お琴と佐助 1961年 (昭和36年) 邦画名作選 |
幼い頃、ふとしたことから両眼の明を失ったお琴は琴を生き甲斐に美しく成長した。
毎日の稽古の手引きは何時も献身的な奉公人の佐助がつとめた。
佐助が三味線に興味があることを知ったお琴は佐助の師匠になって熱心に教え始める。
そして二人の関係は次第に妖しい糸に結ばれ、離れられないものになっていく…。
盲目の大坂商人の娘・お琴と、忠実に仕える奉公人・佐助との主従を越えた愛と献身の物語。
谷崎潤一郎の「春琴抄」を、巨匠・衣笠貞之助が山本富士子を主演に迎えて映像化した文芸大作。
女形出身の衣笠監督は、山本の日本人形のような美を、いかに魅力的に引き出すかを自ら演じて指導した。
目は常に閉ざされたまま、盲目のお琴を演じる山本の、まさに和風人形のような着物姿に思わず息をのむ。
なお、劇中の琴の演奏は、人間国宝であった生田流箏曲家、宮城喜代子(1905−1991)によるものである。
製作 大映
監督 衣笠貞之助
配役 | お琴 | 山本富士子 | 春松検校 | 中村伸郎 | ||||||||
佐助 | 本郷功次郎 | 利太郎 | 川崎敬三 |