2月17日     サインはV     1969年  (昭和44年)       ドラマ傑作選
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かつての日本では、人気テレビドラマの放映時間には銭湯(お風呂やさん)がガラガラになったという。

そのひとつが、岡田可愛、中山麻里のお元気ふたり娘が主役を張ったテレビドラマ「サインはV」である。


1964年にアジア地域で初めて開催された「東京オリンピック」

多くの種目の中でも、もっとも国民の注目を集めたのは、女子バレーボールだった。

1960年代初頭、世界の女子バレーボールの頂点に立っていたのは、背も高く、パワーも男まさりの強いソ連チーム。


この「難攻不落」ソ連チームに敢然と立ち向かった男がいた。ニチボー貝塚の大松博文監督である。

選手を女性とも人間とも思わない、過酷なスパルタ式練習を見て、世間は「鬼の大松」と呼んだ。


バレーの決勝で、日本女子はソ連チームの強烈なスパイクに対して、回転レシーブで拾いに拾いまくった。そして勝った。




女子選手たちはその瞬間、大松監督のもとに駆け寄り、初めてテレビの前で泣きじゃくった。

もはや、ふつうの若い女性の姿だった。そして、「東洋の魔女」伝説が生まれた。

「サインはV」は、こうしたバレーボール・ブームの真っただ中で制作されたのである。



                        




物語は、ヒロイン、朝丘ユミ(岡田可愛)がバレーの練習中に起きた姉の死を乗り越え、コーチやチームメートとともに世界を目指していく姿を描いている。

実写であるにもかかわらず、登場する技(必殺技)が派手。「X攻撃」は、二人が同時に飛んで交差した時点で一人がスパイクするという必殺技。


「稲妻落とし」は、主人公の朝丘ユミが後ろ向きになってサーブを上の方にうち、相手コートで球がガクンガクンといなびかりのように変化して落ちてくる。

さらにすごいのは、球が空中で一瞬止まる、というものも出てくる。


最終回近くの日本選手権で朝丘ユミのチームは優勝、世界大会に出るための全日本チームの中核となる。

ラスト、世界選手権に旅立つメンバーたちの笑顔とVサインが印象的だった。



(制作)TBS、東宝(原作)神保 史郎、望月あきら(脚本)加瀬高之

(配役)朝丘ユミ(岡田可愛)牧圭介(中山仁)椿麻理(中山麻理)ジュン・サンダース(范文雀)松原かおり(岸ユキ)

久保田さち子(青木洋子)小山チイ子(小山いく子)岡田きみえ(和田良子)泉洋子(泉洋子)朝丘ミヨ(西尾三枝子)
朝丘志津(三宅邦子)立木大和・社長(十朱久雄)



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                    サインはV