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【第二課 第六節】 动脑筋爷爷 ⑥
小朋友,火车开进车站,慢慢地停了下来。
站台上,小天真在人群里跑来跑去,找不到动脑筋爷爷。
他跑到火车头那边,被这个穿黑衣服的大家伙吸引住了。
它拉了十多节车厢 xiāng,走了一千多里路,
蹲 dūn 在钢轨 gāng guǐ 上像没事一样。
「小天真!」小问号喊他。
小天真抬头一望,赶紧迎过去,
嚷着说:「爷爷,火车头的力气为什么这样大?」
「小天真,看你,」小问号说,「爷爷刚下火车,你又来提问题了!」
「我,不……」小天真不好意思地咽 yàn 住了想说的话。
老爷爷说:「小天真这样好问,很好。我离开这里好久了。
小问号,你也有不少问题吧?」
小问号从口袋里掏 tāo 出纸,纸上写着问题,交给老爷爷。
小天真也在口袋里掏,却掏不出什么,说:
「爷爷,我也有问题,把它忘在家里了。」
「不急,」老爷爷笑着说,「你们明天到我家里来吧!」
火车头的力气为什么这样大?
老爷爷不在家,小天真来了。炉子上,水壶里的水开了。
水蒸气把壶盖掀 xiān 开,小天真盖上它,一会,壶盖又被掀了开来。
「嘿,水的力气多大呀!」小天真说。
「不是水,」小问号恰巧 qià qiǎo 走来,「是水蒸气!」她说。
「水蒸气是水变成的。水和水蒸气,一个样!」小天真脸都涨红了。
「不一样呀!」动脑筋爷爷回家了。
「水不能掀开盖子,水蒸气能够掀开盖子。它们的脾气不同。
还有,它们的个儿也不同。
一壶水要是变成水蒸气,要一千六百五十多个水壶才能装得下它们!
你们看,水蒸气比水要大多少倍 bèi ?」
「这么说,水壶里的水蒸气在壶里耽 dān 不下了,拼命往外挤,就把壶盖掀开了?」 小问号说。
「你说得对。火车头的力气这么大,就是靠了水蒸气的力量大!」老爷爷说。
「我想,火车头里一定有个大水壶。水壶大,水蒸气的力气才大呀!」小天真说。
「对,火车头里有个盛水的家伙,叫锅炉。
锅炉里的水蒸气,推动机器,转动火车的轮子,火车就跑起来了。」
老爷爷看了看小问号,问她,「你还有什么问题吗?」
「有。锅炉里的水全变成水蒸气,没有水怎么办?」
「这很简单。水没有了,就加水。」小天真抢着说,「我看见过火车加水的。」
「要是火车走过沙漠 mò,一路上没有水呢?」小问号追问下去,「小天真,你说怎么办?」
小天真说不出,动脑筋爷爷回答说:「缺少水的地方,就用另一种火车头。
用电来开的,叫电气机车;还有一种烧柴油的火车头,叫做内燃机车。」
【火车头】 huǒ chē tóu 機関車
【个儿也不同】 大きさだって違う
【比水要大多少倍】 水蒸気の大きさは水の何倍かな?
【耽不下】 ぐずぐずしていられない
【靠了水蒸气的力量大】 水蒸気の力のおかげなんだ
【盛水的家伙】 水を入れるもの
【锅炉】guō lú ボイラー
【柴油】 chái yóu ディーゼルオイル
【内燃机车】 nèi rán jī chē ディーゼル機関車
船为什么会浮在水面上?
