血煙高田の馬場   1928年(昭和3年)       邦画名作選

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飲んだくれては喧嘩に明け暮れる浪人の安兵衛。
伯父の菅野六郎左衛門は説教をするが、安兵衛はまったく聞く耳を持たない。

ひょんなことから高田の馬場で果たし合いをすることになった六郎左衛門。
そのことを話そうと長屋を訪れるが、安兵衛は仲間と飲んだくれて帰ってこない。

六郎左衛門は書き置きを残して高田の馬場へと向かった。
事情を知った安兵衛は二日酔いのまま長屋を飛び出していく。

途中たすきとして縄を使っていたが、堀部弥兵衛に「縄は縁起が悪い」と言われる。
弥兵衛の娘・お幸は、八幡神社の鈴に下がってた布を安兵衛に渡す。

安兵衛が高田の馬場に駆けつけると、伯父の六郎左衛門は、すでに瀕死の状態だった。
怒り狂った安兵衛は、数十人の敵を片っ端から斬り倒していった。



講談でおなじみ、中山安兵衛、後の堀部安兵衛の高田馬場十八人斬りの痛快アクション時代劇。
スピード感あふれる演出は観るものを釘付けにする。監督はサイレント映画の巨匠・伊藤大輔。


高田馬場の決闘の後、中山安兵衛は堀部弥兵衛の娘・お幸と結婚し、赤穂浅野家の家臣となる。
浅野の死後は、四十七士の一人として討入りに加わり、大太刀を持って大いに奮戦したという。

本作品はフィルムが散逸し、いくつかの断片が残っているのみであるが、この高田馬場の決闘
の物語は、後々も多くの剣戟スターたちによって繰り返し演じられている。




  製作  日活

  監督  伊藤大輔

  配役    中山安兵衛 大河内伝次郎 お堪婆 市川春衛
      菅野六郎左衛門 実川延一郎 町人 東木寛
      堀部弥兵衛    尾上卯多五郎             
      娘・お幸    木村千代子             

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