衛星多チャンネル放送で無限に広がるTVへのアクセス


1991年1月、多国籍軍とイラクによる湾岸戦争が勃発。

このとき、アメリカのテレビ局 CNNがパラボラアンテナを搭載した中継車をバグダッドに持ち込み、

通信衛星経由で戦況を生中継。

茶の間で本物の戦争がリアルタイムで、しかも解説付きで見物できた。


テレビのワイドショーには連日、中東情勢に詳しい研究家や軍事評論家が多数登場。

こんなに「軍事評論家」なる人たちがいたのかと驚くと共に、パトリオット、エグゾゼ、スカッド

といったミサイルの名前も覚えてしまった。


だがそうしたハイテク兵器によるテレビゲームのような映像に終始する報道は、戦争が持つ酷さや悲惨さを覆い隠し、

戦争の実態について、視聴者に間違ったイメージを抱かせることになった。



1991年4月、初の民間衛星放送局 WOWOW(わうわう)によるBSアナログ放送が開始された。

これにより、NHKのBS衛星放送と、民放のBS衛星放送が併存体制となった。

同時期に放映された米・ABC制作のサスペンス・ドラマ「ツイン・ピークス」の大ヒットとともに、

若い視聴者の WOWOWへの関心が高まった。



1990年代前半の代表的番組は、1990年、「マジカル頭脳パワー」「夜も一生けんめい」(NTV)、

「渡る世間は鬼ばかり」(TBS)、「カノッサの屈辱」(フジ)。

1991年、「ブロードキャスター」(TBS)、「東京ラブストーリー」「101回目のプロポーズ」「平成教育委員会」(フジ)、

「ツインピークス」(WOWOW)。

1992年、「進め!電波少年」(NTV)、「ずっとあなたが好きだった」(TBS)、「愛という名のもとに」(フジ)、

「クレヨンしんちゃん」(テレビ朝日)。

1993年、「高校教師」(TBS)、「料理の鉄人」「ひとつ屋根の下」(フジ)、「驚きももの木20世紀」(朝日放送)。

1994年、「投稿!特ホウ王国」「家なき子」(NTV)、「人間・失格」(TBS)、「警部補・古畑任三郎」(フジ)、

「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)など。




1996年10月、スカパーJSATが運営する CSデジタル放送「SKY PerfecTV!」が放送開始。


このスカパー!こと「SKY PerfecTV!」のチャンネルには、映画、スポーツ、音楽、アニメ、

ドラマ、ニュースなど豊富なジャンルがある。


そのほか、囲碁・将棋専門や時代劇専門、クラシック音楽専門など細かくジャンル分け

された専門チャンネルもたくさんある。

数多くのチャンネルから見たい番組を選べる衛星多チャンネルの時代を迎えたのだ。



1990年代後半の代表的番組は、1995年、「映像の世紀」「大地の子」(NHK)、「愛していると言ってくれ」(TBS)、

「王様のレストラン」(フジ)。

1996年、「ふたりっ子」(NHK)、「進め!電波少年(猿岩石)」(NTV)、「ロングバケーション」(フジ)。

1997年、「どっちの料理ショー」(NTV)、「しあわせ家族計画」(TBS)、「ラブジェネレーション」「踊る大捜査線」(フジ)。

1998年、「ここがヘンだよ日本人」「聖者の行進」(TBS)、「ショムニ」「GTO」(フジ)、「ポケットモンスター」(テレビ東京)。

1999年、「魔女の条件」「サラリーマン金太郎」(TBS)、「リップスティック」(フジ)など。



4つのデジタル放送