小问号拿了一布袋弹子,对小天真说:「你能不用手掂 diān 分量,很快地分出哪是铁弹子,哪是木弹子吗?」
小天真说:「这容易!」接过布袋,「哗啦啦」把弹子倒进水盆:铁弹子沉到水底,木弹子浮了起来。
「你这也不懂!」小天真神气地说,「铁重木头轻嘛。」
「好,我问你!」小问号说,「轮船是钢铁造的,又大又重,为什么会浮在水面上?」
「这……」小天真眨巴着眼睛,答不上了。
他们去问动脑筋爷爷。爷爷说:「我做个小实验给你们看。」
他拿出一张包糖果的锡 xī 纸,把它揉成一团,放到水面,锡纸团「骨都」一下,沉到水底。
小天真看了说:「锡和铁一个样,重嘛。」
老爷爷一声不响,把锡纸团捞起来抹干,折成纸船。纸船浮在水面上,一吹气,游动起来。
「看见没有?」动脑筋爷爷说,「同一张锡纸,一样『重』,折成纸团,个儿小,它就沉到水底;
纸成纸船,个儿大,在水里占 zhàn 的地位大,它就浮在水面上。
轮船是钢铁做的,身体很大,可中间是空的,所以它能浮在水面上。」
「农村的水泥船能浮在水上,是同样的道理吧!」小问号说。爷爷点点头。「你说的对。」
【一布袋弹子】 yí bù dài dàn zi 小さな玉がいっぱい入った袋
【哗啦啦】 huā lā lā ぱらぱら (擬音語)
【不用手掂分量】 bú yòng shǒu diān fèn liang 手で重さを量ったりせず
「用」 は介詞 (道具・手段)
<用例>日本人用筷子吃饭。日本人は箸でごはんを食べる
【神气地说】 shén qì de shuō 得意になって言う
【锡纸】 xī zhǐ 銀紙 (錫の合金を薄くのばしたもの)
【骨都】 gǔ dōu ぽとん (擬音語)
【抹干】 mǒ gān 水をぬぐう
【在水里占的地位大】 水の中に占める嵩 (体積) が大きくなる
【水泥船】 shuǐ ní chuán セメント船
飞机为什么会飞?
动脑筋爷爷把一只小飞机放在地上。
他开动了发动机,小飞机前面的螺旋桨 luó xuán jiǎng,立刻转动起来,向前跑了。
「爷爷,」小天真性急地问,「你的飞机怎么只会跑路,不会飞?」
动脑筋爷爷笑着摇摇头。
小问号说:「我知道,飞机飞的时候,先要在跑道上跑一会儿。我只是不明白,飞机怎么会跑的?」
「飞机里装着发动机。发动机转动螺旋桨。」动脑筋爷爷回答,「螺旋桨一转,就能够使飞机前进!」
「飞机飞了!」两个孩子看见小飞机飞起来,一齐喊着说。
小飞机不停地盘旋飞行着。
老爷爷又说:「飞机向前进,飞机翅膀上面和下面的空气,就都向后流动,
制造飞机的工程师,总想法使翅膀上面的空气,比下面的流得快,
这样下面的空气就会把飞机托起来,让它飞上天。」
现在,小问号和小天真可知道小飞机为什么会飞了。
穿了棉衣为什么暖和?
小天真讲了个笑话:「一天,天气很冷,妈妈让弟弟穿上了棉衣,问:『孩子,为什么冷天要穿棉衣?』
弟弟说:『这还不懂?棉衣里有棉花,会发热嘛!』说完,他就跑了。
弟弟不想弄明白穿棉衣会暖和的道理。
到了夏天,弟弟看见有人用棉衣包着一盒棒冰,他惊奇地喊起来:『啊哟,棒冰穿棉衣,要热得化成水啦!』」
小问号听到这里,忍不住笑了起来。
老爷爷问:「你们说说,为什么冬天要穿棉衣,为什么棒冰包在棉衣里不容易融化?」
小问号想了想,说:「棉衣里面的棉花蓬蓬松松,中间藏着许多空气,它能保住身体里发出的热,
所以我们就不觉得冷。棉花自己不会发热,也不容易传热。棒冰……」她说不下去了。
动脑筋爷爷接着说:「棒冰用棉花包着,也是利用棉花不容易传热,使得外面的热传不进去,棒冰也就不容易融化了。」
小天真搔 sāo 搔头皮说:「我只知道人穿了棉衣会暖和。现在才知道,棒冰穿了棉衣为什么不容易融化。」
【一盒棒冰】 yì hé bàng bīng ひと箱のアイス・キャンデー
【蓬蓬松松】 péng péng sōng sōng ふわふわ(擬態語)
【使得外面的热传不进去 】 shǐ de wài miàn de rè chuán bù jìn qu そのため、外部の熱は中に伝わらない
「使得」(動詞) は、ある結果をもたらす意。(引来)
<用例>脂肪 zhī fáng 多使得肚子下垂。脂肪が多いと腹がたるむ
为什么冬天穿深色的衣服,夏天穿浅色的?
「爷爷,」小问号说:「我怎么没有见过穿白色的棉袄?」
小天真抬头一看,他们三个人穿的棉袄,果然都是深色的。
他想:小问号真细心,自己怎么没有想到这回事!
