旗本退屈男 江戸城罷り通る  1952年(昭和27年)      邦画名作選
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額に冴える三日月は、天下御免の向う傷、派手な着流し高い下駄、
無聊をかこつその男、姓は早乙女、名は主水之介、人呼んで旗本退屈男。

時は元禄、直参旗本・早乙女主水之介は、何も事件が起きず退屈していた。

が、そこへ将軍のご落胤を名乗る謎の男・浄海坊が江戸へ乗り込んできた。

行列を見た早乙女主水之介は、浄海坊に邪悪の相があるのを見てとる。
主水之介は、小姓の霧島京弥を女に変装させて、浄海坊の御殿に潜入させる。

が、浄海坊は、主水之介の行動を阻止せんと、主水之介の妹・菊路を誘拐する…。



豪華な衣裳と豪快な剣さばきで一世を風靡した、市川右太衛門主演の旗本退屈男シリーズ第13作である。

将軍のご落胤と称する謎の男の正体を暴くべく、ご存知、旗本退屈男・早乙女主水之助が八面六臂の大活躍。

この作品で主水之助の妹・菊路を演じた岸恵子は、デビュー1年足らずで、時代劇に5本の出演を果たしている。

彼女がいかに逸材であるかを見抜いていた松竹は、新人としては破格の抜擢で、嵐寛寿郎、市川右太衛門、
長谷川一夫といった大御所と共演させ、松竹時代劇のヒロインとして大きな期待をかけたのである。




  製作  松竹

  監督  大曽根辰夫

  配役 早乙女主水之助 市川右太衛門 爺や喜内 堺駿二
  霧島京弥 宮城千賀子 チョロ松 かつら五郎
      菊路    岸恵子          徳川浄海坊    高田浩吉 
  萩乃 井川邦子 北村内膳正 柳永二郎

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