まあだだよ   1993年 (平成5年)       邦画名作選

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昭和18年、百閨iひゃっけん)先生は文筆活動に専念するため長年勤めた大学を辞めた。

先生の人柄を慕う門下生たちは、足繁く先生のもとを訪ねて来る。

ある日、先生の還暦の祝宴が開かれていた最中、空襲がやって来る。

家を焼かれた先生と奥さんは、知人の厚意で借りた小屋で暮らすようになるが…。



随筆家・内田百閧フ随筆を原案に、彼の日常と教師時代の教え子との交流を描く。

巨匠・黒澤明の30作目にして最後の作品。名優・松村達雄の軽妙な演技が光る。


空襲で焼け出されて、ほったて小屋に移り住むことになった先生と奥さん。

奥さん役を演じた香川京子に、黒澤監督から「ラブシーンを演じるように」と注文があった。


大変難しい注文で、大いに悩んだ香川だったが、開き直って体当たりで演技したという。

季節の移り変わりが美しく映し出される中、老いた夫婦の何気ない日常生活が綴られる。

二人の淡々とした幸せな光景は、その向こうに大きな愛が潜んでいるのを確かに感じさせてくれた。



 

 製作  大映     配給 東宝

  監督  黒澤明

  配役 内田百 松村達雄 甘木 所ジョージ         主治医    日下武史 
  奥さん 香川京子 桐山 油井昌由樹         和尚    小林亜星 
      高山 井川比佐志 沢村 寺尾聰              

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