都会の横顔   1953年(昭和28年)     邦画名作選
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銀座の雑踏の中、母とはぐれて迷子になったミチコが泣いていた。

サンドイッチマンの上田(池部良)と靴磨きのトシ子(有馬稲子)は、ミチコの母を探すことにした。

ミチコを連れて歩く上田は、途中、バーの女と要領良くデートをする三等重役の牧さん(森繁久彌)と出会う。

ところが立ち話をしているうちに、ミチコは上田とはぐれてしまう。



池部良扮するサンドイッチマンと有馬稲子の靴磨きが、迷子になった女の子の母を探すというシンプルな物語。

銀座でのオールロケで、都会の街の表情と行き交う人々を素描したものだが、大勢の見物人が集まってしまい、
ロケ撮影は苦労の連続だったという。


撮影班を二手に分け、ダミーの撮影班が、テスト撮影で群衆を引き寄せておいて、地下道を通って道の反対側で
本番を撮る、といった離れ業も演じたらしい。


本作は「ただ銀座の風景が漫然と撮られているだけ」などと映画評論家(上野一郎)からは酷評されてしまった。

とはいえ、森繁や伴淳、トニー谷など当時の人気者が脇を固めており、タイトル通り都会的な洒落た持ち味を
発揮して、一般大衆には好評をもって迎えられた。



 
 
 製作   東宝

  監督   清水宏

  配役    上田 池部良 牧さん 森繁久彌
      とし子 有馬稲子 バーの女 丹下キヨ子
      ミチコ 熱海幸子 易者 伴淳三郎
      母親 木暮実千代 英会話教師 トニー谷

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