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【第一課 第十一節】 卖火柴的小女孩  (安徒生童话)  

天上正下着雪,冷得可怕。这是一年中最后的一夜 —— 新年的前夕。
在这样的寒冷和黑暗中,有一个小女孩正赤着脚在街上走着。

她的脚已经冻得又红又青。她的旧围裙里兜着许多火柴,手里也拿着一束火柴。
小女孩是在向路人卖火柴,可这一整天谁也没有向她买过一根火柴,
谁也没有给过她一个铜板。

可怜的小女孩又饿又冷,哆嗦着向前走。雪花落在她那金黄色的头发上
—— 这头发卷曲地披散在她的肩上,非常美丽。

不过她并没有想到自己的美。街上所有的窗子都射出光来,
飘着一股烤鹅肉的香味,因为今天是除夕,是的,她在想,今天是除夕。

小女孩在一座房子的墙角里坐了下来,缩成一团。
她把她的一双小脚也缩了进去,不过她感到更冷了。

她不敢回家,因为她没有卖掉一根火柴,没有赚到一个铜板,
爸爸一定会骂她的,而且家里也是很冷的。

小女孩的一双小手几乎冻僵了。唉!  哪怕一根小火柴对她也是有好处的。
只要她敢抽出一根来,在墙上擦一下,暖一暖手就好了!  她终于抽出了一根。
哧!  火柴燃起来了,冒出火来了!

当小女孩把手覆在火上面的时候,它便成了一朵温暖的、光明的火焰,
就像一根小小的蜡烛。

这是一道美丽的微光!  小女孩觉得自己真像坐在一个小火炉前一样。
火烧得多么旺,多么温暖,多么美好啊!

嗳,这是怎么回事呀?

小女孩刚刚伸出她的一双脚,打算暖一下,火焰却熄灭了!  火炉不见了。
她坐在那儿,手里只有一根烧过了的火柴根。

小女孩又擦了一根火柴,火柴燃起来了,发出光来了。

墙上的那块被亮光照着的地方,忽然变得透明,像一片薄纱一样,
她可以看到房间里的东西: 桌上铺着雪白的台布,上面放着精致的碗盘,
还有填满了梅子和苹果、冒着香气的烤鹅。

更美妙的是: 这只鹅从盘子里跳下来,背上插着刀叉,向这个穷苦的小女孩走过来了。
这时,火柴熄灭了,她面前只有一堵又厚又冷的墙。

小女孩又擦了一根火柴。现在她坐在美丽的圣诞树下。
这棵圣诞树比上次圣诞节她透过一个富人家的玻璃窗所看到的那一棵还要大,还要美。

它的绿枝上燃着几千支蜡烛, 一些跟挂在商店橱窗里一样美丽的彩色图画
在向小女孩眨眼睛。小女孩把她的两只手伸过去。可是火柴熄灭了。

圣诞树上的烛光越升越高,她看到它们变成一些明亮的星星。
这些星星中有一颗落了下来,在天上划出了一道长长的红线。

「现在又有一个什么人死去了」 小女孩说,因为最疼爱她的老祖母活着的时候
曾经说过: 天上落下一颗星星,地上就有一个灵魂升到上帝那儿去了。

小女孩在墙上又擦了一根火柴。
火柴把四周照亮了,在这亮光中老祖母出现了。

老祖母显得那么光明、那么温柔、那上和蔼。
「奶奶!」 小女孩叫起来,「请把我带走吧!  我知道,这火柴一灭掉,你就会不见的,
你就会像那个温暖的火炉、那只喷香的烤鹅、那棵美丽的圣诞树一样不见的!」

