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【第一課 第三節】 爱丽丝梦游仙境  

    (「路易斯・卡罗」 的童话故事)


爱丽丝坐在一棵大树下,听姐姐给她讲故事,心里却在想着:
“要是用野花做一个五颜六色的花环,该多漂亮啊!”

忽然,她看到一只红眼睛的白兔在她面前跑过。
这兔子穿着一套礼服,背心上挂着一个大怀表。
兔子一面看表一面说:“天啊,我迟到了,我迟到了!”
爱丽丝叫道:“等等我!”
她追了过去,那兔子钻进了一个大树洞,爱丽丝也跟着钻了进去。

“咚!”
她一下子好像掉进了一个无底洞。
她穿过了很多在空中漂浮着的东西:一张桌子、一盏台灯、一把摇椅和各种家具。
洞底有一个小门,门上的锁会说话。
它告诉爱丽丝:白兔就在门后面。

爱丽丝看见一个瓶子,上面写着:请喝我!
她把瓶子里的水喝了,立刻变得比瓶子还要小。
她又看见一个饼干盒,盒子上写着:请吃我!
她把饼干吃了,又变得像巨人那么大。
爱丽丝害怕得哭起来,眼泪流成了一条大河。
爱丽丝又喝了一口瓶子里的水,她又变小了,一下子跌到瓶子里,被眼泪河冲过了小门。
沿途她看到很多奇形怪状的小动物。

上岸时她遇到一对孪生兄弟,哥哥叫对对的,弟弟叫对对得。
爱丽丝问他们白兔在哪里,他们俩愈说愈糊涂,爱丽丝干脆不理他们了。
爱丽丝在一间房子前面遇见了白兔。
白兔对她说:“玛丽安,快把手套和扇子拿给我!”
爱丽丝想,他一定把她认作是他的女仆了。
她懒得和他分辩,跑到房间里去给他拿东西。

她在那里又看到一些饼干,忍不住吃了一块,于是她又变大了,大得连房子也装不下。
她只好双手伸出窗外,双脚伸出门口。
爱丽丝在窗外一下把白兔抓起来,她看见白兔手里拿着一个红萝卜。
爱丽丝想,可能这是有魔力的红萝卜。
她吃了一口。果然又变小了。

白免在她前面又跑又嚷:“我怎么会在这里?”
爱丽丝追赶着他,可总是赶不上,因为她太小了。
爱丽丝跑不动了,停下来喘一口气。
她看见周围的草长得比她还高。
花儿和虫儿都有都有脸,还会说话呢。
这是多么奇怪的花园,真像在梦里呀!

她看见有一圈烟袅袅升上天空。
原来是一条蜈蚣正躺在一朵蘑菇上面,用一根长管子吸烟呢。
蜈蚣问她到这里来干什么,她说要寻找那个红眼睛的白免。
蜈蚣哈哈大笑说:“他跑得那么快,你这么小,怎么追得上呢?
你吃一口蘑菇试试吧。”
爱丽丝吃了一口蘑菇,马上又变成了一个巨人。

她的头比树还高,连小乌也吃了一惊。
她可不喜欢长得那么大,于是又咬了一口蘑菇,就变回原来那么高了。
爱丽丝继续往前走。
但是路标太混乱了,她不知道该往哪里走。

后来,她看见一只样子很古怪的猫,躺在一根树枝上面。
“喂,你是谁呀?”
爱丽丝问他。
猫露出牙齿笑道:“我是妙妙猫。”

爱丽丝问他怎样才能找到那只白兔。
妙妙猫带爱丽丝去找三月兔和疯帽商,看他们能不能带爱丽丝去找白兔。
三月兔和疯帽商正在准备开茶会。

他们问今天是不是爱丽丝的生日。
爱丽丝说不是。
他们说正是要开“非生日庆祝会”,因为每人每年只有一个生日,却有三百六十四个非生日呢。
他们请爱丽丝参加这个“非生日”的茶会,但爱丽丝还是走了。

爱丽丝看到远处有一个城堡,就朝着那边走。
她走到一个美丽的花园里,花园里有一棵白玫瑰树。
三个扑克牌园丁正忙忙碌碌地把白玫瑰涂成红色。
爱丽丝问他们为什么这样做。
他们说:“红心皇后只喜欢红玫瑰啊!

