大岡越前   1970年(昭和45年)       ドラマ傑作選

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伊勢の町奉行・大岡忠相は、ある日、禁漁区で密漁をしていた武士を召し捕った。

その武士は、身分の高い紀伊家の若殿だったが、忠相は、罪を咎め、厳しく叱責する。


その後、その若殿は八代将軍となり、忠相のもとに奉行解任と江戸出府の命がとどく。

これは容易ならぬ事になった、と思った忠相は、死を覚悟して江戸へ旅立った。


しかし、予想に反して、忠相は、将軍吉宗から南町奉行に任命されたのだ。

当時、江戸の治安は乱れに乱れていた。


忠相の奉行抜擢は、法の前に正義を貫く、彼の勇気と叡智に期待しての判断であった。

ここに、やがて江戸庶民の味方として活躍する、大岡越前守忠相が誕生したのだった。




将軍吉宗の時代、江戸の南町奉行大岡忠相を主人公にした勧善懲悪の時代劇。


大岡忠相は実在の人物で、伊勢の国(三重県)の奉行から、将軍吉宗にスカウトされ、

吉宗を支える江戸南町奉行として活躍した。


もともと「大岡裁き」と呼ばれる数々の伝説が「大岡政談」という形でまとめられて、

後世へ語り継がれており、遠山の金さんと並んで、名奉行の代名詞的な存在だった。


遠山の金さんは、江戸の街中にも足を延ばした遊び人というキャラクターだが、

大岡忠相は、謹厳実直、品行方正なエリートといった雰囲気だ。


その大岡忠相を、まさに折り目正しくクリーンなイメージの加藤剛が演じたことで、

お茶の間に絶大な人気を得たのは当然と言える。

また、脇を固める榊原伊織役の竹脇無我や、将軍吉宗役の山口崇も適役だった。


とりわけ、忠相の父親役で頑固おやじぶりを発揮した片岡千恵蔵の味のある演技は、

ひょうひょうとした風情の中に、人生の年輪を感じさせるものがあった。

本作はシリーズ化され、約30年間、全402話が制作されるという長寿番組となった。




(制作)TBS、C・A・L、東映(脚本)池宮彰一郎、稲垣俊

(配役)大岡忠相(加藤剛)榊原伊織(竹脇無我)大岡忠高(片岡千恵蔵)神山左門(天知茂

徳川吉宗(山口崇)妙(加藤治子)村上源次郎(大坂志郎)千春(土田早苗)辰三(高橋元太郎)

伊三郎(中村竹弥)加代(武原英子)政吉(里見浩太朗)弥助(鶴田忍)雪絵(宇津宮雅代)



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