秀子の車掌さん 1941年(昭和16年) 邦画名作選
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甲府盆地の田舎町、小さなバス会社で車掌として働くおこまさん。
ライバル会社に比べ、バスはおんぼろで乗客も少なく、どうやら会社の経営も苦しいらしい。
一念発起した彼女は、自分がバスガイドをやって、お客さんを増やそうと張り切るのだが…。
女学生向けの月刊雑誌「少女の友」に連載された井伏鱒二の短編小説を、成瀬巳喜男が脚色・監督。
車掌のおこまさん(高峰秀子)と運転手(藤原鶏太)の二人が、伸び悩む客足を何とかしようと
奮闘するのだが、社長はバスを売り飛ばして営業を止めてしまうので、二人の努力は無駄に終わる。
しかし結末はどうあれ、高峰秀子の演じるおこまさんの屈託のない明るい笑顔が変わらないことを
信じたいという思いで観客は映画館を出ることになる。
若干16歳でタイトルに「秀子の」という名前がつけられるのは、彼女がいかに広く知れ渡っていて
ファンに愛されていたかを示している。高峰秀子という少女スターは、そういう存在であったのだ。
後に数々の名作を残すことになる高峰秀子と成瀬巳喜男監督との記念すべき初コンビ作である。
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製作 東宝
監督 成瀬巳喜男
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配役 |
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おこまさん |
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高峰秀子 |
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井川 |
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夏川大二郎 |
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社長 |
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勝見庸太郎 |
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園田 |
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藤原鶏太 |
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おばさん |
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清川玉枝 |
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