自動車修理工場を経営する圭三に、元華族の令嬢・泰子との縁談が持ち上がる。
乗り気でなかった圭三だったが、泰子に会った途端、その美しさに一目惚れ。
かくして、ふたりのぎこちなくも微笑ましい交際が始まった。
しかし、彼女の家は莫大な借金を抱えており、この縁談は家庭の窮乏を救うためだった。
しかも泰子に戦死した許嫁のあった事を知った石津は、失意の余り、自分の田舎へと向かう。
没落した上流階級の令嬢と、戦後に台頭した成金男の恋を描いたロマンティック・コメディ。
原節子の格調高い美しさ、佐野周二の男気溢れる存在感、主演の二人が身分を超えた愛を爽やかに綴る。
戦争直後の日本だが、そこには間違いなく明日への希望と光に満ちた輝かしさが感じられる。
この作品は、都会派喜劇の名手として名を馳せた木下恵介ならではの真骨頂である。
製作 松竹
監督 木下恵介
配役 | 石津圭三 | 佐野周二 | 佐藤専務 | 坂本武 | ||||||||||
池田泰子 | 原節子 | バーのマダム | 村瀬幸子 | |||||||||||
五郎 | 佐田啓二 |
昨日町で会った 可愛い娘さんの 胸に咲いた花 紅い恋のバラ | |||
だけど頬の色は バラよりも紅く 軽い足取りで 歌を歌っていた | |||
ああ 我が 生命の思い出 ああ 我が 生命のあこがれ | |||
紅い恋のバラが やさしく開いて 春のそよかぜが 吹いてきたよ | |||
(木下忠司 作詞・作曲、灰田勝彦・若原弓子 歌) | |||