少女に何が起ったか 1985年(昭和60年) ドラマ傑作選
野川雪(小泉今日子)は、北海道の漁村で、母一人娘一人で暮らしている。
だが、不幸にも母親は病死してしまう。
母の死後、雪の前に、一人の謎の男(宇津井健)が現れる。
そして「亡き父は有名なピアニスト、そして祖父は東音楽大学の学長だ」と聞かされる。
雪は、出生の秘密を知るために上京し、東音楽大学の学長(松村達雄)の自宅へ向かう。
だが、戸籍の父親の欄は空白、他にも出生の証拠となるものは見つからなかった。
学長の計らいで、東家の使用人として働くことになった雪は、同時に東音楽大学へ特待生として入学。
だが、東音楽大学には、雪に対する様々な嫌がらせが待ち受けていた。
物語は、北海道の一漁村に育った薄幸の少女が、出生の秘密を確認するために上京。
持ち前のバイタリティと純真さを失わぬ心で、見知らぬ東京の生活に飛び込む。
そして青春のすべてをかけ、所期の目的を達成するという現代版シンデレラストーリー。
主人公・雪の周囲に神出鬼没する謎の男、雪を執拗にイジメぬく刑事(石立鉄男)
など、先の読めないミステリアスな展開が人気を呼び、お茶の間の話題を独占した。
とりわけ、深夜になると現れ、ピアノの練習をする雪に「この薄汚ねぇシンデレラ!!」
と脅す石立鉄男の怪演ぶりは、今でも名場面として語り継がれている。
ピアノの演奏シーンがドラマの重要なヤマ場だったが、ピアノの経験のないキョンキョンの
代役を立てない挑戦ぶりも、話題づくりにひと役かった。
(制作)TBS、大映(脚本)増村保造
(配役)野川雪(小泉今日子)野川文子(市毛良枝)東雪彦(風間杜夫)東雪雄(松村達雄)東美津子(賀来千香子)
東久之(長門裕之)東貴恵(岸田今日子)東節子(辺見マリ)東信之(柳沢慎吾)大津光三(辰巳琢郎)
川村刑事(石立鉄男)鈴木芳太郎(宇津井健)
ショパン「革命エチュード」 (Etude op.10-12
Revolutionary)