忽然,传来一阵喇叭声,白兔率领着一队人威风地走过来了。
在白兔后面是红心皇后和红心皇帝,原来白兔是皇宫的传令兵呀。
园丁一看到皇后就惊慌失措起来,因为皇后向玫瑰树走来啦!
皇后伸出那胖胖的手指摸了红玫瑰一下,发现红色是涂上去的,马上大发脾气。

爱丽丝觉得她应该分散一下皇后的注意力。
她勇敢地挺身而出,向皇后介绍自己。
皇后果然忘记了玫瑰的事,怀疑地望着爱丽丝。

红心皇后叫爱丽丝和她玩球。
她的玩法很奇怪,用红鹤来作球棒把刺猬作球。
爱丽丝赢了皇后,皇后又发起怒来。
她叫卫兵抓住爱丽丝,说爱丽丝赢了她,就是犯了叛国罪。
这就是从来没有人能打败皇后的秘密呀。

一场审讯马上开始了。
白兔宣布爱丽丝的罪状,皇后站在宝座上大叫:斩下她的头!
“爱丽丝站起来想给自己辩护,但是法官一声不响,只有皇后不断地叫道:“斩下她的头!”

爱丽丝生气了。
她吃了一片蘑菇,突然变大了;又吃了一片蘑菇,又突然变小了。
人们给爱丽丝弄得眼花缭乱,扑克牌兵一张张向她扑过来。

爱丽丝打不过,只好逃跑。
她不顾一切地跑,竟然跑到一个迷宫里,而追兵已经赶到后面了。
爱丽丝听到了追兵的脚步声和皇后的尖叫声,感到头昏脑胀起来。

可是就在这时,她听到了一个熟悉、温柔的声音。
爱丽丝睁开眼睛,原来是姐姐在叫醒她。
刚才她躺在树下睡着了,做了一个多么奇怪有趣的梦呀!




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【注 釈】

【爱丽丝梦游仙境】 ài lì sī mèng yóu xiān jìng
不思議の国のアリス (アリス仙境に遊ぶ)

【路易斯・卡罗】 lù yì sī kǎ luó
ルイス・キャロル Lewis Carroll [1832-1898]
英国の作家。本名は Charles Lutwidge Dodgson。牧師の家の生れ。
オックスフォード大学の数学の講師を本職とし著作も多い。
筆名で発表した 「不思議の国のアリス」(1865年)と
「鏡の国のアリス」(1871年)の姉妹編によって有名。

【要是】 yào shi  (接続詞) もし~なら
【五颜六色】 wǔ yán liù sè  色とりどりの
【花环】 huā huán  花飾り
【一套礼服】 yí tào lǐ fú ひとそろいのタキシード

【一面~一面】 yí miàn  (副詞) 同時に~する
【背心】 bèi xīn チョッキ。ベスト
【大怀表】 dà huái biǎo  懐中時計
【钻进】 zuān jìn 飛び込む。潜り込む
【无底洞】 wú dǐ dòng  底なしの穴

【摇椅】 yáo yǐ  揺り椅子。ロッキングチェア
【变得比瓶子还要小】 biàn de bǐ píng zi hái yāo xiǎo 水差しよりも小さくなる
「動詞+得+状態補語」 の形で動作状態の様相を描写する

【又~又】 yòu (副詞) また~するとまた~ (動作・状態の並列)
【被眼泪河冲过了小门】 涙の池に押し流されて扉までやってくる

【沿途】 yán tú  その途中。道すがら
【奇形怪状】 qí xíng guài zhuàng 奇妙な形の。グロテスクな
【孪生兄弟】 luán shēng xiōng dì  ふたごの兄弟
【对对的】 duì duì de  トゥイードルダム(Tweedledum)
【对对得】 duì duì dé  トゥイードルディー(Tweedledee)

【愈说愈糊涂】 yù shuō yù hú tu  いくらしゃべっても訳が分からない
【干脆不理】 gān cuì bù lǐ  いいかげん相手にしない
【玛丽安】 mǎ lì ān マリアン(人名)
【认作】 rèn zuò  ~と思い込む。取り違える。
<用例>我被认作是中国人了。(私は中国人に間違われた)