动脑筋爷爷说:「冷天热天,人们衣服的颜色深浅不同,这里面有个道理。」
说着,做了一个有趣的小实验给他俩看:老爷爷拿出两块小手绢,一块黑,一块白,
各包一块冰,放在太阳下晒。
一会儿,打开一看,唷,黑手绢里的冰没有了,化成水了,白手绢里的冰还剩下一块。
「多奇怪呀!」小问号和小天真叫起来。
老爷爷说:「黑色比白色容易吸收太阳的热。因此,黑手绢包的冰,先化成水了。」
小天真说:「黑的比白的容易吸收热,怪不得冬天,大家喜欢穿深色的衣服,一到夏天就穿浅色的衣服了。」
「对,对!」老爷爷点着头说,「在祖国的西北高原,有些高山顶上的雪,一年到头都不融化。
我们用飞机在山顶上喷撒煤灰屑。太阳一晒,冰雪化成水,流到山下灌溉庄稼,帮助农业获得更好的收成。」
【棉袄】 mián ǎo 綿入れ
【煤灰屑】 méi huī xiè 炭の粉
【收成】 shōu chéng 収穫
洗衣服为什么要擦肥皂 féi zào?
动脑筋爷爷洗着衣服。木盆里的水,好象有许多螃蟹在吐气似的,满是泡沫 pào mò。
老爷爷的臂 bì 上,沾 zhān 满了五颜六色的肥皂泡。
小问号问老爷爷:「洗衣服为什么要擦肥皂?」
老爷爷对小天真说:「你来说说。」
小天真说:「擦肥皂能够洗掉衣服上的脏 zāng 东西。」
「你只回答了一点,还没有说出为什么。」动脑筋爷爷说着,举起一双手,问:「这是什么?」
小问号和小天真一齐说:「肥皂泡!」
「对,肥皂溶在水里,就分做两队,一队进攻衣服上的脏东西,一队变做肥皂泡。
那些脏东西给攻得站不住脚,肥皂泡就把它们拉下来,使脏东西离开衣服,掉在水里。」
老爷爷接着说:「看,现在衣服还不十分清洁,再用清水把它漂洗一下,就干净了。」
「啊!」小天真说,「原来肥皂泡的用处不小!」
小问号说:「单是肥皂泡还不行,另一队进攻脏东西,功劳也不小。爷爷,对吗?」
老爷爷点点头。
【分做两队】 fēn zuò liǎng duì 2つのチームに分かれる
【给攻得站不住脚】 gěi gōng de zhàn bu zhù jiǎo (汚れが) 攻撃されて浮き足立つ
【功劳也不小】 gōng láo yě bù xiǎo (そのチームの) 働きも大きい
为什么烛火一吹就熄,炉火越扇越旺?
动脑筋爷爷讲了一个故事:给煤炉治病。
煤炉病了,火旺不起来。它不知道到底生的什么病。
火钳 qián 说:「你肚里的煤球堆得太结实,不通气。」
火钳就从炉门里往上通了几下,让空气流进炉里,火就渐渐旺了。
煤炉说:「谢谢你,请你告诉我,为什么这样就治好了我的病。」
火钳说:「炉里有了充足的空气,火才旺。可是,刚才你给煤球塞住了,空气流不进来,炉火就不旺啦!」
「让我把空气多送一些进去吧!」扇子摇动身体,哗哗地扇 shān 起来。
一会儿,炉火熊 xióng 熊,火舌撩 liāo 得高高的。
小问号提了个问题:「为什么烛火一吹就熄 xī ?」
老爷爷拿出一支蜡烛 là zhú,划 huá 根火柴点燃它,说:「蜡烛能够燃烧,是靠它身上的油、空气和热度。」
他轻轻把烛火一吹,吹灭了,又接下去说:「蜡烛火焰 yàn 小,我刚一吹,就把它的热度降得很低了,这样,火就熄了。」
小问号听了,说:「想不到生活里的一些问题,还有很丰富的知识哩!」
【烛火】 zhú huǒ ろうそくの火
【炉火】 lú huǒ ストーブの火
【煤炉】 méi lú 石炭ストーブ
【火钳】 huǒ qián 火バサミ
【从炉门里往上通了几下】 ストーブ口から上に何度か突ついて
【煤球】 méi qiú 豆炭
馒头蒸熟了,为什么会胀大?
