肝っ玉かあさん 1968年(昭和43年) ドラマ傑作選
原宿でソバ屋をきりもりしている「肝っ玉かあさん」こと大正五三子(京塚昌子)
女手ひとつで子供二人を育て、従業員たちから「女将さん」と呼ばれ慕われている。
だが、昔気質で頑固な古いタイプの母親に対して、子どもたちは現代っ子ばかり。
きょうもきょうとて、長男の一(山口崇)が突然、結婚したいと言いだした。
その相手は、女性雑誌の記者だという。
未亡人ながらソバ屋を切り回す面倒見の良いおかみさんを主人公にしたホームドラマ。
長男に山口崇、嫁に長山藍子、看護婦志望の娘は沢田雅美という配役だが、なんといっても
京塚昌子のおかみさんのパワフルで温かいパーソナリティがよかった。
当時の京塚は、体重70キロという貫禄十分の体格。このたっぷりした存在感に
石井ふく子プロデューサーが惚れこみ、主役に抜擢したという。
肝っ玉かあさんは、51歳の設定だが、演じる京塚は当時38歳。大変な老け役だった。
舞台はソバ屋だったが商売ドラマではなく、日常茶飯事の出来事、登場人物たちの
心のひだを細かく取り上げる正真正銘のホームドラマ。
京塚昌子という打ってつけの役者を得て、初回から30%に迫る視聴率をマーク。
1972年(昭和47年)まで全117回という人気シリーズとなった。
なおこの番組の大ヒットで全国のソバ屋さんが喜んだというおまけもあった。
(制作)TBS、テレパック(原作)平岩弓枝(脚本)平岩弓枝、向田邦子
(配役)大正五三子(京塚昌子)大正一(山口崇)大正綾(長山藍子)大正三三子(沢田雅美)堀川長吉(佐野浅夫)
堀川とみ(長谷川裕見子)佐々木葉麻(中原ひとみ)近藤本子(結城美栄子)小林健次(岡本信人)清田保文(千秋実)
清田八重(山岡久乃)清田圭司(松山英太郎)梅本院長(松村達雄)下元忍(香川京子)下元史朗(新克利)