【女仆】 nǚ pú  メイド
【懒得】 lǎn de  めんどうだ。おっくうだ。
【分辩】 fēn biàn 説明する。わからせる。
<用例>你要和他分辩清楚。(君はあの人にはっきりと説明すべきだ)

【饼干】 bǐng gān  ビスケット
【忍不住】 rěn bú zhù  (可能補語)我慢できない
【装不下】 zhuāng bú xià  中に入れきらない。収まらない
【只好】 zhǐ hǎo  (副詞) やむなく。他に方法がない

【果然】 guǒ rán   思った通り。案の定
【赶不上】 gǎn bu shàng   追いつかない。間に合わない
赶 (動詞) +不上 (可能補語) は、ある事物・状況に到達できない意を表す

【跑不动】 pǎo bú dòng  (可能補語) 疲れて走れない
【一圈烟】 yì quān yān  たばこのけむりの輪
【袅袅】 niǎo niǎo  ゆらゆらと

【蜈蚣】 wú gōng  ムカデ
【蘑菇】 mó gū  キノコ
【长管子】 cháng guǎn zi  キセル
【妙妙猫】 miào miào māo  チェシャ猫 (Cheshire Cat)
【看他们能不能】 できるかどうかは彼らしだい
「看」 (動詞) は、ある事柄が~のいかんによって決まる

【路标太混乱】 lù biāo tài hùn luàn でたらめな道しるべ
【三月兔】 sān yuè tù  三月ウサギ (March Hare)

【疯帽商】 fēng mào shāng  狂った帽子屋 (The Mad Hatter)
【开茶会】 kāi chá huì  ティーパーティを開く
【非生日庆祝会】 fēi shēng rì qìng zhù huì  誕生日じゃない日のお祝い
【白玫瑰树】 bái méi guī shù  白いバラの木
【扑克牌园丁】 pū kè pái yuán dīng  トランプの札の庭師
【忙忙碌碌地】 máng máng lù lù de  あくせくと。せっせと

【红心皇后】 hóng xīn huáng hòu  ハートの皇后
【威风地】 wēi fēng de 威勢よく
【传令兵】 chuán lìng bīng  使い走りの兵隊
【惊慌失措】 jīng huāng shī cuò  あわてふためく
【大发脾气】 dà fā pí qi  かんかんに怒る
【分散】 fēn sàn  はぐらかす。分散する

【勇敢地挺身而出】 yǒng gǎn de tǐng shēn ér chū  恐れずに進みでる
【怀疑地望着】 huái yí de wàng zhe  いぶかしげな目で見る
【玩球】 wán qiú  ボール遊び
【红鹤】 hóng hè  トキ鳥
【球棒】 qiú bàng  ラケット。クラブ
【刺猬】 cì wèi  ハリネズミ

【审讯】 shěn xùn  取り調べ。尋問
【叛国罪】 pàn guó zuì  反逆罪
【宝座】 bǎo zuò  玉座
【斩下】 zhǎn xià  はねる。斬る
【辩护】 biàn hù  言い開きする。釈明する
【一声不响】 yì shēng bù xiǎng  黙り込む。うんともすんとも言わない

【眼花缭乱】 yǎn huā liáo luàn  目をぱちくりする。目がくらむ
【打不过】 dǎ bú guò  かなわない。勝てない
【不顾一切】 bú gù yí qiè de  一目散に。
【竟然】 jìng rán  いきなり。意外や意外
【迷宫】 mí gōng  迷路
【头昏脑胀】 tóu hūn nǎo zhàng  めまいがする
【熟悉】 shóu xī  聞きなれた。よく知っている