于是小女孩急忙把整束火柴中剩下的那些都擦亮,因为她非常想把祖母留住。
这些火柴发出强烈的光芒,照得比大白天还要亮。

祖母这次显得特别美丽和高大。
她把小女孩抱起来,搂在怀里,飞到既没有寒冷又没有饥饿也没有忧愁的地方去了。


新年寒冷的早晨,这个小女孩仍坐在这个墙角里,她的脸颊通红,嘴唇上带着微笑,
她已经死了 —— 在除夕夜里冻死了。

新年的太阳升起来了,照着她那小小的尸体!
她坐在那儿,手里还握着火柴。其中有一束差不多都烧光了。

「她想给自己暖一下身子」 人们说。

但他们谁也不知道: 她曾经看到过多么美丽的东西,她曾经多么幸福地
跟着她的老祖母一起走到新年的幸福中去。



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【注 釈】

【卖火柴的小女孩】 mài huǒ chái de xiǎo nǚ hái  マッチ売りの少女。

【冷得可怕】 lěng dé kě pà  おそろしく寒い。
【赤着脚】 chì zhe jiǎo  はだしのまま。
【围裙】 wéi qún  エプロン。

【在向路人卖火柴】 zài xiàng lù rén mài huǒ chái  
道行く人にマッチを売っている。
「在」は、動作の継続を表す副詞。

【铜板】 tóng bǎn  銅貨。

【卷曲地披散在她的肩上】 juǎn qū dì pī san zài tā de jiān shàng
カールして彼女の肩にかかっていた。

【烤鹅肉】 kǎo é ròu  ガチョウの肉の丸焼き。
【除夕】 chú xī  除夜。大みそか。
【缩成一团】 suō chéng yì tuán  丸くうずくまる。
【冻僵】 dòng jiāng  かじかむ。寒さで感覚を失う。

【哪怕】 nǎ pà (=即使 jíshǐ) [接続詞]
仮定の譲歩・認容 (たとえ ~ だとしても、それでも ・・・)
仮定をひとまず認めたうえで、対立する論点を主張する用法。
<用例> 哪怕圣人也有缺点。(聖人でも欠点はある)

【蜡烛】 là zhú  ろうそく。
【薄纱】 báo shā  薄い絹の織物。
【精致】 jīng zhì  たくみな細工の。上等の。
【梅子】 méi zi  すももの実。
【刀叉】 dāo chā  ナイフとフォーク。
【穷苦】 qióng kǔ  哀れな。みすぼらしい。
【一堵】 yī dǔ  一並びの。(垣や塀を数える数量詞)
【圣诞树】 shèng dàn shù  クリスマス・ツリー。
【橱窗】 chú chuāng  ショーウインドー。

【在向小女孩眨眼】 zài xiàng xiǎo nǚ hái zhǎ yǎn
小さな女の子に向けてまたたいている。
「在」は、動作の継続を表す副詞。

【最疼爱她的】 zuì téng ài tā de  
彼女をいちばん可愛がっていた。

【灵魂】 líng hún  たましい。
【上帝】 shàng dì  神さま。
【和蔼】 hé ǎi  穏やかな。優しい。

【你就会不见的】 nǐ jiù huì bú jiàn de
あなたは見えなくなってしまうに違いない。
「的」は、断定を表す助詞。(= 一定会不见)

【喷香】 pèn xiāng  香ばしい。美味しそうな。
【脸颊】 liǎn jiá  ほお。ほっぺた。
【尸体】 shī tǐ  死体。なきがら。

【差不多都】 chà bu duō dōu  ほとんどすべて。
差不多(=相近, 相差不多, 几乎等于) ほぼ全部。九分通り。
<用例> 老人的头发差不多全白了。
(老人の髪の毛はほとんど真っ白になった)


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【練習問題】  

次の文中の誤りを訂正してください。

① 小女孩擦了火柴。xiǎo nǚ hái cā le huǒ chái 
     (女の子はマッチを擦りました)

② 小女孩又擦了一根火柴了。xiǎo nǚ hái yòu cā le yì gēn huǒ chái le 
     (女の子はまた一本のマッチを擦りました)

③ 她没有卖了一根火柴。tā méi yǒu mài le yì gēn huǒ chái 
     (彼女は一本のマッチさえ売れませんでした)

④ 她感到了更冷了。tā gǎn dào le gèng lěng le
     (彼女はいっそう寒く感じました)

⑤ 这只鹅从盘子里跳下地板了,向小女孩走过来了。
      zhè zhǐ é cóng pán zi lǐ tiào xià dì bǎn le,xiàng xiǎo nǚ hái zǒu guo lái le
  (そのガチョウは皿の中から床に跳び下りて、まっしぐらに女の子のほうに歩いてきました)

⑥ 在圣诞节的时候,街头经常飘散了烤鹅的香味。
      zài shèng dàn jié de shí hou,jiē tóu jīng cháng piāo sàn le kǎo é de xiāng wèi
  (クリスマスになると、街中に丸焼きのガチョウの匂いが絶えず漂っていた)