馒 mán 头做好了。小天真说:「我来给馒头排队!」
他把馒头一只只地放进蒸笼里去,又说:「爷爷,小问号,你们看它们的 『队伍』 多整齐!」
「太挤了,」 小问号说,「馒头要透不过气了!」
老爷爷说:「对,我们把它们排开些,看蒸熟了怎样?」
馒头蒸熟了,一只只胀 zhàng 得很大,把空 kòng 着的地方挤满了。
小问号说:「馒头蒸熟了,为什么会胀大?」
小天真听了,想也不想就回答:「这是馒头受了热,就胀大了。」
小问号说:「可是,面粉加点水做成面团,蒸熟了不容易发胀,这是为什么?」
小天真被问住了。
动脑筋爷爷听着他俩的争论,只是笑,这时候才说:「馒头蒸熟了胀大,是酵母 jiào mǔ 变的戏法。
酵母是一种细菌,个子很小很小,人的眼睛看不见它。
它在潮湿的面团里生长繁殖 fán zhí,放出二氧 yǎng 化碳 tàn,面团就发酵胀大。」
小天真掰 bāi 开一只馒头,问:「馒头里怎么没有二氧化碳呢?」
「问得好,」动脑筋爷爷说,「二氧化碳是一种气体。馒头放在蒸笼上一蒸,二氧化碳受热发胀,
有的溶解在馒头里,有的跑了出去,留下一个个小洞洞。这样,馒头就变得又松又大啦。」
【蒸笼】 zhēng lóng せいろ
【要透不过气了】 yào tòu bu guò qì le 息が詰まってしまう
【排开些】 pái kāi xiē 少し間を空ける
【把空着的地方挤满了】 bǎ kòng zhe de dì fang jǐ mǎn le 空いていた隙間にぎっしり詰まっている
「把」は、「動作の場所」 を特定する介詞。
<用例>把信封贴上邮票。封筒に切手を貼る
<用例>把大门上了锁。門に鍵をかけた
「空着」ふさがっていない (没有被占用的地方或时间)
<用例>不好意思空着手去。手ぶらで行くのは具合が悪い
<用例>一点空儿都没有。少しの暇もない
【面粉】 miàn fěn 小麦粉
【面团】 miàn tuán 練り粉
【酵母】 jiào mǔ 酵母 (イースト yeast)
【二氧化碳】 èr yǎng huà tàn 二酸化炭素
【发酵胀大】 fā jiào zhàng dà 発酵して膨らむ
【留下一个个小洞洞】 liú xià yí ge ge xiǎo dòng dong 小さな穴をあちこち残していく
夏天,饭菜为什么容易馊?
动脑筋爷爷要带小问号、小天真,去参观最小最小的生物园。
小问号问:「这些生物小得怎样?」老爷爷回答:「很小很小。」
小天真又问:「生物园离这里远不远?」老爷爷回答:「很近很近。」
推开了门,动脑筋爷爷说:「最小最小的生物园到了!」
这个生物园,没有铁笼、木栅 zhà、水池,有的是瓶瓶罐罐、小盒子……这次小天真不嚷了,静静地等着「参观」。
老爷爷带他俩到一架显微镜旁边,先叫小天真往下看去。
「这小小生物园里的『生物』不少!」
小天真嚷了起来,「它们有的像皮球,有的像木棍,有的单个儿,有的连着,挤来挤去,多么奇怪!」
他让给小问号看……
老爷爷说:「空气里,水里,都有许多细菌。小问号的一个问题:夏天饭菜为什么容易馊 sōu?