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【練習問題】

次の文を日本語に訳してみましょう。

① 明天要是晴天该多好啊! míng tiān yào shì qíng tiān gāi duō hǎo a!
② 他一面翻开电话本,一面拿起电话 tā yí miàn fān kāi diàn huà běn,yí miàn ná qǐ diàn huà
③ 她变得我都认不出来了 tā biàn de wǒ dōu rèn bù chū lái le
④ 忍不住哭起来了 rěn bú zhù kū qǐ lái le
⑤ 她又想去,又想不去,拿不定注意 tā yòu xiǎng qù,yòu xiǎng bu qù,ná bu dìng zhù yì
⑥ 由于生病,这次旅行只好取消了 yóu yú shēng bìng,zhè cì lǚ xíng zhǐ hǎo qǔ xiāo le
⑦ 好容易才赶上了 hǎo róng yì cái gǎn shàng le
⑧ 跑的话还赶得上 pǎo de huà hái gǎn de shàng
⑨ 赶上好天气 gǎn shàng hǎo tiān qì
⑩ 这桌子太沉,我一个人搬不动 zhè zhuō zi tài chén,wǒ yí gè rén bān bú dòng
⑪ 能否成功,就看大家的努力 néng fǒu chéng gōng,jiù kàn dà jiā de nǔ lì


次の文を中国語に訳してみましょう。

① 明日もし雨なら行かないことにする
② 歩きながら新聞を読む
③ 彼は仕事ができるようになった
④ こらえきれずに笑いだした
⑤ 小説を書いたり、詩を作ったりしている
⑥ やむなく承知する
⑦ あの人は足が速いので私は追いつけない
⑧ ゆうべは終電車に乗りそこなった (終電車 末班电车 mò bān diàn chē)
⑨ 大雨に出くわす
⑩ この荷物は重すぎてぼくには持てない
⑪ 行けるかどうかは天気しだいだ


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【口語訳】

アリスは大きな木の下にすわって、おねえさんのおとぎ話をきいていました。
でもほんとうは、心の中で物思いにふけっていたのです。

『もしも野の花で色とりどりのお花の飾りを作れたらどんなに素敵かしら』

するとそこへ 一匹のウサギが アリスのそばを通りかかりました。

真っ赤な目をしたウサギは、タキシードを身に着けていました。
チョッキには大きな懐中時計を掛けています。

ウサギは時計をのぞきながら、何かつぶやいているではありませんか。

「どうしよう、遅刻 (ちこく) しちゃうぞ!」

「ちょっと待って!」

思わずさけんだアリスは、ウサギのあとを追いかけます。

するとウサギは、大きな木めがけてぴょんと飛び上がりました。
そしてそのまま、木の洞穴 (ほらあな) の中に消え失せてしまいました。

アリスもウサギに続いて穴に飛び込みます。

どすん!