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【口語訳】

雪がしんしんと舞うとても寒い日でした。

それは、一年の最後の日、大みそかの夜のことです。
そんなに寒く、こんなに暗い町を、ひとりの小さな女の子がはだしで歩いていました。

彼女の足はとうにこごえて赤と青のまだらになっています。
古ぼけたエプロンには、マッチがたくさん入っていました。手の中にもひと束かかえています。

女の子は道行く人にマッチを売っていました。でもその日は丸一日、誰もマッチを
買ってくれませんでした。一シリングの銅貨をめぐんでくれる人もありませんでした。

かわいそうに、小さな女の子は、お腹をすかし、寒さに震えながら歩き続けています。

長いブロンドの髪に、雪がちらちら降りかかりました。
髪は、首すじの所でとてもきれいにカールしていましたが、そんなおしゃれのことなんか
考えていられませんでした。

町のどの窓にも明かりがまばゆく輝いていました。
ガチョウの焼き肉のにおいが窓からおいしそうに漂ってきます。

今日は除夜の日だわ。女の子は気づきました。
そう、今日は除夜、一年の終わりの夜だったのです。

女の子は一軒の家の隅っこに腰をおろし、小さい両足を引っ込めて、丸くうずくまりました。
それでも寒くてこごえるばかりでした。

家に帰る気にはなれませんでした。
一本のマッチさえ売れず、一枚の銅貨さえ手にすることができなかったからです。

帰れば、お父さんはきっと彼女をののしるにちがいありません。
家の中だって寒いのは同じでした。

女の子の小さい両手はこごえてすっかり死んだようになっています。
そう、たとえ一本の小さいマッチでも、ずいぶん役に立つでしょうに!

一本だけ抜き出して、壁の上でこすって、手を温める勇気さえあったら!
彼女はついに一本抜き出しました。

ちちっ! マッチは燃え上がって、ちらちらと火がゆれました。
まるで小さいろうそくのように、あたたかく明るいほのおでした。

女の子はそのまわりに手をかざします。それは美しいほのかな明かりでした。
彼女は本当にストーブの前に坐っているような気がしました。

火は盛んに燃えて、きらきらと輝き、とてもあたたかく感じられました。

あっ、どうしたのかしら?

女の子はすぐさまこごえた両足を伸ばして温まろうとしました。
するととたんに火は消えてしまいます。ストーブも見えなくなってしまいました。

女の子は、燃え残った一本のマッチを手にして、そこに坐っていたのです。

二本目のマッチを擦ります。マッチは燃え上がって、ほのおを発しました。

ほのおが壁を照らすと、なんと不思議 ―― 壁は一面のうすぎぬのように透きとおり、
部屋の中のものが見えるようになったのです!

机の上には真っ白なテーブル・クロス、その上には上等の皿や食器が置いておいてありました。
たくさんのすももやリンゴをつめた、丸焼きのガチョウが、おいしそうに湯気を立てています。

さらに不思議なことに、そのガチョウが皿の中から跳び下りて、背なかにナイフとフォークを挿したまま、
よちよちと、そしてまっしぐらに、みすぼらしい女の子のほうに歩いてくるでありませんか!

この時、マッチの火は消えてしまいました。
彼女の目の前は、どっしりとした、つめたい壁が見えるだけでした。

女の子はまた一本のマッチを擦ります。
すると、彼女は、このうえなく美しいクリスマス・ツリーの下に坐っていました。

その木は、以前クリスマスのとき、金持ちの家のガラスの窓ごしに見た木に比べて、
さらに大きく、ずっと美しかったのです。

その緑の枝の上で燃えている数千本のろうそくは、まるで店のショーウインドーに並ぶ色とりどりの
美しい絵のように、女の子に向ってキラキラとまばたきを繰り返しています。

