女の気持   1974年(昭和49年)       ドラマ傑作選

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亮子(若尾文子)は、東京・銀座にある手織紬の老舗「小西屋」の若おかみ。

病気に倒れた先代の主人・徳之助(志村喬)から信頼を受けて後を継いだのだ。


亮子の夫・雅夫(山ア努)は徳之助夫婦の甥で養子。

雅夫の養子縁組後に弟・俊夫(山本亘)が生まれている。


徳之助の妻・さき(沢村貞子)は実子の俊夫に小西屋を継がせたいと強く思っている。

その俊夫は写真家を目指してカメラマン・仲原健作(山口崇)の助手を務めている。






一方、雅夫は化学繊維会社に入社して、数年前から長崎県平戸市にある会社の研究室に単身赴任。

しかも雅夫は利枝子(中原ひとみ)という愛人が居り、二人の間には子供も生まれるという。

ある日、そんな雅夫を訪ねに亮子が平戸までやって来た…。




九州に転勤になった夫の雅夫は愛人を作り、子供も生まれる予定だった。夫の裏切りを契機に、

悩みながらも「紬」の世界に生き甲斐を見つけていく一人の女を若尾文子が力強く演じている。


本作は、作者の平岩弓枝が41歳のときの作品で、周辺の友人が離婚再婚をするのを見聞きして、

結婚生活において女が最終決断をするのは40歳前後かと思ったことが執筆のきっかけという。


夫に愛人と子供がいて、通常なら、どろどろした展開になりそうだが、過去を潔く切り捨て

新しい生活に踏み出そうとするヒロインの心意気が、読者や視聴者の共感を招いた。


「女には女だけが知っている女の気持がある」をテーマに、女性の微妙な心の動きを描き出した

本作は、後に一大シリーズとなる「平岩弓枝ドラマシリーズ」誕生へのきっかけとなった。



(制作)フジテレビ(脚本)平岩弓枝

(配役)小西亮子(若尾文子)小西雅夫(山ア努)小西徳之助(志村喬)小西さき(沢村貞子)

小西俊夫(山本亘)仲原右子(仁科明子)仲原健作(山口崇)利枝子(中原ひとみ)


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