にんじんの詩 1972年(昭和47年) ドラマ傑作選
俊介(宇津井健)は、下着会社の営業課長。
六年前に病死した妻の遺言を守って、三人の義妹(小川真由美、梓英子、吉沢京子)
の面倒を見ながら暮らしている。
朝ねぼうの三人の妹たちを起こすことから俊介の一日は始まる。
おまけに三人とも家事はまるでダメなのだ。
実家の父(笠智衆)は「死んだ女房の実家にいつまでメメしくいるつもりだ」と、
心配でしかたない様子だ。
「だいこんの花」に続く「野菜シリーズ」第二弾。
妻の遺言を守り、必死になって三姉妹を社会へ旅立たせた男の物語。
ある時、俊介の大学時代の親友・昇(杉浦直樹)が九州から転勤して来た。
女ばかりの中で辟易としていた俊介は、さっそく昇を居候させる。
昇は、義妹たちの言いなりになっている俊介を嘆き「態度のデカい女たちを
たたき直してやる」と大見栄をきる。
が、敵もさるもので、ネグリジェで家の中をうろうろするお色気作戦に出る。
昇はあっけなく完敗、そのうえ典子(小川真由美)にホレてしまい、こっそり
部屋に通う始末だ。
「ザ・ガードマン」の大ヒットでアクションスターのイメージが定着した宇津井健が、
初のホームドラマにチャレンジして新境地を開拓した作品。
本作では、病死した妻の遺言を守り、三人の義妹たちを立派な社会人に育て上げるという
誠実で温かみのある役柄を好演し、後の「赤い」シリーズ主演の先駆けとなった。
(制作)NET(テレビ朝日)(脚本)松本ひろし、向田邦子
(主題歌)スリー・グレイシス「にんじんの詩」
(配役)出島俊介(宇津井健)神山典子(小川真由美)神山美沙子(梓英子)神山葉子(吉沢京子)
山本昇(杉浦直樹)俊介の父親(笠智衆)俊介の母親(夏川静枝)