就是空气里的酸败细菌在作怪。酸败细菌欢喜暖热,欢喜吃营养丰富的东西,它们一落到饭菜里,就大量繁殖。」
「酸败细菌有股馊味吧?」小天真问。
「不,这是细菌吃了东西后放出来的,同时细菌还放出毒素来。
人们吃了馊了的饭、菜,常常会肚疼、呕吐、拉肚子。你们说说,有什么办法使吃剩的饭菜不馊?」
「我知道,」小天真抢着说,「把饭菜再蒸一下,就不容易馊了。爷爷,是不是细菌给蒸死了?」
动脑筋爷爷点点头:「小天真说得对!」
【容易馊】 róng yì sōu 腐りやすい
【铁笼】 tiě lǒng 鉄の檻 (おり)
【木栅】 mù zhà 木の柵 (さく)
【单个儿】 dān gèr 独りぼっち
【酸败细菌】 suān bài xì jūn 腐敗菌
【作怪 】zuò guài いたずらする
【有股馊味】 yǒu gǔ sōu wè 腐った匂いがする
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【口語訳】
機関車は駅に入って来ると、ゆっくりと動きを止めました。
ホームでは、小真が人混みの中をあちこち探し回っています。でも、明白先生の姿は見当たりません。
小真は列車の先頭まで走ってくると、真っ黒で大きな機関車にすっかり魅せられてしまいました。
十数両の客車を引張り、何百キロも走ってきたのに、まるで何事もなかったように、澄まして鋼鉄のレールに鎮座しているのです。
「小真!」小問が呼びました。
小真は顔を上げると、小問と明白先生に駆け寄り、大声で言いました。「先生、どうして機関車の力は、こんなに強いの?」
「小真ったら」小問が言いました。「先生は汽車を降りたばかりなのよ。それなのに質問ばっかりして!」
「違うよ、ぼくは……」小真は決まり悪そうに、言葉を呑み込みました。
先生は言いました。「小真が、こんな風に何でも質問しようとするのは、いいことだよ。
わしも長い間留守にしていたから、小問も、たくさん質問があるだろう?」
小問は、ポケットから紙を取り出しました。紙には質問が書いてあります。小問はそれを先生に渡しました。
小真もポケットを探りましたが、何も出てきません。小真は言いました。「先生、ぼくも質問があるんだけど、家に忘れてきちゃった。」
「慌てなくていいよ。」先生は笑います。「明日2人でわしの家へおいで!」
どうして機関車の力は、こんなに強いの?
先生が留守の間に、小真がやってきました。ストーブの上で、ヤカンの水が沸騰しています。
水蒸気がヤカンのフタを持ち上げたので、小真はフタを閉め直しましたが、しばらくすると、フタはまた持ち上げられてしまいます。
「へえ、水の力って強いんだな!」小真は言いました。
「水じゃないわ」小問が、ちょうどやって来て言いました。「水蒸気よ!」
「水蒸気は、水が姿を変えたんだもの。水と水蒸気は、同じさ!」小真が、顔を赤くして言いました。
「同じじゃないよ!」先生が帰ってきました。「水は、ヤカンのフタを持ち上げられないが、水蒸気は持ち上げられる。
それぞれ性質が違うんだ。それに、大きさだって違う。
ヤカン1つ分の水が全部水蒸気になったら、1650個以上のヤカンがないと入りきらないんだ!
考えてごらん、水蒸気の大きさは水の何倍かな?」
「ということは、ヤカンの中の水蒸気は、ヤカンの中にいられなくなって、必死に外へ飛び出そうとして、フタを持ち上げたってこと?」
小問が尋ねました。
「そうだよ。機関車の力があんなに強いのは、その水蒸気の力のおかげなんだ!」先生が言いました。
「きっと機関車の中には、大きなヤカンがあるんだね。ヤカンが大きくないと、水蒸気のあの力は出せないもの!」小真が言いました。
「そうだよ、機関車の中には水を入れる物がある。ボイラーと言うんだ。
ボイラーの中の水蒸気が機械を動かして、列車の車輪を回している。そうして列車は走るんだ。」
先生は、小問を見て尋ねました。「まだ他にも質問があるかい?」
「あるわ。ボイラーの中の水が全部水蒸気になっちゃって、水がなくなったらどうするの?」
「そんなの簡単さ。水がなくなったら、足せばいい。」小真が横から言いました。
「ぼく、列車に水を補給してるのを見たことあるよ。」
「列車が砂漠を走っていて、ずっと水がなかったら?」小問は、さらに質問します。「小真、どうしたらいいと思う?」
小真が答えられないので、先生が答えました。「水の少ないところでは、違う種類の機関車を使うんだ。
電気で動くもので、電気機関車と言うんだよ。もう1つディーゼルオイルを燃やすのもあって、内燃機関車と言うんだ。」
船はどうして水に浮くの?
