河内山宗俊 (こうちやまそうしゅん)    1936年 (昭和11年)        邦画名作選

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甘酒屋を営む娘、お浪。

彼女はやくざの世界に足を踏み入れている弟の広太郎が心配でならない。

そんなお浪を気にかけ、ショバ代も彼女からだけ取らない用心棒の金子。

広太郎を可愛がるやくざの宗俊もまた、健気なお浪に好意を抱いている。

だがある日、広太郎が侍の由緒ある小柄を盗み、姿をくらましてしまう…。



不世出の天才とうたわれた山中貞雄監督が、講談や歌舞伎を基に描いた人情時代劇。

河内山宗俊とは、ゆすりたかりを働く義賊肌の大悪党であるが、本作では監督が
女のために尽くす純情なやくざに描き換えてしまったいわくつきの作品である。


世の悪党どもが、この娘のためなら命を賭けてもいいと思う、そんな女優をさがせ、
監督の注文に、スタッフが奔走して見つけだしたのが、新人の原節子だったという。

気高く凜とした眼差し、若き天才山中貞雄はすぐさま、その無名の少女を抜擢した。


河内山宗俊と金子市之丞、やくざ者と浪人のコンビが、甘酒屋の娘お浪に恋をする。

この二人が、借金を苦に身売りすることになったお浪を救うため命を投げ打つ物語。

お浪を演じた原は当時15歳、初々しく原石ながらも眩しいまでの輝きを放っている。




   
  製作  日活

  監督  山中貞雄

  配役   河内山宗俊 河原崎長十郎 お静 山岸しづ江
      金子市之丞 中村翫右衛門 お浪 原節子
      片岡広太郎    市川扇升          健太    加東大介 

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