アリスは底なし穴の下まで一気に落ちてしまいました。

落ちていく途中、アリスのまわりには色々な物が浮かんでいました。
テーブル、ランプ、揺り椅子、そして家具などなど。

穴の底の小さな扉のカギがアリスに話しかけてきました。
「白ウサギは扉のうしろにいるよ」

アリスは一本の水差しを見つけました。
水差しの上に何か書いてあるようです。

「私をお飲み!」

アリスは水をごくごくと飲みほします。

すると、自分の体がどんどん縮 (ちぢ) んでいくではありませんか。
とうとう水差しより小さくなってしまいました。

つぎにアリスは一箱のビスケットを見つけました。
箱の上に何か書いてあるようです。

「私をお食べ!」

アリスはビスケットをまるごと食べてしまいます。
すると今度は、体がどんどん大きくなっていくではありませんか。

こわくなったアリスは泣き出してしまいます。
ふと気がつくと、自分の流した涙があふれて大きな河になっていたのです。

そこでアリスは水差しの水を飲み、体を再び小さくしたのです。

でもうっかり、つまづいて水差しの中に倒れ込んでしまいました。
アリスはそのまま、涙の河に押し流されて扉までやって来ました。

その途中、アリスは奇妙な形をした動物たちを見つけました。

扉までたどり着くと、アリスはふたごの兄弟に出会いました。
兄の名前は トゥイードルダム、弟は トゥイードルディ です。

アリスは二人に白ウサギがどこにいるかたずねました。
でもこの二人とおしゃべすればするほど頭が混乱してしまいます。

そこでアリスは、二人の相手をするのはやめにしました。

それからアリスは一軒家の前でひょっこり白ウサギに出会います。

「マリアン、すぐに手袋と扇子を私に持って来ておくれ!」
白ウサギはアリスにそう命じます。

『きっと白ウサギさんは、私をメイドの人と勘違いしているのね』

アリスはそう思いましたが、いちいち説明するのもめんどうです。
それで部屋まで行って頼まれたものを持って来てあげたのです。

でもまた部屋に戻ったとき、アリスはビスケットを見つけました。
我慢できずにひとかけら食べたらまた体が大きくなりはじめたのです。

ところが大きくなりすぎて家の中に入りきれなくなってしまいました。
しかたなく窓から手を、入り口から両足を突きだします。

アリスは窓から伸ばした手で白ウサギを捕まえました。
見ると白ウサギは手に一本のニンジンをつかんでいます。

『これは魔法のニンジンに違いないわ』

そう思ったアリスが一口かじるとやはり体が小さくなりました。

「ボクはなぜここにいたのかな?」
白ウサギはそう言いながらアリスの前から逃げ出します。

アリスは追いかけようとしましたが、体が小さくて追いつけません。
途中で立ち止まったアリスは、息切れしてもう動けません。

アリスは周囲の草が自分より高いことに気が付きます。
そして花も虫もみんな顔があっておしゃべりしているではありませんか。

『なんて不思議な花園かしら。まるで夢をみているようだわ』

たばこのけむりがゆらゆらと空にただよっているのが見えました。

じつは一匹のムカデがキセルでたばこを吸っていたのです。
ムカデはキノコの上に横たわっていました。

「あんたは何しに来たんじゃ?」 ムカデがききます。

「白ウサギさんをさがしているんです」 アリスがこたえます。

ムカデはハッハッと大笑いして言います。
「あんたは小さすぎるから、いくら速く走っても追いつけっこないよ。
ためしにキノコを一口食べてみてはどうかね?」

アリスが一口キノコを食べると、また体が大きくなりました。
今度は樹木よりも高くなって、空を飛ぶ小鳥さえびっくりするほどです。

こんなに大きくなっても困るのでアリスはもう一口キノコを食べました。
するとようやくもとの大きさにもどることができました。

アリスは引き続き歩いていくことにしました。
でも道しるべがでたらめで、どこへ行ったらよいか分からなくなったのです。

しばらくすると、アリスは風変わりな猫に出会います。
猫は木の枝に横たわっていました。

「まあ、あなたは誰なの?」 アリスがたずねます。

「私はチェシャ猫だよ」 猫はにゃおにゃお歯をむき出して答えました。

「白ウサギさんがどこにいるか、教えてくださる?」 アリスがたずねます。

チェシャ猫はアリスを三月ウサギと帽子屋のところへ案内しました。
白ウサギに会えるかどうかは彼らしだいというわけです。

三月ウサギと帽子屋はティー・パーティの準備をしていました。

「本日は君の誕生日ではなかったかい?」 彼らはアリスにたずねます。
「いいえ、ちがうわ」 アリスがこたえます。

「それじゃあ、誕生日じゃない日のお祝いをしようじゃないか」

彼らによれば、人はみな誕生日は一日だけしかない。
でも残りの 364日は誕生日じゃない日だということです。

「誕生日じゃない日のティー・パーティに参加してみないか?」

三月ウサギと帽子屋はアリスにぜひ参加するようすすめました。
