恋の花咲く 伊豆の踊子   1933年(昭和8年)     邦画名作選
直線上に配置                                      

一高の学生・水原(大日方伝)は、休暇を利用して伊豆を旅していた。

天城街道は緑一色につつまれ、所々で夏ウグイスが鳴いていた。


途中から旅芸人の一座と道連れになった。

一座の中に、薫という名の踊り子(田中絹代)がいた。

純情な水原は、その初々しく可憐な薫に淡い恋心を抱くのだった。




当時、新進作家だった川端康成の短編小説「伊豆の踊子」の初映画化。

監督は文学好きの五所平之助。

だが会社側は、文学作品の映画化は興行に向かないと難色を示す。

五所は「花嫁の寝言」など、御用映画を幾つか作らされたあとで、ようやく許可されたという。


ヒロインの田中絹代は、当時23歳だったが、14歳の踊り子を演じても全く違和感のない可憐さと
初々しさを醸し出していた。

映画は空前の大ヒットとなり、戦後は若手女優売り出しに、必ずこれが作られるようになった。



 
 
  製作   松竹

  監督   五所平之助  原作 川端康成

  配役    踊り子・薫 田中絹代 母・おたつ 高松栄子
      学生・水原 大日方伝 雇い女・百合子 兵藤静枝
      踊り子の兄・栄吉 小林十九二 湯川楼の主人・善兵衛 新井淳
      妻・千代子 若水絹子 息子・隆一 竹内良一

直線上に配置