坊っちゃん   1970年(昭和45年)       ドラマ傑作選

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一本気な江戸っ子教師・坊っちゃん(竹脇無我)は、はるか南国の松山に赴任した。

ところが、そのあまりに鄙びた片田舎の風情にがっかりする。


さっそく放課後に学校を訪れてみたが、そこで数学の教師・堀田(田村高広)を

小使いさんと間違えたことから、ケンカになってしまう。



ドラマの第一回は、主人公・坊ちゃんが松山の中学に着任するいきさつが描かれる。






登校初日の坊ちゃんが、校長(松村達雄)をタヌキ、教頭(米倉斉加年)を赤シャツ、

先輩教師の堀田(田村高広)を山嵐と、ニックネームをつけるくだり、生徒たちから

温泉で泳いだことを、さっそく黒板に書かれるエピソードなど、着任早々

波乱含みの幕開けとなる。


全体に目につくことは、松山ロケのシーンをはじめ、画面に明治の風物詩をふんだんに

盛り込んで、原作に忠実に丁寧に作られている。


坊ちゃんに扮する主演の竹脇は、やや二枚目に成り過ぎていて、明治青年のバンカラ、

威勢のいい江戸っ子さに欠けるうらみがあるが、まずまず無難な出来といえる。


マドンナに扮する山本陽子は、漱石文学に描かれている誇り高い女性像を演じて適役。



(制作)NTV(日本テレビ)松竹(原作)夏目漱石(脚本)須崎勝弥

(配役)坊っちゃん(竹脇無我)マドンナ(山本陽子)山嵐(田村高広)赤シャツ(米倉斉加年)

野だいこ(牟田悌三)うらなり(小松政夫)タヌキ(松村達雄


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