小問は、小さな玉がいっぱい入った袋を持って、小真に言いました。
「手で重さを量ったりせずに、鉄の玉と木の玉をすぐに選り分けられる?」
小真は言いました。「そんなの簡単さ!」小真は袋を受け取ると、水の入った洗面器にバラバラと玉を入れました。
鉄の玉は底に沈みましたが、木の玉は浮かびました。
「こんなことも知らなかったの?」小真は、得意になって言いました。「鉄は重いけど、木は軽いだろ。」
「じゃあ聞くけど」小問が言いました。「汽船は鉄で出来てるのよ。大きくて重いのに、どうして水に浮くの?」
「それは……」小真は、目をぱちくりさせて、答えられなくなりました。
二人は、明白先生に聞きに行きました。先生は言いました。「ちょっとした実験をして見せよう。」
そうしてお菓子を包む銀紙を1枚取り出すと、小さく丸めて水の中に入れました。
銀紙の玉は、「ぽとん」と底に沈みました。小真はそれを見て言いました。「銀紙は鉄と同じだよ。重いもの。」
先生は何も言わずに、銀紙の玉を取り出して水を拭くと、船の形に折りました。
銀紙の船は水に浮かび、息を吹きかけるとゆらゆら走り出しました。
「見たかい?」先生が言いました。
「同じ銀紙で、同じ『重さ』のはずなのに、丸めて玉にして、小さくすると、水の底に沈んでしまう。
ところが船の形に折って、大きくすると、水の中に占める嵩(体積)が大きくなるので、水の上に浮かぶんだよ。
汽船は鉄で出来ていて、とても大きいけれど、中身は空っぽだ。だから水に浮くんだよ。」
「農村で使うセメントの船が浮かぶのも、同じ理屈ね!」小問が言いました。
先生は、頷きました。
飛行機はどうして飛ぶの?
明白先生は、小さな飛行機を地面に置きました。
先生がエンジンをかけると、飛行機の前についているプロペラがすぐに回り始め、前に走り出しました。
「先生」小真は、せっかちに尋ねます。「先生の飛行機はどうして走るばかりで、飛ばないの?」
明白先生は、笑いながら首を横に振りました。小問が言いました。
「知ってる。飛行機は飛ぶ前に、しばらく滑走路を走らなきゃいけないのよね。でも不思議だわ、飛行機はどうやって前に進むの?」
「飛行機にはエンジンがついている。エンジンがプロペラを回すんだ。」先生は答えました。「プロペラが回ると、飛行機を前に進めるんだよ!」
「飛んだ!」二人の子どもは飛行機が飛びあがるのを見て、声をそろえて叫びました。
飛行機は、ぐるぐると旋回しながら、飛び続けています。
先生は続けて言いました。「飛行機が前に進むと、翼の上と下にある空気が後ろへ流れて行く。
飛行機を作る技術者は、いろいろな知恵を絞って、翼の上側にある空気が、下にある空気より速く流れるようにするんだよ。
そうすると、下にある空気が飛行機を持ち上げて、飛行機は空へ舞い上がることができるんだ。」
これを聞いて、小問と小真にも、飛行機がどうして飛べるのか分かりました。
綿入れを着ると、どうして暖かいの?
小真が笑い話をしました。「ある日、とても寒かったから、お母さんが弟に綿入れを着せたんだ。
それから尋ねた。『坊や、寒い日はどうして綿入れを着るのかな?』
弟は言ったよ。『そんなことも分からないの?綿入れには綿が入ってるでしょ、綿が熱を出すんだよ!』
そう言うと、走って行っちゃった。弟は、綿入れを着たらどうして暖かいのかなんて、知ろうともしなかったんだ。
でも夏になって、弟は綿入れでアイスキャンディーをくるんでる人を見た。
そして驚いて叫んだよ。『うわあ、アイスに綿入れなんか着せたら、熱くなって溶けちゃうよ!』」
小問はここまで聞くと、堪え切れずに笑い出しました。
先生が尋ねました。「言ってごらん、どうして冬には綿入れを着るのかな?
どうしてアイスキャンディーは綿入れでくるむと溶けにくくなるのかな?」
小問は、少し考えて言いました。
「綿入れの中の綿はふわふわしていて、中にはたくさんの空気を蓄えてるから、体から出る熱を逃がさない。
だから私たちは寒くないんだわ。
綿は、自分で熱を出さないけれど、熱を伝えにくい。アイスキャンディーは……」小問は、後が続かなくなりました。
明白先生が続けていいました。「アイスキャンディーを綿でくるむのも、やはり熱を伝えにくい性質を利用しているんだよ。
外部の熱を中に伝えないから、アイスキャンディーも溶けにくくなるんだ。」
小真は頭を掻き掻き言いました。「ぼくは、人間が綿入れを着ると暖かいってことしか知らなかったよ。
アイスキャンディーが綿入れを着ると、どうして溶けにくくなるか、今やっと分かった。」
どうして冬は濃い色、夏は薄い色の服を着るの?
「先生」小問が言いました。「私、白い綿入れって見たことないんだけど、どうしてかしら?」
小真が顔を上げて見ると、確かに三人が来ている綿入れは、みんな濃い色でした。
小真は心の中で思いました。小問って本当に注意深いなあ、どうしてぼくは、そのことに気付かなかったんだろう!
