男の哀愁 1951年 (昭和26年) 邦画名作選
小島正夫(鶴田浩二)と太田新平(高橋貞二)は、城南大学に通う親友同士。
二人の下宿先の娘・君子(桂木洋子)は、誠実な小島に密かに思いを寄せていた。
小島は金持ちのお坊ちゃんだが、太田は化粧品の外交販売のアルバイトをしている。
そんなことから二人は、化粧品店リラのマダム・すみ子(高杉早苗)と知り合う。
小島とすみ子は、同じく絵に興味があったことから、急速に親密になるのだった。
池田忠雄の脚本を、松竹メロドラマの名手・岩間鶴夫の演出で制作した青春恋愛ドラマ。
大学生・小島は、年上の美しい戦争未亡人・すみ子に恋愛感情を抱くようになる。
だが、パトロンが居るすみ子は、小島の純真な愛情に後ろめたさを感じるのだった。
やがてすみ子は、小島に思慕を寄せる下宿先の娘・君子の存在を知る。
純情一途な君子の姿を見て、すみ子は小島の前から潔く身を引くのだった。
鶴田浩二は、その生い立ちのせいか、普段でも少し影のある、一抹の男の哀愁のような
ものが漂っている俳優だった。
本作のタイトルも、おそらくそんな彼の雰囲気から付けられたものと思われる。
本作は、鶴田が「松竹新三羽鳥」として、佐田啓二、高橋貞二とともに、スター街道の
真っ只中にあった頃の作品である。
その新三羽鳥の相手役を務めたのが、鶴田に憧れる下宿の娘を演じた桂木洋子である。
1948年、木下恵介に認められ松竹歌劇から松竹入社。「肖像」に18歳で銀幕デビュー。
竹久夢二の絵の女性に例えられた可憐な美少女で「愛くるしさの自家中毒」と呼ばれた。
製作 松竹
監督 岩間鶴夫
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配役 |
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小島正夫 |
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鶴田浩二 |
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木村とよ |
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望月美惠子 |
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太田新平 |
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高橋貞二 |
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木村君子 |
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桂木洋子 |
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村川すみ子 |
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高杉早苗 |
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中野 |
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徳大寺伸 |
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木村善助 |
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河村黎吉 |
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ゆり子 |
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幾野道子 |