サラリーマン出世太閤記    1957年(昭和32年)       邦画名作選

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大学応援団長の木下秀吉(小林桂樹)は、郷里の先輩、左右田の会社に就職した。

研修期間中、新入社員は、左右田社長(加東大介)の豪邸に招待された。

相撲大好きの社長は、自宅の家の庭に、土俵を作るほどの凝りようであった。

一同は社長の相手を仰せつけられるが、社員たちは遠慮してわざと負ける。

だが秀吉だけは、社長を投げ飛ばしてしまい、現場の工場勤務に配属されてしまう。

が、数カ月後、秀吉は、工場の倉庫荒らしを捕らえる手柄をたて、係長に昇進する。



「太閤記」からヒントを得、自動車会社に就職した主人公・木下秀吉が、トントン拍子に
出世していく様を描いた明朗喜劇シリーズの第一作。


主演は、当時若手スターとして売り出し中の小林桂樹、そして後に「社長シリーズ」で共演
する加東大介や、白川由美・安西郷子・団令子などといった女優陣が脇を固める。


団令子は、この年デビューした新人で、大衆食堂「パチクリ軒」の看板娘という役どころ。

学生時代からここに来ては、どんぶり飯を食べていた木下秀吉(小林桂樹)を慕っている。
彼のためには飯の盛りもよくするし、おかずも一、二品多くする。

その甲斐あって、将来性あるサラリーマンになった秀吉と無事結ばれるのである。


小林桂樹演じる木下秀吉は、とにかくサラリーマン世界に何の矛盾も不満も感じず、
会社のために精一杯働くことに喜びを感じるという、きわめて模範的な社員である。

性格は真面目で正義漢、それでいて、どことなく抜けていて、ユーモリストという、
いかにもホームドラマ的な持ち味が売り物であった。

映画は好評を博し、その後計四本の続篇が制作されるほどの人気シリーズとなった。




 
  製作  東宝

  監督  筧正典

  配役    木下秀吉 小林桂樹 山中エイ子 団令子
      前田圭一郎    宝田明        山中為助   沢村いき雄 
      左右田社長 加東大介 西川千枝子 白川由美
      左右田悦子    安西郷子        長谷川    有島一郎 

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