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【第四課 第三節】

急匆匆地人们,从地铁出口一批一批地走出,如同是从地下涌出来的浊浪。

白种人、黑种人、黄种人、棕种人、… 来自世界各个角落的各种民族,
都把他们的子民派到了纽约曼哈顿这个窄长的小岛上来。

生活的空间小,人的节奏快,每个人的24小时都被排得满满的。

人们在这里都变成了一只又一只的工蜂,循着自己的路线,从地下走到地上,
又从街道钻进大楼, 凭借着高速电梯, 升到云彩上方的摩天大楼的顶端。

人们忙个不停,可也并不浑身忙乱。
人们的轨迹, 偶又交叉,却又互不干扰,象行星的运行,有条不紊。

王起明也是一颗小小的星球。


第二天早晨,王起明地铁里升出来,用手扯扯被挤歪的西装,走于路标去看路。

他手里捏着姨妈给他的地址记录,和那路牌上的洋文对照。
不一会儿,他找到了湘院楼这间中国餐馆。

在门口,他略一踌躇,推门而进。餐馆还没有开始营业。
一个年轻服务员,一边做着各种餐期的准备,一边打招呼说:


服务员 : Good morning, May I help you?  (早上好,请进)
王起明 : 你是中国人?
服务员 : You are Chinese? (你是中国人吗?)
王起明 : 对,中国人。

服务员 : 需要帮什么忙吗?
王起明 : 你是北京人吗?
服务员 : 对,听你的口音也是北京人吧。
王起明 : 哎哟,哥们。对不起啊,我说话有点儿糙。

服务员 : 你北京的。
王起明 : 北京的,北京的。
服务员 : 你北京什么地儿?
王起明 : 中关村。

服务员 : 噢,我知道。
王起明 : 我在和平里,就是三环路里边。
服务员 : 噢。
王起明 : 知道吗?

服务员 : 知道,我弟弟住在那边。
王起明 : 是吗? 来几年了?
服务员 : 五年了。
王起明 : 老美国了嘛。

服务员 : 怎么样,你呢?
王起明 : 我刚来。
服务员 : 怎么样,不错吧。
王起明 : 不错,不错。

服务员 : 我这很忙,对不起啊。
王起明 : 好。
服务员 : 怎么着? 有什么事吗?
王起明 : 我是想,你的那个老板在吗?

服务员 : 老板在里面呢。
王起明 : 你去跟他说一下。我找他。我姓王。是他一个朋友让我来的,办点事。
服务员 : 噢,没问题,来里边。
王起明 : 谢谢。
服务员 : 没问题。

那个年轻服务员把王起明领到店里的酒吧。
柜台里的调酒师看着王起明,马上给他往杯子里倒啤酒。

王起明 : 喂,早晨好。
服务员 : 他不会说国语,听也能听一点。
王起明 : 噢,是吗?
服务员 : 来,你先坐,我去给你找老板。
王起明 : 不客气。

服务员 : 哎,弗兰克,你先关照一下。老板的朋友。
王起明 : 谢谢啊。
服务员 : 不客气。
王起明 : 好,谢谢,我自己来。

王起明坐在柜台前悠闲地喝着啤酒。
不一会儿,随着一阵清脆的高跟鞋声,一位将近中年的中国女人走了出来。
她打扮入时,浓装艳抹,见到了王起明就亲切地招呼说:

阿   春 : 王先生吗?
王起明 : 是,你好。
阿  春 : 你好。
王起明 : 您说的是北京话?

阿  春 : 我讲的是国语。
王起明 : 您不是从北京来的?
阿  春 : 未必只有从北京来的。才会说国语吧。王先生做什么生意的。
王起明 : 不,我不是生意人。

阿  春 : 你是…。
王起明 : 拉大提琴。
阿  春 : 噢,这么说您是位艺术家了。
王起明 : 算是吧,可也谈不上。

阿  春 : 我可以理解成。你是位很有品味的人。而且很有艺术家的气质。您第一次来我们这里吗?
王起明 : 第一次。
阿  春 : 觉得这里怎么样?
王起明 : 总的来说不错。就是我觉得这的音乐有点…。

阿  春 : 怎么?
王起明 : 你们是不是逮着什么放什么。
阿  春 : 怎么讲呢?
王起明 : 实话实说吧。我觉得有点太闹了。不讲究。

听到王起明的话,老板娘的脸上闪露出一丝不高兴的神色。

阿  春 : 噢,是这样。弗兰克。请你照顾一下王先生。很对不起,失陪了。
王起明 : 请等一下,您是老板娘吗? 我可不可以见一下你们老板。
阿  春 : 这里的事情我做主。
王起明 : 是这样。孙先生让我来找您一下。带封信给您,说这有一份工作。

阿  春 : 你想干点什么?
王起明 : 当然啦。我不是想在你们这拉大提琴。怎么说呢,随便找一个。就算是个过度吧。
阿  春 : 你总会干点什么吧,除了大提琴。
王起明 : 其实也无所谓,您看着安排。非常抱歉。我以前到餐馆来都是吃饭。从来没想到要干点什么。