あきれかえったアリスは、そのまま歩き去ってしまいました。

遠くに城を見つけたアリスは城に向かって歩きました。
アリスが美しい花園の前を通りかかると、白いバラの木を見つけました。

三人のトランプ札の職人たちがせっせと仕事をしています。
彼らは白いバラの花を、赤いペンキでぬっていました。

アリスはわけをたずねてみました。

「ハートの皇后さまは紅いバラがお好きなのです」 彼らがこたえます。

突然、ひとしきりのラッパの音がきこえてきました。
白ウサギが兵隊たちを従え、威勢よくやってきたのです。

白ウサギの後には、ハートの皇后とハートの皇帝が続いています。
白ウサギはどうやら王室の使い走りの兵隊だったようです。

トランプの職人たちは皇后を見ると急に慌てふためき始めました。
皇后がバラの木のほうへやって来たためでした。

皇后は太い指を伸ばして紅いバラに触れました。
そして赤いペンキが塗られているのを発見するとかんかんに怒りました。

アリスは皇后の注意力をはぐらかそうとしました。
怖れずに皇后の前に進み出たアリスは自己紹介をはじめます。

思った通り、皇后はバラの事を忘れてしまいました。
皇后はいぶかしげな目でアリスを見つめます。

ハートの皇后はアリスとボール遊びをやりたいと言いました。

でもその遊び方はとても奇妙でした。
トキ鳥をラケットに、ハリネズミをボールに使うというのです。

結局アリスが勝ったので、皇后はまたかんしゃくを起こします。
アリスは皇后の衛兵たちに捕まってしまいました。

アリスが皇后に勝ったのは、反逆罪を犯したことになるというのです。
これまで誰も皇后に勝ったことのない秘密がこれではっきりしました。

取り調べがまもなくはじまりました。
白ウサギはアリスの罪状を宣言します。

皇后が玉座から立ち上がり声をはりあげました。
「アリスの首をはねなさい!」

アリスは言い開きしようと立ち上がりました。
でも裁判官は黙り込んだまま、うんともすんともいいません。

皇后がくりかえし声をはりあげました。
「アリスの首をはねなさい!」

アリスはもう頭にきました。
怒ったアリスがキノコを一口食べると、体がまた突然大きくなりました。
もう一口食べると、今度は突然小さくなりました。

そんなアリスに、皇后たちは目をぱちくりです。
トランプの兵隊たちが一斉にアリスに飛びかかろうとしました。

こうなるとアリスはもう逃げるかありません。
一目散に逃げ出したアリスは、迷路のような場所へ入り込んでしまいました。

兵隊たちが、すぐあとから追いかけてきました。
兵隊たちの足音と皇后の鋭い叫び声が聞こえます。

アリスはもう、ぼうっとして立ちつくしてしまいました。

このときアリスは、あのやさしいお姉さんの声を耳にしました。

どうやらアリスは木の下で眠り込んでいたようです。
なんて奇妙ですてきな夢だったんだろう、とアリスは心から思うのでした。


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【練習問題・解答】

① あした晴れるといいな
② 彼は電話帳をめくりながら受話器を取った
③ 彼女は見分けがつかないほど変わってしまった
④ たまりかねて泣き出す
⑤ 彼女は行こうか行くまいか決心がつきかねている
⑥ 病気になったので、こんどの旅行はやむなく取りやめた
⑦ かろうじて間に合った
⑧ 走ればまだ間に合う
⑨ 好天に恵まれる
⑩ この机は重くて私一人では動かせない
⑪ 成功するか否かは、みなさんの努力いかんだ



① 要是明天下雨,就不去了 yào shì míng tiān xià yǔ,jiù bú qù le
② 一面走路,一面看报 yí miàn zǒu lù,yí miàn kàn bào
③ 他变得能干了 tā biàn de néng gàn le
④ 忍不住笑起来了 rěn bú zhù xiào qǐ lái le
⑤ 又写小说,又做诗 yòu xiě xiǎo shuō,yòu zuò shī
⑥ 只好答应下来 zhǐ hǎo dā yìng xià lái
⑦ 他走得快,我赶不上他 tā zǒu dé kuài,wǒ gǎn bu shàng tā
⑧ 昨晚没赶上末班电车 zuó wǎn méi gǎn shàng mò bān diàn chē
⑨ 赶上下大雨 gǎn shàng xià dà yǔ
⑩ 这件行李太沉,我拿不动 zhè jiàn xíng li tài chén,wǒ ná bu dòng
⑪ 能不能去,就看天气了 néng bù néng qù,jiù kàn tiān qì le



③  「動詞+得+状態補語」 の形で動作状態の様相を描写する
⑤  又~又 (副詞) ~ でもあり、また ~ でもある (動作・状態の並列)
⑦  赶 (動詞)+上 (結果補語) は、ある事物・状況に行きつく意を表す。
     追いつく。間に合う。出くわす。
⑪  「看」 (動詞) は、ある事柄が ~ のいかんによって決まる