朱唇(べに)いまだ消えず 1949年(昭和24年) 邦画名作選 |
孝子は二十歳で夫を亡くしてから、ひとり娘の君子と二人で暮らしている。
ある日、孝子が勤めるバーに、初恋の男・間宮利夫が偶然姿を見せた。
間宮も妻子ある身であったが、二人はその日以来、頻繁に会うようになった。
そんな時、孝子の娘・君子は、アルバイト学生の谷川という青年と将来を誓いあっていた。
だが孝子は、自分と同じ苦しい生活はさせたくないと、二人の結婚を許すことが出来なかった。
妻子ある間宮と、未亡人孝子が、お互いの孤独を埋めるように惹かれ合っていく。
許されぬ恋と知りつつも、忘れられない想いが静かに激しく燃え上がってしまう。
十九年振りに運命の再会を果たした男女の道ならぬ恋を描いたメロドラマ佳編。
高杉早苗は、同期の桑野通子とともに、1934年(昭和9年)松竹に入社。
洋装の似合うモダンガールの先駆けとして一世を風靡した美人女優である。
人気絶頂の昭和13年、結婚して引退。本作は、十年ぶりに復帰した作品。
年齢相応に、バーのマダム役を演じるも、その「明眸」はいまだ消えず。
製作 松竹
監督 渋谷実
配役 | 間宮利夫 | 佐分利信 | 木島君子 | 久我美子 | ||||||||
間宮咲江 | 杉村春子 | 谷川 | 佐田啓二 | |||||||||
木島孝子 | 高杉早苗 | 富枝 | 高橋とよ |