やすらぎの郷   2017年(平成29年)       ドラマ傑作選

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脚本家・菊村栄(石坂浩二)は、妻に先立たれ、仕事も生き甲斐も失って途方に暮れていた。

そんな折、海沿いで風光明媚な無料の老人ホーム「やすらぎの郷」から入居の誘いを受ける。


入居資格は、全盛期の映画、テレビ界に功績のあった者であること。

半信半疑ながら入居を決めた菊村は、そこでかつて一世を風靡した女優たちと再会を果たす。


憧れの存在であった九条摂子(八千草薫)、国民的人気女優だった白川冴子(浅丘ルリ子)
など、入居者たちの錚々たる顔ぶれに菊村は驚愕する。

菊村は「今もって現役」意識の強い女優たちから、自分たちを主役にした脚本の執筆を依頼される。
そして、現役当時のように「栄ちゃん」「菊村先生」と呼ばれるのだった。




往年の大スターたちが、高級老人ホームで共同生活するという虚実入り混じった大人のコメディ。


主人公・菊村栄が「やすらぎの郷」を訪れたとき、そこで経験したものは、自分にとっての
憧れの存在や懐かしい人々との再会だった。


菊村は妻を亡くし、家族ともどこか他人行儀、昔の友人たちとも、ほとんど音信不通だった。

仕事も友人も失い、途方に暮れていた菊村にとって「やすらぎの郷」での懐かしい人々との
出会いは、とても大きな喜びに感じられるのだった。


だが、彼の幻想は、まもなく打ち砕かれてしまう。

むしろ顔見知りばかりいることによって、様々なトラブルが発生するようになった。
過去のドロドロした人間模様が再現され、とても「やすらぐ」どころではない。


やがて菊村は、ここに来る前の方が、むしろ安らいでいたのではないかと思うようになる。

人生の終わりに、彼は多くのモノを失い、その果てに「安らぎ」を得ていたのではないかと。



主演の石坂浩二の元妻である浅丘ルリ子、元恋人の加賀まりことのやり取りが展開されること、
石坂自身も、本人そのものの様に演じており、それが奇妙な魅力になっている作品である。


またドラマは、石坂の独特な語りによって進行し、中島みゆきが歌う主題歌「慕情」と相まって、
作品の世界観に深い味わいを醸し出している。
   

 
(制作)テレビ朝日、国際放映(脚本)倉本聡

(配役)菊村栄(石坂浩二)菊村律子(風吹ジュン)侘助(小松政夫)中山保久(近藤正臣)名倉修平(名高達男)

名倉みどり(草刈民代)九条摂子(八千草薫)白川冴子(浅丘ルリ子)水谷マヤ(加賀まりこ)井深涼子(野際陽子)
及川しのぶ(有馬稲子)松岡伸子(常盤貴子)財前ゆかり(松岡茉優)真野六郎(ミッキー・カーチス)岩倉正臣(山本圭)



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                       慕情(中島みゆき)