2000年代 J-POP


2000年(平成12年)倖田來未デビュー。2001年(平成13年)BoA、EXILEが相次いでデビュー。

avexから「ポスト・浜崎あゆみ」を担う看板アーティストが次々に輩出した。

以後、avex所属アーティストが日本レコード大賞、ベストヒット歌謡祭グランプリなど各賞を総ナメにすることになる。

またTV番組の主題歌からサザンオールスターズの「TSUNAMI」(2000年)、福山雅治の「桜坂」(2000年)など記録的なメガヒットが生まれた。

その一方、ブロードバンドの普及により、CDヒットチャートは90年代の空前ともいえる活況ぶりから一転して、次第に沈静化した動きを見せはじめる。


2001年にはCHEMISTRYが「ASAYAN」から誕生し、男性R&Bシーンを築いた。

また、モンゴル800や175R、川嶋あいといった、インディーズからのミュージシャンが、チャート上位に頻出するようになった。

同時に、 ゆず、19(ジューク)、コブクロなど、フォークデュオがブームになり、ストリートミュージシャンが急増する。

さらに、森山直太朗、河口恭吾、ケツメイシなど「桜」をテーマにした楽曲のヒットが続き、「桜ソング」は音楽の一つのジャンルになった。


演歌部門では、2000年(平成12年)コロムビアから氷川きよしがデビュー。

外見はアイドルタレントのようではあるが、礼儀正しく歌唱力もあり「演歌界の貴公子」と呼ばれた。


アイドル部門では、(1999年)、KAT-TUN(2001年)、NEWS(2003年)、修二と彰(2005年)など男性グループの世代交代が進む中、Perfume(2005年)、AKB48(2005年)、SKE48(2008年)など、

女性アイドルグループが次々とブレイクを果たした。


また2003年(平成15年)前後から「冬のソナタ」など韓国ドラマが放映されるようになり、韓国芸能全般に対する人気が高まってブームが形成された。

各メディアによって韓国の音楽が盛んに紹介され、その影響から日本に進出する韓国人歌手が現れた。

2005年(平成17年)avexから韓国出身の5人組男性ボーカル・グループ「東方神起」(とうほうしんき)デビュー。

同グループは2008年(平成20年)年末、日本レコード大賞優秀作品賞受賞とNHK紅白歌合戦出場を経て一躍トップシンガーの仲間入りを果たした。

東方神起のブレイクに続き、2000年代末から2010年代初期には、「BIGBANG(ビッグバン)」「KARA(カラ)」「少女時代」など、K-POPと呼ばれる韓流グループが次々に日本で活動を開始した。







2010年代 J-POP


2010年代は、アイドルグループとその他アーティストとの売り上げの格差が大幅に拡大した。

AKB48がCDに握手券を付けるなど、特定の客層を囲い込む戦略により、オリコンチャートで存在感を示した。


その後もAKB48は姉妹グループを拡大。AKB48公式ライバルとして、2012年02月「乃木坂46」がデビュー。

そして乃木坂46の姉妹グループとして、2016年04月「欅坂46」がデビュー。

さらにその欅坂46のアンダーグループとして活動していた「けやき坂46」が名前を改め、2019年03月「日向坂46」としてデビュー。いずれのグループもヒットを重ねている。


また、2010年02月にデビューした「でんぱ組.inc(でんぱぐみインク)」は、オタクアイドルグループとして各ロックフェスに出演。

さらに2010年05月にデビューした「ももいろクローバーZ」は、2012年から3年連続で紅白出場を果たすなど、2010年代の音楽シーンはアイドルによって支えられた側面が大きい。



ジャニーズ事務所からは、2011年08月「Kis-My-Ft2(きすまいふっとつー)」2011年11月「Sexy Zone」2012年02月「A.B.C-Z(えーびーしーずぃー)」2014年04月「ジャニーズWEST」。

2018年05月「King & Prince(きんぐあんどぷりんす)」など「かっこいいイケメン」や「美形・キラキラ」といった従来のジャニーズアイドル的グループが相継いでデビューした。

2016年12月には、惜しまれながらも「SMAP」が解散した。彼らは1991年09月デビューということで、25周年の節目を迎えての解散となった。



2010年代中盤から急速な流行を見せた「EDM(エレクトロニックダンスミュージック)」という音楽ジャンルがある。

主としてクラブなどで流行した踊れる音楽だが、そんなEDMを、一般のお茶の間に届けたのが、2010年11月デビューの「三代目 J Soul Brothers」である。

2014年06月リリースの「R.Y.U.S.E.I.(リュウセイ)」は、分かりやすいキャッチーなダンスで大流行したが、同時にEDMという目新しい音楽ジャンルを世間に浸透させた側面もある。



2015年以降は、全般的に低迷傾向となったCDやダウンロード販売に代わり、ストリーミングによる音楽配信が普及した。

また、動画サイト「YouTube」に、ミュージックビデオが公式アップロードされることも一般的となり、音楽プラットフォームとしての地位を高めている。


2010年代以降、CD年間売上ランキングのTOP20は、ほぼアイドルで占められていたが、2017年以降、オリコンは、ダウンロード及びストリーミングによるランキング表示を開始した。


シンガー・ソングライター・あいみょんが2018年08月リリースした楽曲「マリーゴールド」が、2019年06月にストリーミング再生一億回を突破。

こうした状況から売り上げの明確な指標はまだ定まっていないものの、楽曲のヒット基準も「売れた枚数」から「聴かれた回数」に変わりつつある。


これは「CD売上=楽曲人気」という図式からの脱却であり、若年層を中心に価値観が変化、音楽が「所有するもの」から「共有するもの」になったと捉えることができる。