阿  春 : 那就请你马上离开这个地方。
王起明 : 等等,您这是什么意思?
阿  春 : 我的意思是说,坐在这里可是要付钱的。
王起明 : 你可以从我的工资里扣嘛。

阿  春 : 我并没有说要付给你工钱呢。
王起明 : 这么说您是不想要我?
阿  春 : 我的意思是说,如果你还可以唱两句的话,我真的还可以考虑。

王起明 : 您贵姓?
阿  春 : 叫我阿春好了。
王起明 : 你还知道你叫什么!
阿  春 : 哎,你回来。

王起明刚要出店,阿春把他叫住。

王起明 : 你还要干什么?
阿  春 : 你还没付酒钱呢。
王起明 : 我会付你的。
阿  春 : 我相信你的能力。但是本店概不赊欠。

王起明摘下手表放在柜台上,推到阿春面前。

王起明 : 这个,值杯酒钱吧。
服务员 : 是块好表。
阿  春 : 哟,还是瑞士的呢。你们看这值多少钱呢?
服务员 : 两块。

王起明 : 我可以走了。
阿  春 : 对不起,王先生。我们这里可不是当铺。
王起明 : 那你到底想怎么着?
阿  春 : 很简单,给我打工。

王起明自诩是大提琴师,而老板娘阿春明白:到了美国,这些技能变得无用了,
如何生存下去,才是王起明目前的重点。
于是王起明和阿春的第一次会面,以发生冲突告终。



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【注 釈】

【棕种人】 zōng zhǒng rén
褐色人種(メラネシアン Australoid)

【浓装艳抹】 nónɡ zhuānɡ yàn mǒ
厚化粧する(打扮得十分艳丽)
<用例>她不喜欢浓装艳抹,总是淡妆素裹。
(彼女は厚化粧を好まず、いつも薄化粧のあっさりした装いだ)

【逮着什么放什么】 dǎi zháo shén me fàng shén me
掴んだものは全て口に放り込む。ありあわせの物で十分満足する

【过度】 guò dù (=过日子) 生活を維持する

【你还知道你叫什么】 (=你不可能你叫什么) 名を語れるわけがない。



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【口語訳】

地下鉄の出口から吐き出される群衆の波は途切れる事はなく、それはまさに地の底から湧き上がる濁り水のようであった。

白人、黒人、黄色人種、褐色人種 … 世界各地からやってきた彼ら移民の末裔たちが、
このマンハッタンの狭い小島のなかに同居しているのである。

居住空間が狭く、生活のテンポも速いため、彼らは二十四時間過密状態の暮らしを強いられている。

人々はそれぞれ一匹の働きバチとなり、自分の定められた道に従い、地下から地上に這い上がり、
そして大通りからビルに潜り込み、高速エレベーターで雲の彼方の摩天楼まで移動していく。

彼らは忙しくてたまらないのだが、それでも多忙に流されることはない。

人々の歩く道筋は、偶然に交差しながらも、互いに干渉することなく、それはあたかも惑星の運行のように秩序立っている。
王起明もまた、そんな星屑のなかのひとつであった。


翌日の朝、地下鉄を上がってきた王起明は、しきりに背広のしわを手で伸ばしながら、道路標識で道の名前を確認していた。
彼は、叔母のくれた住所のメモを手にして道標の上の外国語と照らし合わせる。

まもなく、彼は中国レストラン 「湘院楼」 を見つけた。
彼は入口でしばらくためらったあと、扉をおして中に入った。

レストランはまだ営業時間外であった。
すると食卓の準備をしていた一人の若い従業員が、声を掛けてきた。

従業員 : Good morning,May I help you? (おはようございます。いらっしゃいませ)
王起明 : 君は中国人か?
従業員 : You are Chinese? (あなたは中国人ですか?)
王起明 : そう、中国人だ。

従業員 : 何かご用ですか?
王起明 : 君の出身は北京?
従業員 : ええ、あなたの訛りも北京ですね。
王起明 : ああ、なつかしい。いやどうも申し訳ない、ちょっと失礼な言い方でした。

従業員 : 北京の方でしょう。
王起明 : そう、北京、北京。
従業員 : 北京のどちら?
王起明 : 中関村です。

従業員 : あ、知ってますよ。
王起明 : 和平里の第三内環状道路の中です。
従業員 : あ、そうですか。
王起明 : 知ってますか?

従業員 : ええ、弟が住んでいますから。
王起明 : そうですか? いつからこちらに?
従業員 : 5年前です。
王起明 : じゃ、もうアメリカ通ですね。

従業員 : どうです、あなたは?
王起明 : 私は来たばかりです。
従業員 : どうですか、なかなかでしょ。
王起明 : ええ、たいしたものです。

従業員 : すみません、忙しいので失礼します。
王起明 : どうぞ。
従業員 : ええと、何かご用なのですか?
王起明 : 支配人はいらっしゃいますか?