明白先生が言いました。「寒い日と暑い日で、人々の着る洋服の色の濃淡が違う。これにはちゃんと訳があるんだ。」
話しながら、先生はちょっとした実験をして見せてくれました。先生は2枚のハンカチを取り出します。
1枚は黒、もう1枚は白で、中には氷を1個ずつ包み、日差しの下に置いておきました。
しばらくして広げてみると、おや、黒いハンカチの中の氷はなくなって、水になっています。
白いハンカチの中の氷は、まだ少し残っていました。
「不思議だなあ!」小問と小真は声を上げました。
先生が言います。「黒い色は、白い色より太陽の熱を吸収しやすいんだ。だから黒いハンカチで包んだ氷は、先に水になったんだよ。」
小真が言いました。「黒いものは白いものより熱を吸収しやすいんだね。
道理で、冬にはみんな濃い色の服を着ようとするし、夏になったら薄い色の服を着るわけだ。」
「そう、そういうこと!」先生は頷いて言いました。
「中国西北部の高原には、いくつもの高い山々があって、頂上に積もった雪が一年中解けないんだ。
そこで、飛行機から山頂に炭の粉を撒く。太陽が照らすと雪が解けて水になり、山のふもとへ流れて畑を潤してくれるんだよ。
そうすると、農作物の収穫がもっと増えるんだ。」
洗濯をする時は、どうしてせっけんをつけるの?
明白先生は、洗濯をしています。たらいの中の水は、たくさんのカニがあぶくを吹いたように泡だらけです。
先生の腕には、色とりどりに光るせっけんの泡がいっぱいくっついています。
小問が先生に尋ねました。「洗濯をする時は、どうしてせっけんをつけるの?」
先生は、小問に言いました。「どうしてだと思う?」
小真が言いました。「せっけんをつけると、洋服の汚れを落とせるからだよ。」
「それは1つの答えだけど、理由を言ってないよ。」明白先生はそう言うと、両手を上げて尋ねました。
「これは何だい?」
小問と小真は声をそろえて言います。「せっけんの泡!」
「そうだ。せっけんは水に溶けると、2つのチームに分かれるんだよ。
1つのチームは洋服についた汚れを攻撃し、もう1つのチームは泡に変わる。
汚れが攻撃されて浮き足立つと、泡たちが汚れをひきずり落とす。汚れを洋服から引き離して、水の中に落とすんだ。」
先生は続けて言いました。「見てごらん、今のままでは洋服はまだ十分きれいになっていない。
きれいな水でもう一度すすげば、きれいになるよ。」
「へえ!」小真が言いました。「せっけんの泡って、そんなに役に立つものだったんだ!」
小問が言いました。「泡だけでは役に立たないわ。
もう1つのチームだって、汚れを攻撃するんだもの、そっちの働きも大きいわ。先生、そうでしょう?」
先生は頷きました。
ろうそくは吹くとすぐ消えるのに、なぜストーブの火は扇ぐと勢いが増すの?
明白先生がお話を一つしてくれました。『石炭ストーブの病気治療』です。
石炭ストーブが病気になりました。火の勢いが、ちっとも強くならないのです。
一体どこが悪いのか、ストーブには分かりません。
火バサミが言いました。「君のお腹は豆炭を詰め過ぎなのさ、空気が通らないんだよ。」
火バサミはストーブの口から、上に何度か突っついて、空気がストーブの中に流れ込むようにしました。
すると火は、だんだん勢いよく燃えてきました。
ストーブが言いました。「どうもありがとう。教えておくれ、どうして今のやり方で、ぼくの病気が治ったんだい。」
火バサミが言いました。「火が勢いよく燃えるためには、ストーブくんの中に充分な空気がなければダメなんだ。
でも、さっきは豆炭にふさがれて、空気が流れて行けなかった。だから火の勢いが弱かったんだよ!」
「私がもっとたくさん空気を送り込んであげるわ!」うちわが体を揺すって、パタパタと扇ぎ始めました。
しばらくすると、ストーブの火はボウボウと燃え、炎が高く上がりました。
小問が質問しました。「どうしてろうそくは、吹くとすぐ消えるの?」
先生はろうそくを1本取り出し、マッチを擦って火を点けると言いました。
「ろうそくが燃えるのは、ろうそく自身の油と、空気と熱があるからだよ。」先生はそっとろうそくの火を吹きました。
火が消えると、話を続けます。
「ろうそくの炎は小さいから、ちょっと吹くだけで、熱は急激に下がってしまう。すると火はすぐに消えるんだ。」
小問はそれを聞くと、言いました。「知らなかったわ。普段の暮らしの中の出来事にも、たくさんの知識が隠れているのね!」
マントウを蒸すと、どうして膨らむの?