女の子は思わず両手を伸ばします。けれどもマッチの火は消えてしまいました。

クリスマス・ツリーのろうそくの光はみるみる上に上がり、ますます高くなって、
それらは夜空に輝く明るい星になりました。

すると、一粒の星が、天の上からとても長い尾をひいてスーッと落ちていきます。
「誰かが死んで天国にいくのだわ!」 と、女の子は言いました。

優しかったおばあさんがまだ生きていたころ、天の上から一粒の星が落ちると、
ひとつの魂が天にめされるのだと、そう聞かせてくれたからです。

女の子はもう一度、壁の上でマッチを擦ります。マッチのほのおは周囲を明るく照らしました。
そしてほのおの中から彼女のおばあさんが現れたのです。

おばあさんはなんと明るく、なんと優しく、このうえもなく穏やかにほほえんでいたのです。

「おばあちゃん!」  女の子は叫びました。「私をいっしょに連れていって! 
私は知っています。このマッチが消えてしまうと、あなたも消えてしまうのよ。

あなたは、あの温かいストーブのように、あのとても香しいガチョウのように、
そしてあの美しいツリーのように、きっと見えなくなってしまうのだわ!」

女の子は急いで束になっていたマッチの残りを、すべて擦って、火をつけました。
おばあさんをしっかりと引きとめておきたかったからです。

マッチはたいそう光り輝き、真昼のように明るくなりました。
おばあさんの体は、このうえもなく美しく大きく見えました。

おばあさんは、女の子を胸に抱きしめました。そして高く高く飛んでいきました。
寒さもなく、ひもじさもなく、そしてなんの心配もないところへ、高く高く飛んでいったのです。


新年の寒い明け方、女の子は依然として、あの家の隅っこに坐っていました。
彼女の頬は真っ赤で、口元にはほほえみを浮かべています。

彼女はすでに死んでいました。―― 除夜の夜にこごえてしまったのです。

新年の太陽が昇って、彼女の小さいなきがらを照らしました。
手の中はいまだマッチを握ったまま、彼女はそこに坐っていました。

その中の一束はほとんどすべて燃えてしまっていました。
「この子は自分の体を温めようとしたのだろう」 人々は言いました。

でも彼らは、誰も知らなかったのです。

彼女がどんなに美しいものを見たのかを、そして彼女がこのうえない幸せを感じながら、
おばあさんといっしょに、光かがやく新年の喜びの中へ旅立って行ったことを、
人々は、誰も知らなかったのです。


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【練習問題・解答】

① 小女孩擦了火柴了。(女の子はマッチを擦りました)

目的語に修飾語がつかない場合には、一般に 「動詞」+「了」+「目的語」 のみの形では文が言い切りにならない。
たとえば 「擦了火柴」 は (マッチを擦って) (マッチを擦ってから…) (マッチを擦ったら…) などの意味になる。
語気詞 「了」 を加えることにより文が完結するのである。


② 小女孩又擦了一根火柴。(女の子はまた一本のマッチを擦りました)

「目的語」 が一つの単語ではなく、修飾語 (一根) をもっているときは文末に語気詞 「了」 をおかない。
たとえば 「住了两年」 (二年住んだ)、「吃了三次药」 (三回薬を飲んだ) などのように目的語に数詞などの成分が
ついている場合には文末に 「了」 をおかない。


③ 她没有卖掉一根火柴。(彼女は一本のマッチさえ売れませんでした)

「了」 を用いた文の否定は一般に動詞の前に 「没」 あるいは 「没有」 を置き、
「掉」 に似た意味の 「了」 の場合以外、「了」 は取り去る。


④ 她感到更冷了。(彼女はいっそう寒く感じました)

「感到」 「希望」 「打算」 「觉得」 「以为」 「需要」 など 心情・願望・感覚・認識・意志 を表す動詞は、
具体的な動作を表しておらず、これだけで完了の意義をもっていない。
したがって 「了」 を後におけない。


⑤ 这只鹅从盘子里跳下了地板,向小女孩走过来了。
    (そのガチョウは皿の中から床に跳び下りて、まっしぐらに女の子のほうに歩いてきました)

動作完了が文の前半にあり、後続の事柄の前提として表され、「…してから」 の意味を表す場合、
動態助詞 「了」 は前提文の動詞 (動補構造) の直後につける。
「了」 を目的語 (地板) の後に付けるのは誤りである。

<用例> 明天我吃了午饭去游泳。(明日私は昼ごはんを食べてから泳ぎに行く)
<用例> 我每次下了课就去图书馆。(私は毎回授業が終わってからすぐ図書館に行く)


⑥ 在圣诞节的时候,街头经常飘散着烤鹅的香味。
   (クリスマスになると、街中に丸焼きのガチョウの匂いが絶えず漂っていた)

「经常」 「每天」 「常常」 「每年」 など恒常的になされる動作・状態の場合は 「了」 をつけることができない。
なお、動詞 「飘散」 (香りが漂う) は、状態の進行持続を表しているから、
持続態の動態助詞 「zhe」 を付けることができる。

<用例> 以前黄河经常发生大水灾。(以前、黄河はいつも大水害をおこしていた)
<用例> 以后他们的汉语水平天天有提高。(その後、彼らの中国語のレベルは日に日にあがっていた)