斬人斬馬剣(ざんじんざんばけん) 1929年(昭和4年)   邦画名作選
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十時来三郎(月形龍之介)は、ある小藩で、父の仇を探していた。

が、腹が減った為、つい柿を一つ盗んでしまう。

そのことに怒った百姓達は、来三郎の罪を厳しく問い質す。

そこへ代官の用心棒・長曽根(金子弘)が通りかかる。

この長曽根こそは、来三郎が探し求めていた仇であった。

来三郎は、百姓達の助力により、見事に仇討を成し遂げる。


その後、長曽根の弟・左源太が兄の仇と来三郎をつけ狙う。

しかし、仇討のために来三郎の許へ乗り込んで来た左源太だが、

却って来三郎の人格に惚れ込んで仲間になってしまう。

聞けば、代官の圧政で百姓達は苦しんでいるという。

来三郎と左源太は、百姓達を救うために立ちあがるのだった。




伊藤大輔が原作・脚本・監督を担当した時代劇超大作。

悪代官の圧政に苦しむ農民達を救う浪人の姿がヒロイックに描かれる。


城内を騒がす十時を亡き者にしようと、代官は浪人達を集めて襲わせる。

十時はその襲ってきた浪人をかわして「貴様何のために俺を斬る」と問う。

浪人は「飯のためだ」と応える。すると十時は「飯はなんで作る」と。

「飯は米で作る」と応える。
そして「その米は一体だれが作るのだ」と尋ねて浪人達を寝返らせてしまう。


悪代官に雇われた浪人達を説教する十時来三郎のキャラクターが魅力的。

単純なやりとりながらユーモアたっぷりの面白さがある。


 
 
 製作   松竹

  監督   伊藤大輔

  配役    十時来三郎 月形龍之介 城主伴良 井上晴夫
      長曾根 金子弘 嗣子松若丸 伊久田太郎
      左源太 天野刃一 庶子竹若丸 一ツ橋八重子
      住持徹全 市川庚寅 愛妾杉の方 伊藤みはる

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