マントウ〔訳注:中国の蒸しパン『饅頭』〕を蒸す準備ができました。
小真が言います。「ぼくがマントウをきれいに並べてあげる!」
そして1つ1つセイロの中に入れると、言いました。「先生、小問、見てよ。この『部隊』はビシッと整列してるでしょ!」
「詰めすぎよ。」小問が言いました。「マントウだって息が詰まっちゃうわ!」
先生も言いました。「そうとも、もう少し間を空けよう。蒸し上がったら、どうなるかな?」
マントウが蒸し上がりました。一つ一つが大きく膨らんで、蒸す前は空いていた隙間にぎっしり詰まっています。
小問が言いました。「マントウを蒸すと、どうして膨らむの?」
小真はそれを聞くと、ろくに考えもせずに答えました。「マントウを熱くしたから、膨らんだのさ。」
小問が言います。「でも、小麦粉にただ水を加えてこねたものを蒸したって、そんなに膨らまないわ。どうして?」
小真は答えられなくなりました。
明白先生は二人のやり取りを聞いて笑っているだけでしたが、この時ようやく口を開きました。
「マントウを蒸すと膨らむのは、酵母のマジックだよ。酵母は細菌の一種で、とてもとても小さい。
人間の目では見えないんだ。酵母は、水分を加えてこねた小麦粉の中で繁殖し、二酸化炭素を出す。
すると、小麦粉の塊は発酵して膨らむんだ。」
小真はマントウを一つ割ってみて、尋ねました。「マントウの中に二酸化炭素なんて見当たらないよ?」
「いい質問だね。」明白先生が言いました。「二酸化炭素は気体なんだ。
マントウをセイロの中に入れて蒸すと、二酸化炭素も熱せられて膨張する。
一部はマントウの中に溶け込むが、一部は外へ逃げ出して、ポチポチ小さな穴だけ残していく。
こうしてマントウはフワフワになるし、大きく膨らむんだ。」
夏にごはんやおかずが腐りやすいのはどうして?
明白先生が、小さな小さな生き物たちがいる生物園の見学に、小問と小真を連れて行くことになりました。
小問が尋ねます。「その生き物たちって、どのくらい小さいの?」
先生が答えます。「すごーく小さいよ。」今度は小真が聞きます。
「生物園ってここから遠い?」先生がいいます。「すぐ近くだよ。」
先生は、ドアを開けると言いました。「小さな小さな生物園に到着だ!」
この生物園には鉄の檻や木の柵、プールもありません。
あるのはビンや缶、小さな箱……今回は小真も叫んだりせず、静かに「見学」するのを待っています。
先生は二人を一台の顕微鏡のところへ連れて行き、まず小真に、覗いてみるように言いました。
「こんなちっちゃな生物園なのに『生き物』がいっぱいいる!」
小真は叫び出しました。「ボールみたいなのや棒切れみたいなの、独りぼっちのや、いくつもつながっているのが、
押し合いへし合いしてるよ、不思議だなあ!」小真は、小問にも見せてあげます……
先生が言いました。「空気の中にも水の中にも、たくさんの細菌がいるんだよ。
小問が、夏に食べ物が腐りやすいのはどうしてかって質問していただろう?
それは空気の中にいる腐敗細菌のいたずらだ。腐敗細菌は温かい場所が好きで、栄養の豊富な物を好んで食べる。
だから、ごはんやおかずの中に落ちると、大量に繁殖するんだよ。」
「腐った匂いは腐敗細菌の匂いなの?」小真が尋ねました。
「いいや。匂いは細菌が栄養分を食べた後に出すものなんだ。同時に、細菌は毒素も放出する。
人間が腐ったごはんやおかずを食べると、お腹が痛くなったり、吐いたり、下痢をすることがよくある。
でも知ってるかい?食べ残したごはんやおかずを腐らせない方法はあるかな?」
「ぼく知ってる。」小真が急いで答えます。
「ごはんやおかずをもう一度蒸すと、腐りにくくなるんだ。先生、蒸して細菌を殺すんでしょう?」
先生は頷きました。「小真の言う通りだよ!」