花嫁の寝言 1933年(昭和8年) 邦画名作選 |
新婚早々の小村(小林十九二)は、花嫁の寝言がなんとも可愛らしいと自慢する。
やっかんだ悪友たちは「どんな色っぽい寝言か聴いてやろう」と小村の家に押しかける。
新婚の花嫁が、甘い寝言を言うと噂に聞いて、花婿の悪友どもが新婚家庭に
徹夜で泊まり込む、という五所平之助監督のエロティシズム・タッチの喜劇。
花嫁を演じる田中絹代の鼻にかかった甘い声を聞きたさに、押し寄せたファンで
本作は大当たりとなった。
当時の彼女の人気は、こういった誰もが、嫁さんに欲しいと思うような可愛さ、
と親しみやすい明るさにあった。
ちなみに二年後の1935年、本作の続編として「花婿の寝言」が公開された。
このときは、花婿を長谷川一夫、花嫁を川崎弘子が演じた。
夫が出勤後に、妻がいつも昼寝している事が発覚し、離婚騒ぎになるのだが、
実は、夫の寝言で、夜眠れなかったというオチである。
製作 松竹
監督 五所平之助 原作 湯山東吉
配役 | 会社員小村 | 小林十九二 | 隣りの内儀 | 飯田蝶子 | |||||||||
花嫁春子 | 田中絹代 | ダンサー夏子 | 逢初夢子 | ||||||||||
落第生斎田 | 斎藤達雄 | バーの女給 | 水久保澄子 | ||||||||||
落第生江夏 | 江川宇礼雄 | 泥棒 | 坂本武 |