしてしまったことから「赤かぶ検事」と

呼ばれるようになった。


また、彼の娘・葉子は弁護士であり、親子の法廷対決も本作の見どころとなっている。


物語の舞台となる岐阜県高山市は「飛騨の小京都」と呼ばれ、その歴史とともに、

どこか懐かしい、人々が暮らす生活の匂いのようなものを感じさせる街である。

そんな古い街並みの景観もまた、作品に独特の奥行きと味わいをもたらしている。




(制作)ABC(朝日放送)松竹(原作)和久峻三(脚本)北村篤子

(配役)柊茂(フランキー堺)柊春子(春川ますみ)柊葉子(倍賞千恵子

榊田警部補(森田健作)岡田警部(山本紀彦)法眼弁護士(沖雅也)

吉沢事務官(久保にしき)裁判長(江見俊太郎)赤かぶ売り(松井加容子)



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