従業員 : 奥にいますよ。
王起明 : 取り次いでもらいたいんですが。用向きがあるのです。私は王と申します。知り合いの紹介で来ました。
従業員 : そうですか、さあ、奥へどうぞ。
王起明 : どうもすみません。
従業員 : どういたしまして。

その若い従業員は王起明を店内のバーに案内した。
バーテンダーは王起明を見ると、グラスにビールを注いで差し出してくる。

王起明 : やあ、おはよう。
従業員 : 彼は中国語はだめです。聞いても少ししか分かりません。
王起明 : あ、そうですか?
従業員 : どうぞ、こちらに座って。私は支配人を呼んで来ますから。
王起明 : じゃ、遠慮なく。

従業員 : フランク、よろしくたのむ。こちら支配人の友達だ。
王起明 : どうもすみません。
従業員 : どういたしまして。
王起明 : ありがとう、自分でやりますよ。

王起明はカウンターの前に座り、ゆっくりとビールを飲みはじめた。
間もなく、ひとしきり軽快なハイヒールの音をたてて、一人の中年の中国人女性が入ってきた。
今流行りの服を艶やかに装った彼女は、王起明に親しげに話しかけてきた。

阿  春 : 王さんですか?
王起明 : はい、こんにちは。
阿  春 : こんにちは。
王起明 : 北京語をしゃべるんですね?

阿  春 : 私のは国語ですよ。
王起明 : でも、北京の方でしょ?
阿  春 : 北京の人だけに限りませんよ、標準語を話すのは。王さんはどんな商売をなさっていますか。
王起明 : いいえ、商売人ではありません。

阿  春 : では…?
王起明 : チェリストです。
阿  春 : あ、すると芸術家ですね。
王起明 : そうなりますが、それほどでも。

阿  春 : わかりますわ。どこか違いますもの。雰囲気がありますから。ここは初めてですか?
王起明 : ええ、初めてです。
阿  春 : 印象はいかが?
王起明 : 悪くありませんよ。ただ音楽がちょっと。

阿  春 : なにか?
王起明 : マッチしてないように思います。
阿  春 : どういうことですの?
王起明 : はっきりいえば、少しやかましすぎます。センスも感心しない。

その王起明の言葉を聞くと、女主人の顔に不服そうな様子がちらっと現れた。

阿  春 : ああ、わかりましたわ。フランク。あとお願いね。すみません、ここで失礼いたします。
王起明 : ちょっと待ってください、あなたは奥様ですか? ご主人にお会いしたいのですが。
阿  春 : 店のことは私が仕切っています。

王起明 : そうですか。実は孫さんからの紹介で手紙を持参しました。仕事の事です。
阿  春 : 仕事は何をお望みですの?

王起明 : もちろん、チェロを弾こうとは思っていません。どう言ったらいいのかな、何でもいいですよ。どうせ定職が見つかるまでです。
阿  春 : 一体何ができますの。チェロ以外で。

王起明 : 本当に何でもいいんですよ。申しわけないが、あなたが決めてください。レストランには食べにくるだけで、何をしたらいいのか分かりません。
阿  春 : それなら、どうぞこのままお引き取りください。

王起明 : 待ってくれ、どういう意味だ?
阿  春 : つまりここに座ったら、お金をいただくことになっているのよ。
王起明 : 私の給料の中から差し引いてくれればいいだろ。
阿  春 : 給料を払うとは言ってないわ。

王起明 : じゃあ、雇ってくれないのか?
阿  春 : そうね、歌でも歌えれば考えてもよくてよ。

王起明 : あんた名前は?
阿  春 : 阿春って呼んでくれればいいわ。
王起明 : よくも名乗れたもんだな!

店を出ようとする王起明を阿春が呼び止めた。

阿  春 : ちょっと待ちなさいよ。
王起明 : こんどは何だ?
阿  春 : お勘定がまだよ。

王起明 : 払ってやるとも。
阿  春 : 払ってくださいますわね。あなたを信じるわ。でもツケはお断りよ。

王起明は腕時計をはずしてカウンターに置き、そのまま阿春の前に押し出した。

王起明 : これでいいだろう。
従業員 : いい時計ですよ。
阿  春 : あら、スイス製ね。あなた達、これいくらの値打ちがあると思う?

従業員 : 2ドルですかね。
王起明 : じゃ、失礼するぜ。
阿  春 : すみません、王さん。悪いけどここは質屋じゃないの。

王起明 : じゃあ、一体どうしろというんだ?
阿  春 : 簡単よ、ここで働いてもらうことにするわ。

王起明は自らチェロ奏者であることを誇っていたが、ここアメリカでは、そんな技能は無用に等しいことを、阿春は明らかに分かっていた。
どのように生活していくかこそが、今の王起明にとって最重要事項であったのだ。

こうして王起明と阿春の最初の出会いは、険悪な雰囲気のまま結末を迎えてしまった。






北京人在紐約 第一回 - 完 -




<中文剧名> 北京人在紐約

<英文剧名> Beijing Natives in New York


<主   演>

姜  文 (jiāng wén) ・・・ 王起明
严晓频 (yán xiǎo pín) ・・・ 郭燕
王  姬 (wáng jī) ・・・ 阿春