さらばラバウル  1954年(昭和29年)     邦画名作選

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太平洋戦争末期、ラバウル駐在の若林大尉は、部下に対して厳しい鬼隊長の名で鳴らしていた。

だが出撃ごとに激減してゆく戦友達。部隊の空気は日ごとにすさび、厳格な若林への反感がつのる。

ある日、若林は首尾良く敵機を撃墜し、落下傘で飛び降りた米軍兵を捕虜にするが…。




日本の南方航空基地ラバウルを舞台にした東宝特撮戦記映画。鬼隊長と呼ばれる若林大尉を軸に、
彼と看護婦すみ子のロマンスなどを織り込み、敗色濃い戦地の悲惨さを描いている。


戦争末期、ラバウルをめぐる攻防戦は凄惨を極めていた。次々と航空隊に架せられる使命。
過酷ともいえる出撃命令を物ともせず、基地を飛び立つ戦闘員。そしてまた一人一人戻らぬ戦友。

若林は、捕虜にした米軍兵から「防弾設備がなく、人命無視の設計が零戦の弱点」と指摘される。
衝撃を受けた若林は、戦友の救援に向かうのだが、帰投したときには、戦友はすでに息絶えていた。


撤退を余儀なくされ、従軍看護婦を乗せた輸送船が内地へ向かう。だが警報と共に現れた敵二機。
間髪を入れず飛びあがった若林だが、愛機の尾翼がけしとび、若林もまた海中に墜落する。

映画のラストは、戦死した男たちを弔う従軍看護婦たちの合唱「さらばラバウル」で閉じられる。





  製作  東宝

  監督    本多猪四郎   特撮監督  円谷英二

  配役    若林大尉 池部良 片瀬大尉 三国連太郎 伊藤亮 村上冬樹
      小松すみ子 岡田茉莉子 キム 根岸明美 清川二整曹 谷晃
      野口中尉    平田昭彦        道代    中北千枝子        ハイン大尉   ボッブ・ブース 

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