春琴物語  1954年(昭和29年)       邦画名作選
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盲目のお琴を慕う奉公人の佐助。

三味の指づかいと撥さばきを、見よう見まねで再現してみる。

店の者が寝静まった深夜。物音は一切立てられない。

真っ暗闇で無音の独り稽古が続く。


お琴は目が見えない。佐助は目が見えるけれども、暗闇では目が利かない。
音も出せないのだから、耳も聴こえないのと同じ。

いっそのこと「見えない人になってしまいたい」
絶対の虚空と静寂に身を置きたいのだ。お琴と一つになれるのならば。

常軌を逸した恋の道行き、まさに「恋は盲目」



谷崎潤一郎の「春琴抄」を、名匠・伊藤大輔が京マチ子を主演に迎えて映像化した文芸大作。

あふれんばかりの情感と、匂うが如きエロチシズム。ここに華ひらく谷崎文学の精髄。



 

 製作  大映

  監督  伊藤大輔

  配役 お琴 京マチ子       おえい    杉村春子 
  佐助 花柳喜章       利太郎    船越英二 
      春松検校 青山杉作       鵙屋安左衛門    進藤英太郎 

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