むかしの歌 1970年(昭和45年) ドラマ傑作選
明治初期の大阪船場。迴船問屋の娘・澪(佐久間良子)は、油問屋の息子・珊次(平幹二朗)の許嫁だった。
二人は、互いに好きあっている仲なのに、しょっちゅう口喧嘩が絶えない。
そんなある日、澪は病気のお篠(和泉雅子)という娘を看病したことから、二人は仲良くなる。
やがて、お篠の母親・おそよ(丹阿弥谷津子)が澪の生みの母であることが判明する。
だが西南戦争に伴う家の没落で珊次との縁談も破談、お澪は芸者に身を落とすことになってしまう。
大店の迴船問屋が西南戦争の影響で倒産寸前、娘は店の立て直しのため、花街で稼ごうとするが…。
主演の佐久間良子と平幹二朗は、この年の2月に婚約を発表。すでにベテラン映画女優だった佐久間と、
日本を代表する舞台俳優・平との大物俳優同士のカップルということで大きな話題となった。
本作は、婚約直後の初共演となった。大阪・船問屋の娘お澪と油問屋の珊次は、親が決めた許婚同士。
勝気で我儘ないとはん・お澪(佐久間)の白い頬は上気して、心なしか目もうるんでいる。若旦那の
珊次(平)のぼんちぶりも絶品で、幸せ絶頂の二人の演技のテンションは高揚気味のようだ。
(制作)TBS(原作)森本薫(脚本)辻久一
(配役)澪(佐久間良子)珊次(平幹二朗)篠(和泉雅子)おそよ(丹阿弥谷津子)
浜兵ヱ(河津清三郎)宅間広平(金田龍之介)お辻(萬代峰子)